ランセットフィッシュ (潜水艦)

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USS ランセットフィッシュ
基本情報
建造所 クランプ造船所
運用者 アメリカ海軍
艦種 攻撃型潜水艦 (SS)
級名 バラオ級潜水艦
艦歴
起工 1942年9月30日
進水 1943年8月15日
就役 1945年2月12日
退役 1945年3月24日
除籍 1958年6月9日
その後 1959年8月27日、スクラップとして売却。
要目
水上排水量 1,526 トン
水中排水量 2,424 トン
全長 311 ft 9 in (95 m)
水線長 307 ft (93.6 m)
最大幅 27 ft 3 in (8.31 m)
吃水 16 ft 10 in (5.1 m)
主機 フェアバンクス=モース38D-1/8型10気筒ディーゼルエンジン×4基
電源 エリオット社英語版製発電機×2基
出力 水上:5,400 shp (4.0 MW)
水中:2,740 shp (2.0 MW)
最大速力 水上:20.25 ノット
水中:8.75 ノット
航続距離 11,000 海里/10ノット時
航海日数 潜航2ノット時48時間、哨戒活動75日間
潜航深度 試験時:400 ft (120 m)
乗員 士官6名、兵員60名
兵装
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ランセットフィッシュ (USS Lancetfish, SS-296) は、アメリカ海軍潜水艦バラオ級潜水艦の一隻。艦名は貪欲な深海魚であるミズウオに因む。

ミズウオ(Long-snouted lancetfish

艦歴[編集]

ランセットフィッシュは1942年9月30日にペンシルベニア州フィラデルフィアクランプ造船所で起工する。1943年8月15日にビアトリス・P・パーカーによって進水したが建造ははかどらず、1944年5月19日にボストン海軍工廠に移動して建造を進め、艦長エリス・B・オア中佐(アナポリス卒業年次不明)の指揮下1945年2月12日に就役する。

8番埠頭に係留されたランセットフィッシュは、1945年3月15日に後部の魚雷発射管から浸水し沈没した。8日後に引き上げられ、3月24日に退役する。その後未完成の状態で大西洋予備役艦隊入りし、1947年2月27日に第1海軍管区に移動、1952年12月9日にニューロンドングループに配属された。1958年6月9日に除籍され、1959年8月20日にスクラップとして57,180ドルという値で売却、一度も任務に就くことなくその生涯を終えた。

乗組員としてこの事故を経験したチーフソナーマンのC・W・ヘイズによると、ランセットフィッシュの沈没の原因は乗組員の勘違いだった。当日、後部発射管室で点検していた2人の乗組員のうち1人が発射管内部を開けようとしていた。ヘイズは「発射管の中は海水が注入されておらず空っぽだろう」と判断していた。実際、この乗組員が指し示した発射管は空っぽであった。その判断に従って、別の乗組員が発射管の蓋を開けた。しかし、実際には他の発射管の中には海水が注入されており、しかも艦外部の発射管の蓋は開いていた。その結果、海水が一気に艦内に流れ込んできたのであった。

外部リンク[編集]