リガ型フリゲート

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リガ型フリゲート

СКР проекта 50, 1983.10/15撮影
艦級概観
艦種 警備艦
艦名 動物名、人名(旧東独)、番号名等
所属  ソビエト連邦海軍
 ブルガリア海軍
 中国人民解放軍海軍
 人民海軍
 フィンランド海軍
 インドネシア海軍
前級 コラ型フリゲート
次級 ペチャ型フリゲート
就役期間 1952年 - 1990年
完成 68隻
退役 68隻
性能要目
排水量 基準:1,160 t
満載:1,416 t
全長 91 m
全幅 10.2 m
吃水 3.16 m
機関 KVG-57/28型水管ボイラー
(370℃, 28 kgf/cm2)
2缶
TV-9型蒸気タービン
(10,015 hp (7.468 MW))
2基
スクリュープロペラ 2軸
速力 28 kt
航続距離 1,800海里 (14kt巡航時)
乗員 175名
兵装 B-34 100mm単装両用砲 3基
V-11M 37mm連装機銃 2基(一部)
2M-3 25mm連装機銃 2基
RBU-600対潜迫撃砲
※のちにRBU-2500ロシア語版に換装
2基
533mm 3連装長魚雷発射管 1基
機雷 28発
Karl Marx、1974,10/7Rostockで撮影
Hämeenmaa1983フィンランド湾で撮影

リガ型フリゲート(リガがたフリゲート、英語: Riga class frigate)は、旧ソ連海軍ロシア海軍が運用していた警備艦の艦級に対して付与されたNATOコードネーム。旧ソ連海軍での正式名は50型警備艦ロシア語: СКР проекта 50)である。また、役割から護衛艦に分類されている場合もある。

概要[編集]

本型は、先行するコラ型フリゲートの小型化・廉価版として開発された。コラ型は、従来のソ連海軍警備艦に比して大型の艦体に、排水量の割に強力な兵装を搭載した優秀な戦闘艦であったが、コストの高さが問題視されていた。このことから、本型では排水量にして約200トン小型化するとともに、B-34 100mm単装両用砲を1基撤去した。また対潜迫撃砲も、コラ型ではロケット爆雷を使用する先進的なRBU-900が搭載されていたのに対し、やや旧式のRBU-600(イギリス製ヘッジホッグの射程延伸版)とされている。

これらのコスト低減策が奏功したのか、コラ型の建造が8隻で打ち切られたのに対し、リガ型は68隻の同型艦が竣工しその中から22隻が同盟諸国に供与された。更に中国で独自の発展を遂げるが、その原型が保管されている以外は80年代以降殆どが退役したと思われる。

同型艦一覧[編集]

41隻がカリーニングラード、20隻がムィコラーイウ、7隻がコムソモルスク・ナ・アムーレで建造された。

艦名 登録竣工年 除籍解体年 造船所 備考
ЯГУАР 1951,12/07 1988,01/10 ムィコラーイウ Комсомолец Грузииから更にОС-188に改名
РОСОМАХА 1952,02/01 1989,11/01 カリーニングラード -
ЛЕОПАРД 1951,11/13 1981,09/01 -
ПАНТЕРА 1951,12/05 1988,10/01 ムィコラーイウ Советский Туркменистанに改名
РЫСЬ 1951,12/07 1990,08/01 -
ЗУБР 1952,05/13 1971 コムソモルスク・ナ・アムーレ インドネシアでHang Tuanに改名
ГОРНОСТАЙ 1951,12/07 1992 ムィコラーイウ -
БИЗОН 1952,05/13 1971 コムソモルスク・ナ・アムーレ インドネシアでKaki Aliに改名
БАРС 1951,12/07 1990,08/01 カリーニングラード -
АИСТ 1952,07/05 1971 コムソモルスク・ナ・アムーレ インドネシアでLambung Mangkuratに改名
ПУМА 1952,05/19 1975 ムィコラーイウ インドネシアでSlamet Rijariに改名
КУГУАР 1952,07/05 1992 カリーニングラード -
БАРСУК 1952,05/19 1981,07/01 -
САРЫЧ 1952,02/09 1974 ムィコラーイウ インドネシアでJons Sudarsoと改名
СОБОЛЬ 1952,02/01 1970年代 カリーニングラード 東ドイツでKarl Marxと改名
ГИЕНА 1952,07/05 1981,10/01 コムソモルスク・ナ・アムーレ Ласкаと改名
ВОЛК 1952,05/19 1991 ムィコラーイウ -
ЕНОТ 1952,07/05 1971 カリーニングラード 東ドイツでFriedrich Engelsと改名
ПЕЛИКАН 1953,03/14 1973 コムソモルスク・ナ・アムーレ インドネシアでNukuと改名
ФИЛИН 1952,07/05 1980年代 カリーニングラード フィンランドでUusimaaと改名
КУНИЦА 1952,05/19 1989,10/01 ムィコラーイウ -
ЛУНЬ 1952,07/05 1989,10/01 カリーニングラード -
КОРСАК 1952,07/05 1973 ムィコラーイウ インドネシアでNgurah Raiと改名
ПИНГВИН 1953,03/14 1988,10/01 コムソモルスク・ナ・アムーレ -
ГЕПАРД 1953,06/01 1985,05/01 -
НОРКА 1953,03/14 1989,10/1 ムィコラーイウ -
КОБЧИК 1953,03/14 1990年代 カリーニングラード ブルガリアでБодриに改名
ТУР 1953,03/14 1971 東ドイツでKarl Liebknechtに改名
ВОРОН 1953,10/17 1989,10/01 ムィコラーイウ -
ГРИЗОН 1953,10/17 1970 インドネシアでMongin Sidiに改名
ЛОСЬ 1953,10/07 1987,10/01 カリーニングラード -
ОЛЕНЬ 1953,11/07 1970年代 東ドイツでErnst Thalmannに改名
СКР-51 1954,02/20 1991,10/01 ムィコラーイウ -
СКР-52 1954,05/04 1989,10/01 Туманに改名
СКР-53 1954,06/03 1980年代 ブルガリアでСмелиに改名
СКР-54 1954,07/01 1987,10/01 カリーニングラード -
СКР-55 1954,07/01 1987,10/01 -
СКР-50 1954,05/04 1987,10/01 -
СКР-57 1954,10/06 1989,10/01 ムィコラーイウ -
СКР-58 1954,10/06 1990,06/01 -
СКР-56 1954,07/16 1989,10/01 カリーニングラード Советский Азербайджанに改名
СКР-59 1955,04/15 1989,10/01 -
СКР-63 1955,05/05 1987,06/20 ムィコラーイウ СМ-141に改名
СКР-60 1955,10/17 1988,09/01 カリーニングラード -
СКР-61 1955,10/17 1989,10/01 -
СКР-62 1955,12/20 1989,10/01 Иркутский комсомолецに改名
СКР-66 1956,02/09 1989,05/05 ムィコラーイウ -
СКР-64 1955,12/20 1987,10/01 Комсомолец Литвыに改名
СКР-65 1956,02/09 1989,10/01 -
СКР-67 1956,02/09 1985 ブルガリアでДързкиに改名
СКР-68 1956,03/01 1989,11/01 カリーニングラード -
СКР-69 1956,04/25 1980年代 フィンランドでHameenmaaに改名
СКР-70 1956,06/09 1991,10/01 -
СКР-71 1956,07/18 1991,10/01 -
СКР-72 1956,07/30 1994,09/01 ОТ-28に改名
СКР-73 1956,11/12 1991,06/01 -
СКР-74 1957,02/04 1988,10/01 -
СКР-75 1957,02/07 1988,10/01 -
СКР-76 1957,04/12 1989,10/31 Архангельский комсомолецに改名
СКР-77 1957,04/12 1989,10/01 Советский Дагестанに改名
СКР-80 1957,07/31 1987,10/01 -
СКР-81 1957,08/09 1988,09/01 -
СКР-4 1957,12/24 1989,10/01 -
СКР-5 1957,12/24 1989,10/01 -
СКР-8 1957,12/24 1994,06/01 -
СКР-10 1957,01/26 1987,06/20 -
СКР-14 1958,05/29 1987,10/01 -
СКР-15 1958,07/03 1994,06/01 -

同盟諸国供与艦一覧[編集]

 ブルガリア海軍
3隻 - ≪Смели≫≪Кобчик≫≪Бодри≫
 中国人民解放軍海軍
4隻 (5隻) - 50年代、中国名6601型(成都級)としてノックダウン生産される。その後中ソ対立の影響から、6601型をリバースエンジニアリングして065型(江南型)が生産される。さらに江南型を元に独自に053K型(江東型)053H型(江滬I型フリゲート)を開発した。
 人民海軍
4隻 - (エルンスト・テールマン, カール・マルクス, カール・リープクネヒト, フリードリヒ・エンゲルス
 フィンランド海軍
2隻 - ヘメンメアウーシマー
 インドネシア海軍
8隻 - ≪Slamet Rijari≫≪Jons Sudarso≫≪Ngurah Rai≫≪Mongin Sidi≫≪Nuku≫≪Hang Tuan≫≪Kaki Ali≫≪Lambung Mangkurat≫

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]