リンウッド・バークレイ

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リンウッド・バークレイ
Linwood Barclay
2013年9月
誕生 1955年????
アメリカ合衆国の旗 コネチカット州ダリエン英語版
職業 作家
言語 英語
国籍 カナダの旗 カナダ
最終学歴 トレント大学
ジャンル ミステリ、ユーモア
代表作 『失踪家族』
配偶者 ニーサ・サンズ・バークレイ
(Neetha Sands Barclay)
子供 2人[1]
公式サイト www.linwoodbarclay.com
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リンウッド・バークレイLinwood Barclay1955年 - )は、アメリカ生まれのカナダ小説家、ユーモア作家、元コラムニスト2007年に上梓した『失踪家族』は、カナダのみならず世界中でベストセラーとなった。

経歴[編集]

1955年コネチカット州ダリエン英語版に、父・ムリエルと母・エヴァレットの間に生まれる。父はプロのイラストレーターで、トロントのウィリアム・R・テンプルトン・スタジオから仕事を得たのを機に、一家は1959年にカナダへ移住した。1966年、休暇を取った一家は、オンタリオ州のキャンプ地ボブケイジョンで、父が肺癌で亡くなるまでの約5年を過ごした。

オンタリオで育った作家、ロス・マクドナルドの作品にインスパイアされ、子供の頃から推理小説を書くことに興味があることを自覚していた[2]。高校卒業後、ピーターボロにあるトレント大学で文学を学んだ。同大学の教員の1人が作家のマーガレット・ローレンス英語版だった。大学在学中にマクドナルドと手紙のやり取りをしたことで、より奮起した。2人は一度だけ対面し、その時ミラー(マクドナルドの本名)は自著に"For Linwood, I hope, someday outwrite me." とメッセージを入れてくれた[2]

大学を卒業はしたものの、書いた小説が売れることはなく、1981年に地元の新聞社『トロント・スター』に就職した。1993年、同紙のコラムニストだったゲイリー・ローテンスが亡くなったのに伴い、彼の跡を継いで週に3回のユーモア・コラムの担当となった。また、自身の記事や短編集3冊をポッドキャストで公開した。2004年から2007年にかけて、仕事のかたわら、日中は新聞社のコラムニストの仕事をする探偵ザック・ウォーカーが主人公のコメディ・ミステリを上梓、イングランドで刊行されるとそこそこヒットした[2]

ブレイクしたのは2007年、『失踪家族』(原題:No Time for Goodbye )を上梓するや、国内外で100万部の売り上げに早々に達し、一躍ベストセラー作家に躍り出た[2]。著書のプロモーションのため、2008年9月まで1年間の休暇を取り、少し早い6月28日に最後のコラムをしたため、『トロント・スター』を辞職した。2012年に上梓した"Trust Your Eyes" は、イギリスの眼鏡メーカースペックセイバーズがスポンサーを務めていたクライム・スリラー・アウォーズ英語版で最終候補になった[3]。アメリカでは、同作は激しい入札の末にハリウッド・スタジオが版権を獲得した(バークレイが雑誌『バラエティ』の表紙に登場するほどの熱狂ぶりだったという)[2][4]

『崩壊家族』(原題:Too Close to Home )は、アーサー・エリス賞長編部門を受賞した[5]

オンタリオ州のオークビルに妻と暮らして30年以上になる。

作品リスト[編集]

ノンフィクションNon-fiction
ユーモア
  • Mike Harris Made Me Eat My Dog
  • Father Knows Zilch: A Guide for Dumbfounded Dads
  • This House Is Nuts!
小説
邦題 原題 シリーズ 刊行年
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社
救いようがない Bad Move ザック・ウォーカー シリーズ 1 2004年 2014年3月 長島水際 ヴィレッジブックス
Bad Guys ザック・ウォーカー シリーズ 2 2005年
Lone Wolf ザック・ウォーカー シリーズ 3 2006年
Stone Rain ザック・ウォーカー シリーズ 4 2007年
失踪家族 No Time For Goodbye 2007年 2010年8月 高山祥子 ヴィレッジブックス
崩壊家族 Too Close to Home 2008年 2013年6月 高山祥子 ヴィレッジブックス
Fear the Worst 2009年
Never Look Away 2010年
The Accident 2011年
Clouded Vision 2011年
Trust Your Eyes[6] 2012年
Never Saw it Coming 2013年
A Tap on the Window 2013年

出典[編集]

  1. ^ About Linwood”. Linwood Barclay. 2014年9月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e Mark Medley (2013年7月22日). “The King of Spooky: Linwood Barclay's rise from suburban dad to Canada's biggest fiction export”. Toronto Life. http://www.torontolife.com/informer/features/2013/07/22/linwood-barclay-the-king-of-spooky/?page=all#tlb_multipage_anchor_1 2012年9月26日閲覧。 
  3. ^ ITV Press Centre (25 October 2013). "Winners unmasked at Specsavers Crime Thriller Awards 2013 on ITV3". ITV Press Centre. Retrieved 19 February 2014
  4. ^ Jeff Sneider (2014年2月19日). “Todd Phillips to direct thriller ‘Trust Your Eyes’”. バラエティ. http://variety.com/2012/film/news/todd-phillips-to-direct-thriller-trust-your-eyes-1118059899/ 2014年2月19日閲覧。 
  5. ^ 2009 Arthur Ellis Awards Winners Crime Writers of Canada, (retrieved 11/21/2012)
  6. ^ Trust Your Eyes”. Trailer, Bantam. p. l (2012年). 2014年2月18日閲覧。

外部リンク[編集]