リウマチ性多発筋痛症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| リウマチ性多発筋痛症 | |
|---|---|
| 分類及び外部参照情報 | |
リウマチ性多発筋痛症(PMR)では通常痛みは肩と股関節周囲にみられる。
|
|
| ICD-10 | M35.3 |
| ICD-9 | 725 |
| MedlinePlus | 000415 |
| eMedicine | emerg/473 |
| MeSH | D011111 |
| プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
リウマチ性多発筋痛症(リウマチせい・たはつきんつうしょう、英 polymyalgia rheumatica; PMR)とは、リウマチ関連疾患の1つである。
65歳以上の高齢者で体幹から近位筋に凝ったような痛み、運動時痛が認められ、寝返りが痛くてできないといった症状が特徴的である。客観的な筋力低下は明らかではなく、体重減少ややる気がおきないなどの症状を認めることも多い。
目次 |
語彙 [編集]
「Polymyalgia」はギリシア語で「多発筋痛」という意味。「rheumatica」は「リウマチ性」。「Rheuma」は古代ギリシャでは「流れ」のこと。
歴史 [編集]
1888年にスコットランドの内科医William Bruceによって「senile rheumatic gout(老人性リウマチ性痛風)」として初めて報告され、1957年に英国の内科医Stuart Barberによって現在の名称が提唱されていった。
疫学 [編集]
欧米・白人に多く、スカンジナビア半島の諸国に多く報告されている。寺井著の総説[1]によると
- ある報告によると、有病率は10万人あたり約500人と推定されている。
- 女性は男性の2倍の発症率である。
- 発病年齢は平均65~70歳といわれており、65歳以上の患者は全症例の約63%を占める。
遺伝子レベルではHLA-DRB1 04とHLA-DRB1 01の関連が報告されてきている。
診断 [編集]
以下の基準が広く用いられている。
- Bird and Wood Criteria(1979年)
- 上記7項目のうち3項目を満たすとき、または1項目以上をみたし、臨床的、病理組織学的に側頭動脈の異常が認められるとき、リウマチ性多発筋痛症と診断される。
- Jones and Hazleman Criteria
臨床像 [編集]
上肢・上腕に限らず、下肢でも近位筋優位の自発痛や把握痛がみられる。関節の圧痛はみられない。
視診・聴診では異常はみられない。 感覚器の異常は基本的にはないが、側頭動脈炎合併例では視覚異常がみられることがある。
検査 [編集]
- 赤血球沈降速度(ESR): 上昇
- CRP: 増加 (線維筋痛症では増加しない。)
- 抗核抗体やリウマチ因子は陰性。
- 側頭動脈炎を合併しているか、合併疑い例には、眼動脈病変による失明を避けるため、必ず眼底検査を行う。
治療 [編集]
20~15mg/日程度の低用量ステロイドが著効する。
関連 [編集]
参照 [編集]
- ^ 寺井千尋, リウマチ性多発筋痛症、側頭動脈炎. Medical Practice (1994) 11:531