リットン・ストレイチー

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夫人が描いた肖像画

リットン・ストレイチー: Lytton Strachey, 1880年3月1日 - 1932年1月21日)は、イギリス伝記作家で、批評家

ヴァージニア・ウルフE・M・フォースターJ・M・ケインズらと共にブルームズベリー・グループの主要メンバーで、同性愛者であった。夫人ドーラ・キャリントンは女流画家で、肉体関係なき共同生活を送った。

同性愛タブー視するなど偽善性が強かった(大英帝国全盛期の)ヴィクトリア朝の文学・思想・道徳を批判し、偶像破壊的な伝記叙述のスタイルを確立した。ナイチンゲール伝やヴィクトリア女王伝が著名で、後者は1921年にジェイムズ・テイト・ブラック記念賞「伝記部門」を受賞した。

詳細な伝記に『キャリントン』(マイケル・ホルロイド(Michael Holroyd)、中井京子訳、新潮文庫、1996年)がある(タイトルは夫人の伝記映画で、訳書は後半部のみ)。

親族[編集]

母とストレイチー家の子供たち。本人は、右から4人目

訳書一覧[編集]

初刊版は角川文庫、1953年、筑摩書房「世界ノンフィクション全集18」で再刊
中央公論社、1983年、中公文庫、1987年、改版1999年
「ヴィクトリア朝」抄訳版で、他はトーマス・アーノルド博士伝(マシュー・アーノルドの父)
マニング枢機卿Henry Manning)、ナイチンゲール、アーノルド、チャールズ・ゴードン将軍の4名。
以下は大半が戦前期の訳書で、「片岡訳」以外は入手困難。
  • 岩崎民平訳 『ナィティンゲール評伝』 実業之日本社、1939年
  • 平田禿木訳 『ゴルドン将軍の死』 アルス、1940年
  • 亀井常蔵訳補 『フロレンス・ナイチンゲール』 青木書店、1940年
  • 片岡鉄兵訳 『エリザベスとエセックス』 富士出版社、1941年
    凡書房、1958年、他に平凡社角川書店の「伝記シリーズ」で再刊
  • 坂下昇訳 『ヴィクトリア女王』 三邦出版社、1941年
  • 堀大司訳 『ゴードン将軍の最期』 白水社、1941年。詳細な訳注
  • 山上正太郎訳 『小さき肖像畫 傳記文學集』 地平社、1943年
  • 日高直矢訳 『ヴィクトリア朝時代の秀れた人々』 福村書店、1950年
    ※ゴードン将軍、ナイチンゲールのみの訳。

外部リンク[編集]