ラ・スペツィア=リミニ線

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ラ・スペツィア=リミニ線
西ロマニアと東ロマニア

ラ・スペツィア=リミニ線(ラ・スペツィア=リミニせん、: Linea La Spezia-Rimini)、より正確にはマッサ=セニガッリア線(マッサ=セニガッリアせん、: Linea Massa-Senigallia)とは、イタリア北西部の都市ラ・スペツィアと、同じく北東部の都市リミニ(正確にはマッサセニガッリア)とを結ぶ線のこと。 イタリア半島で話されているイタリア語にとってのみならず、フランス語スペイン語ポルトガル語なども含めたロマンス語を東西に二分する等語線(言語学上の地理的な境界線)として、非常に重要な概念である。

ロマンス語圏のうち、この線より北方・西方、すなわち北部イタリアスイスティチーノ州フランススペインポルトガルなどを西ロマニアといい、 南方・東方、すなわち中部・南部イタリア(トスカーナ地方の方言をベースに作られた標準イタリア語をはじめとした中央イタリア方言などを含む)、コルシカ島サルデーニャ島シチリア島などを東ロマニアという。

特徴[編集]

  • 名詞・形容詞の複数形
    • 東 - 母音交代による(ラテン語の複数主格 -ī, -ae 由来)
    • 西 - sを付加する(ラテン語の複数対格 -ōs, -ās 由来)
  • 母音間の無声子音
    • 東 - 保存
    • 西 - 変化(有声化、軟音化、消失など)

構成[編集]