ランチェスター短機関銃
ランチェスターMk.1
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| ランチェスター短機関銃 | |
|---|---|
| 種類 | 軍用短機関銃 |
| 製造国 | |
| 設計・製造 | ジョージ・ランチェスター スターリング・アーマメント社 |
| 仕様 | |
| 口径 | 9mm(Mk.2) |
| 銃身長 | 203mm |
| 使用弾薬 | 9mmパラベラム弾 |
| 装弾数 | 32発ないし50発の着脱式箱型弾倉 |
| 作動方式 | シンプル・ブローバック方式 オープン・ボルト撃発 |
| 全長 | 851mm |
| 重量 | 4.34kg |
| 発射速度 | 約600発/分 |
| 銃口初速 | 380m/秒 |
| 有効射程 | 46m(50ヤード) |
| 歴史 | |
| 設計年 | 1940年 |
| 製造期間 | 1941年~1945年 |
| 配備先 | イギリス軍など |
| 関連戦争・紛争 | 第二次世界大戦 |
| バリエーション | Mk.I Mk.I* |
ランチェスター短機関銃(“Lanchester submachine gun”)は、1941年から1945年にかけて、スターリング・アーマメント社により製造されていた短機関銃である。ドイツ製短機関銃MP28/IIのコピー製品。主に第二次世界大戦中のイギリス海軍によって使用された他、少数がイギリス空軍の飛行場警備部隊により使用されていた。
目次 |
歴史 [編集]
1940年のダンケルク撤退以降、イギリス空軍は飛行場防衛に短機関銃が必要であると判断した。しかしダンケルクで大量の装備を喪失した英国軍に新型短機関銃の研究開発を行う余裕は無く、既にイギリスを含む世界各国に輸出され性能が証明されているドイツ製短機関銃MP28を直接コピーすることが決定した。イギリス海軍本部は新たな銃器採用にあたり空軍との協力を決定し、その中で重要な役割を果たす事となる。 しかし結局、製造された短機関銃のほとんどは海軍で使用された。
このイギリス製MP28コピーは設計を担当したスターリング・アーマメント社のジョージ・ハーバード・ランチェスター技師に因み、一般にランチェスター短機関銃と呼ばれた。
極限まで簡素化されたステン短機関銃とは対照的に、ランチェスターは堅実な設計を高品質の材料で実現した良質な短機関銃だった。捕虜の護送、乗船臨検、それに伴う水兵の陸上活動や戦闘が主な用途であった。
動作 [編集]
ランチェスターはオープンボルト、ブローバック方式の自動火器である。Mk.1は引き金の前方にセレクティブ・ファイア機構を備えていたが、省力型のMk.I*はこれが廃され、フルオート射撃しか出来ない。管状の機関部は木製銃床の前部に取り付けられており、分解やメンテナンス時の利便性を考慮し、前方に回転させるように軸が設けられていた。木製銃床はリー・エンフィールド小銃のそれに倣った形状で、銃口中央下部に着剣具が設けられ、1907年式銃剣が着剣可能である。清掃に用いる真鍮製オイル缶が銃尻に格納されているが、これもリー・エンフィールド小銃と同様だった。
Mk.1はライフル様式の照準器を備えており、おおむね100~600ヤードの距離で照準出来た。一方、Mk.1*は極めて簡略化された跳ね上げ式照準器を備えており、おおむね100~200ヤードの距離で照準出来た。
機関部に設けられた手動安全装置はロックカット式で、これによりボルトハンドルは開放位置で固定される。しかし、この状態で銃を落とすなど衝撃を与えると暴発しやすい事が後に明らかになった。
50発箱型弾倉により9mmパラベラム弾を左側の弾倉装填部から供給し、薬莢は右側に排出される。この50発弾倉を3本収める専用の弾倉袋も作られた。ステン用に開発された32発箱型弾倉を使用することも可能だった。弾倉を取り外すには機関部上のキャッチボタンを押す。
生産 [編集]
最初の生産契約は1941年6月13日に交わされ、英国海軍向けに50,000丁のランチェスターが製造された。この頃、イギリス陸軍はアメリカ製のトンプソン短機関銃を給与されていた。最後の生産契約は1943年10月9日に交わされた。こうして28ヶ月の間、平均して月あたり3,410丁が製造された。スターリング社は1~9999及び(S)A1~A64580までの製造番号を記録している。
多くのMk.1は戦争が始まってからMk.1*に改修された。この変更はモデルごとの生産数の確認を極めて困難にしている。
ランチェスターの組立工場は4つあったが、実際の組立契約は3企業のみと交わされた。スターリング社では、ダゲハムのスターリングエンジニアリング有限会社(工場コードS109)とノーサンプトンのスターリングアーマメント社(工場コードM619)で分割してランチェスターの生産を行った。
工場コードごとの生産数:
- スターリング社(コードS109及びコードM619):約74,579丁
- グリーナー社(コードM94):約16,990丁
- ボス社(コードS156):約3900丁
初期生産型は製造番号にS、A、SAのいずれの接頭辞も刻印されていない。
刻印について [編集]
ランチェスターの製造年は、弾倉装填部にある軍用証明マークの横に、とても見づらい小さな数字で刻印されている。
例えばスターリング製ランチェスターMk.1の場合は、次のように刻印されている:
- Lanchester
- MK.1
- SA.
- XXXX(製造番号)
Sはスターリング製を意味し、Aは製造番号の接頭辞である。
運用 [編集]
ランチェスターはおおむね好評で、海軍では戦後も長い間使用されていたが、1960年代から退役が始まり1970年には完全に正式装備を外れた。 現在ではコレクターズアイテムの一つと見なされている。
多くのランチェスターはその後、諸外国に売却された。これらには2つの大きな矢印の記号(ポイント・トゥ・ポイント。六芒星に似た記号)が製造番号の前に刻印されている。この記号はしばしばSの記号と合せて「Sold out of Service(軍放出品)」を意味するとされる。
使用国 [編集]
脚注 [編集]
- ^ a b c Unwin, Charles C.; Vanessa U., Mike R., eds. (2002), 20th Century Military Uniforms (2 ed.), Kent: Grange Books, ISBN 1840132763
外部リンク [編集]
- Lanchester Mark 1 SMG (British) image at Security Arms
- Lanchester Mk.1 at Modern Firearms