りょうけん座Y星

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りょうけん座Y星
Y Canum Venaticorum
Y Canum Venaticorum.jpg
Y CVnとCelestiaによるシミュレーション
星座 りょうけん座
視等級 (V) -4.87[1]
変光星型 半規則変光星
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 12h 45m 07.82766s[1]
赤緯 (Dec, δ) +45° 26′ 24.9249″[1]
赤方偏移 0.000051[1]
視線速度 (Rv) 15.30km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -1.40 ミリ秒/年[1]
赤緯: 13.24 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 3.12 ± 0.34ミリ秒[1]
距離 1 045.37 ± 102.72光年[注 1]
(320.51 ± 31.49パーセク)[注 1]
絶対等級 (MV) -2.659[注 2]
物理的性質
半径 2.6-5.1au[2]
スペクトル分類 C5,4J [1]
表面温度 2,200-2,800K
色指数 (B-V) +2.994[3]
色指数 (V-I) +3.07[3]
別名称
別名称
ラ・スパーバ,
La Superba[2],
Y CVn, FK5 1327[1],
HD 110914[1],
HIP 62223,[1]
HR 4846,[1]SAO 44317[1]
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りょうけん座Y星(Y CVn, Y Canum Venaticorum)は、りょうけん座恒星である。非常に赤く見えることで知られる。

物理的な性質[編集]

りょうけん座Y星は半規則変光星で、およそ+4.8等から+6.3等の範囲で、160日の周期で変光している[2]。全天で最も赤く見える星の1つであり、炭素星の中では最も明るく見える[2]赤外線領域の放射が非常に大きく、太陽の22,000~87,000倍もの放射をしていると考えられている[2]

りょうけん座Y星のような太陽の数倍程度の質量を持つ恒星は、での水素からヘリウムへの核融合が終わるとヘリウムから炭素への核融合が始まる。このいわゆる赤色巨星の段階では、外層は膨張して冷え、放射は電磁スペクトルの赤端に遷移する。さらに寿命が近くなると、核融合生成物が対流によって核から外側に移動するため、大気の炭素濃度が上昇して一酸化炭素やその他の化合物を形成する。これらの分子が短い波長の光を吸収することにより、通常の赤色巨星よりもスペクトル中の青色や紫色の成分が少なくなるため、非常に際立った赤色を呈するようになる。

りょうけん座Y星は、ヘリウムから炭素への核融合の最終段階にあるとみられ、その太陽の約100万倍もの強烈な恒星風によって年に太陽質量太陽の太陽風の1万分の1もの質量を失っている。いずれは現在の50倍もの速度で質量を失い、最終的に残された核が白色矮星となると考えられている[2]

名称[編集]

固有名のラ・スパーバ (La Superba) は、19世紀のイタリアの天文学者アンジェロ・セッキによって命名された。その美しさに感激した彼は、ラテン語で「壮麗なもの」を意味する名前を付けた[2]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算(誤差も同様)、光年はパーセク×3.26より計算。各有効桁小数第2位
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。有効桁小数第3位

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o SIMBAD Astronomical Database”. Results for Y CVn. 2014年12月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Jim Kaler (2014年5月23日). “La Superba”. 2014年12月21日閲覧。
  3. ^ a b イェール輝星目録第5版

外部リンク[編集]