リコール (地方公共団体)
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(リコール (自治体)から転送)
リコールは、政治要職者を、有権者の請求によって解職する手続きのことで、解職請求権ともいう。日本では住民の意思で地方自治体の要職者を任期が終わる前に解職できたり地方議会を解散できる制度のこと。
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[編集] 概要
地方自治法第76条から第88条までと地方教育行政法第8条で定められた直接請求制度(直接民主主義)の一つである。
[編集] 制度
- 地方首長の解職
- 地方首長(都道府県知事、市町村長)の解職については、有権者の3分の1以上[1]の署名を集めて選挙管理委員会に請求できる(地方自治法第76条第1項及び第81条第1項)。
- 請求が有効であれば、請求から60日以内に住民投票が行われる(地方自治法第81条第2項)。都道府県知事については少なくとも投票日の30日前に、市町村長については少なくとも投票日の20日前に地方首長解職投票の告示をしなければならない(地方自治法施行令第116条の2)。
- 地方首長解職投票において有効投票総数の過半数が賛成すれば、地方首長(都道府県知事、市町村長)は失職する(地方自治法第83条)。だが、解職投票対象の地方首長が職を失う又は死亡した場合は地方首長解職投票を行わない(地方自治法施行令第116条の2)。
- 地方首長に関して選挙から1年間(無投票当選を除く)又は解職投票日から1年間は解職請求をすることができない(地方自治法第84条)。
- 地方議会の解散
- 地方議会の解散については、有権者の3分の1以上[1]の署名を集めて選挙管理委員会に請求できる(地方自治法第76条第1項)。
- 請求が有効であれば、請求から60日以内に住民投票が行われる(地方自治法第76条第3項及び地方自治体施行令第100条の2条)。都道府県議会については少なくとも投票日の30日前に、市町村議会については少なくとも投票日の20日前に地方議会解散投票の告示をしなければならない(地方自治法施行令第100条の2条)。
- 地方議会解散投票において有効投票総数の過半数が賛成すれば、議会解散となる(地方自治法第78条)。だが、地方議会解散日前に地方議会議員が全て欠員となった場合は地方議会解散投票を行わない(地方自治法施行令第102条)。
- 地方議会に関して、選挙から1年間又は解散投票日から1年間は解散請求をすることができない(地方自治法第79条)。
- 地方議員の解職
- 地方議員については、対象の地方議員の選挙区の有権者(選挙区が無い場合は地方自治体の全有権者)の3分の1以上[1]の署名を集めると、地方議員の解職を選挙管理委員会に請求できる。
- 請求が有効であれば、請求から60日以内に地方議員の選挙区(選挙区が無い場合は地方自治体全域)において住民投票が行われる(地方自治法第80条第3項及び地方自治法施行令第113条)。都道府県議会議員については少なくとも投票日の30日前に、市町村議会議員については少なくとも投票日の20日前に地方議員解職投票の告示をしなければならない(地方自治法施行令第113条の2)。
- 地方議員解職投票において有効投票総数の過半数が賛成すれば、地方議員は失職する(地方自治法第83条)。だが、解職投票対象の地方議員が職を失う又は死亡した場合は地方議員解職投票を行わない(地方自治法施行令第112条)。
- 地方議員に関して選挙から1年間(無投票当選を除く)又は解職投票日から1年間は解職請求をすることができない(地方自治法第84条)。
- 地方役員の解職
- 有権者の3分の1以上[1]の署名を集めると、副首長(副知事や副市町村長)、選挙管理委員、監査委員、公安委員会委員、教育委員の解職を地方首長(都道府県知事、市町村長)に請求できる(地方自治法第86条及び地方教育行政法第8条第1項)。
- 請求が有効であれば、地方首長(都道府県知事、市町村長)が地方議会に付議し、議員の3分の2の定足数で4分の3以上の多数で同意があれば職を失う(地方自治法第87条第1項)。
- 副首長(副知事や副市町村長)の解職の請求は、就任から1年間及び解職請求に基づく地方議会の解職採決日から1年間は解職請求をすることができない(地方自治法第88条第1項)。
- 選挙管理委員、監査委員、公安委員会委員の解職の請求は、就任から6ヶ月間及び地方議会の解職採決日から6ヶ月間は解職請求をすることができない(地方自治法第88条第2項及び地方教育行政法第8条第2項)。
[編集] 実例
[編集] 解職請求
- 植松義忠 - 静岡県富士宮市長を1983年3月20日にリコールされ、出直し選挙、1987年市長選に敗れる
- 中村勝人 - 山口県宇部市長を1993年6月12日にリコールされ、出直し選挙に出馬せず引退
- 関口隆正 - 群馬県富士見村長を2003年2月16日にリコールされ、出直し選挙に敗れる
- 大野和三郎 - 滋賀県豊郷町長を2003年3月9日にリコールされ、出直し選挙で再選される
- 徳永繁富 - 長崎県香焼町長を2004年1月11日にリコールされ、出直し選挙で再選される
- 辻嘉右エ門 - 福井県鯖江市長を2004年8月28日にリコールされ、出直し選挙に敗れる
- 倉田定宣 - 香川県三野町長を2004年10月31日にリコールされ、出直し選挙に敗れる
- 河野敏郎 - 静岡県川根町長を2004年11月21日にリコールされる
- 加藤新吉 - 青森県浪岡町長を2004年12月26日にリコールされる
- 野髙貴雄 - 茨城県河内町長を2004年4月10日にリコールされ、出直し選挙で再選する
- 庄司忠夫 - 千葉県和田町議会議員を2005年1月30日にリコールされる
- 小林正明 - 神奈川県城山町長を2006年2月19日にリコールされる
- 岡野俊昭 - 千葉県銚子市長を2009年3月29日にリコールされ、出直し選挙で敗れる
- 竹原信一 - 鹿児島県阿久根市長を2010年12月5日にリコールされ、出直し選挙に敗れる(2011年阿久根市長選挙)
- 以下は住民投票における解職失敗例である。
- 大久保司 - 茨城県八千代町長。2004年9月19日にリコールを問う住民投票が行われたが、過半数の賛同を得られなかった
- 箱山好猷 - 長野県真田町長。2004年12月5日にリコールを問う住民投票が行われたが、過半数の賛同を得られなかった
[編集] 解散請求
- 静岡県富士宮市議会 - 1983年3月20日の住民投票で解散した。
- 山口県熊毛町議会 - 2002年10月6日の住民投票で解散した
- 山口県周南市議会 - 2004年5月16日の住民投票で解散した
- 山口県田布施町議会 - 2005年1月30日の住民投票で解散した
- 長崎県五島市議会 - 2005年1月30日に住民投票で解散した
- 名古屋市議会 - 2011年2月6日に住民投票で解散、同年3月13日に出直し選挙が実施された(2011年名古屋市議会議員選挙)
[編集] 脚注
- ^ a b c d 地方自治法等の一部を改正する法律(平成14年法律第4号、2002年3月30日公布)により「その総数の3分の1(その総数が40万を超える場合にあつては、その超える数に6分の1を乗じて得た数と40万に3分の1を乗じて得た数とを合算して得た数)以上」(原文漢数字)と改正されている。
有権者 規定数 割合 39万9999人 13万3333人 33.333333% 40万0004人 13万3334人 33.333331% 50万0000人 15万0000人 30.000000% 99万9998人 23万3333人 23.333346% 100万0004人 23万3334人 23.333306% 110万0000人 25万0000人 22.727272%