リチャード・ライト (小説家)

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リチャード・ライト

リチャード・ライトRichard Wright, 1908年9月4日 - 1960年11月28日)は、アメリカ合衆国小説家ミシシッピ州出身。

20世紀アメリカ黒人文学の先駆者として知られ、ブラックパワーという言葉をつくった。また晩年は俳句に凝り、句集を出している。

経歴[編集]

ミシシッピ州ロキシーのプランテーションで生まれる。十代のときにジャクソン (ミシシッピ州)に移り住み、母方の祖母と暮らす。叔父が白人に殺されるなど、激しい人種差別の中で育つ[1]。16歳で最初の小説を書き、地元の黒人新聞に掲載される。19歳で作家を目指してシカゴへ移り、25歳のときに共産党員になる。左翼系文芸誌に作品を寄せ、ニューヨークに移り住んだのち、『アンクル・トムの子供たち』『アメリカの息子』を出版し、文学における新しい黒人像の創出、新しい黒人小説として高い評価を得る[2]。次第に共産主義から実存主義に傾倒しはじめ[2]、36歳のときに共産党を離脱、パリへ移住[1]。1957年にアフリカ赤痢にかかり、以降病気がちとなり、3年後の52歳のときに病死する。晩年は俳句に凝り、約4000句を書き、死後俳句集が出版された。

年譜[編集]

代表作[編集]

  • 『アンクル・トムの子供たち』Uncle Tom's Children(1938)
皆河宗一訳 晶文社 1970
  • 『アメリカの息子』Native Son(1940)
橋本福夫訳 ハヤカワ文庫、1972
  • 『ブラックボーイ』Black Boy(1945)
高橋正雄訳 月曜書房 1952
『ブラックボーイ ある幼年期の記録』岩波文庫 野崎孝訳 1962
  • 『アウトサイダー』The Outsider(1953
橋本福夫訳 新潮社、1972
  • 『かがやく明けの星』小林健治訳 南雲堂 1960
  • 『白人よ聞け』海保真夫鈴木主税訳 小川出版 1969
  • 『八人の男』赤松光雄田島恒雄訳 晶文社 1969
  • 『続ブラック・ボーイ』北村崇郎訳 研究社出版 1976
  • 『アメリカの飢え』高橋正雄訳 講談社 1978
  • 『ひでえぜ今日は!』古川博巳、絹笠清二訳 彩流社 2000
  • 『異教のスペイン』石塚秀雄訳 彩流社 2002
  • 『Haiku(俳句) この別世界』伯谷嘉信、ロバート・L.テナー編 木内徹,渡邊路子訳 彩流社 2007

伝記[編集]

  • 高橋正雄『悲劇の遍歴者 リチャード・ライトの生涯』中央大学出版部 1968

脚注[編集]

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  1. ^ a b 『アメリカ文化入門』杉野健太郎、三修社, 2010
  2. ^ a b William FaulknerのThe Wild PalmsとRichard Wrightの"Down by the Riverside"における1927年のミシシッピ川大洪水中地幸、都留文科大学研究紀要 64, 67-81, 2006

関連項目[編集]