ラモラック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ラモラック卿(Sir Lamorak)はアーサー王伝説に登場する円卓の騎士の一人。ペリノア王の息子であり、兄弟にトー卿、アグロヴァル卿、パーシヴァル卿がいる。マロリー版では非常に武勇優れた人物であり、ランスロット卿、トリスタン卿と並び称される最強の騎士の一人である。

初期はトリスタン卿とは仲が悪かった。というのも、ある槍試合のさい、すでに何十人もの相手と戦い疲労していたラモラック卿と戦うのは騎士道に反すると考えたトリスタン卿が、ラモラック卿との対戦を拒否したためである。これを自身に対する侮辱と考えたラモラック卿はトリスタン卿の愛するイゾルデ王妃の不貞を暴くため、「不貞をしている者が飲むと飲み物がこぼれる魔法の杯」をアイルランドに送りつけ、トリスタン卿の怒りに触れる。しかし、トリスタン卿と戦ううちにお互いの武芸に感心し、以後は友人となる。なお、また槍試合ですでに疲労していたラモラック卿と戦うのを拒否したランスロット卿とも同様の諍いをおこしているが、和解後は友人となっている。

また、ラモラック卿はモルゴースとの恋愛でも知られる。一度など、グィネヴィア王妃とモルゴースのどちらが美しいかでメレアガンス卿と決闘におよんでいる。これを仲裁に来たはずのランスロット卿も争いの原因を知ると、ランスロット卿もグィネヴィア王妃の方が美しいと主張して、ラモラック卿に決闘を挑んでしまう。結局、この争いはプリオベス卿が「自分の愛する貴婦人が一番美しいと思うのが当然でありどちらの発言も正しく、争うべきではない。仲直りして欲しい」との仲裁を受けたことで場は収まった(マロリー版9巻13章)。

ただ、ラモラック卿がモルゴースと関係を持つことに対し、モルゴースの子であるガヘリス卿たちは不快と感じていた。ラモラック卿はロット王を殺したペリノア王の息子だったからである。ロット王はモルゴースの夫であり、ガヘリス卿・ガウェイン卿にとっては父である。ついにガヘリス卿は二人が同衾中に押し入り、モルゴースを殺害してしまう。このとき、武装していなかったラモラック卿を殺すのは騎士道にもとるということでラモラック卿は殺されずにすんだが、ガウェイン卿らとラモラック卿の対立は深刻化する。

しかし、サールースで行われた槍試合後、ガウェイン卿、アグラヴェイン卿、ガヘリス卿、モルドレッド卿の四人に襲撃されてしまう。槍試合直後で疲労していたこと、四対一と不利な戦いであったこともあって、ラモラック卿はガウェイン卿らに殺されてしまうのだった。