ランベルト正角円錐図法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ランベルト正角円錐図法

ランベルト正角円錐図法(ランベルトせいかくえんすいずほう)とは、投影法の一つで、正角図法の一種である。

北極点(もしくは南極点)を頂点とする扇形地図である。緯線は極を中心とする同心円状に、経線は極から放射状に描かれる。地図上の全ての点において、緯線・経線の長さの比が地球球面)上における値と等しくなるように、緯線の間隔を調整することで、角度・形を正しく表現している。

特に中緯度において歪みが小さく、地形図フランスベルギーなど)・航空図天気図などに広く用いられる。日本の国土地理院発行の地図では、50万分の1地方図と100万分の1国際図で採用している。

表式[編集]

ランベルト正角円錐図法の式には、標準緯線 (standard parallel) を1つ指定する1標準緯線型または接円錐型 (tangent type) と、2つ指定する2標準緯線型または割円錐型 (secant type) がある。

以下では地球をとして説明する。回転楕円体面上から投影する場合は、楕円体面を球面に正角投影してからランベルト正角円錐図法で投影する。

1標準緯線型[編集]

半径1の球において、標準緯線を φ0、中心経線を λ0 とし、

n=\sin\varphi_0
\rho(\varphi)=\frac{\exp\left\{n(\operatorname{gd}^{-1}\varphi_0-\operatorname{gd}^{-1}\varphi)\right\}\cos\varphi_0}{n}

とするとき、緯度 φ、経度 λ の点を

x= \rho(\varphi)\sin n(\lambda-\lambda_0)
y=\rho(\varphi_0)-\rho(\varphi)\cos n(\lambda-\lambda_0)

に投影する。ただし、\operatorname{gd}^{-1}x は逆グーデルマン関数である。局所的な縮尺は標準緯線 φ0 上において最小になり(この式の場合だと1)、南北に離れるにつれて大きくなる。

指定パラメータが少なく、いくらか計算が楽なので、対象範囲が狭いアイスランドなどで使われる事がある。

2標準緯線型[編集]

2つの緯度 φ1、φ2 に対して

n=\frac{\ln(\cos\varphi_1/\cos\varphi_2)}{\operatorname{gd}^{-1}\varphi_2-\operatorname{gd}^{-1}\varphi_1}

と置き換える、すなわち arcsinn を標準緯線とする1標準緯線型を考える(n を定める式以外、φ0直角倍数以外のどんな値にしても、単に縮尺と平行移動の違いだけである)。このとき緯度 φ1、φ2 上における局所的な縮尺は同じになり、その間で小さくなる。さらに ρ(φ) も

\rho(\varphi)=\frac{\exp\left\{n(\operatorname{gd}^{-1}\varphi_1-\operatorname{gd}^{-1}\varphi)\right\}\cos\varphi_1}{n}=\frac{\exp\left\{n(\operatorname{gd}^{-1}\varphi_2-\operatorname{gd}^{-1}\varphi)\right\}\cos\varphi_2}{n}

と置き換えれば、指定した2つの緯度上で縮尺が1になるので、座標計算などのために縮尺係数を算出する必要はない(y座標の式中の ρ(φ0) の項は、単に原点を設定するための平行移動なので自由に取ればよい)。

2つの緯度を指定して縮尺のばらつきをある程度抑えられるので、比較的広い範囲を対象とする場合は通常こちらが使われる。

斜軸正角円錐図法[編集]

通常は各緯線上でそれぞれ縮尺が等しくなるように、概念図でいえば「円錐の頂点が北極か南極の方向に向くように」地図を作成するが、これを斜めに設定することもできる。実例は多くないが、日本の国土地理院が発行していた300万分の1「日本とその周辺」で、日本列島に沿う形で基準線を斜めに設定したことがある。

関連項目[編集]