ラピート (列車)

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南海50000系・ラピート

ラピート (rapi:t) とは、南海電気鉄道難波駅 - 関西空港駅間を南海線空港線経由で運行する特急列車である。

西日本旅客鉄道(JR西日本)が運行する「はるか」に対する、関西国際空港へのアクセス特急として登場した。

列車名称の「ラピート」とは、一般公募で選ばれた「速い」という意味のドイツ語"rapid"に由来するが、専用車両である50000系電車の奇抜なスタイルから"鉄人28号"というニックネームが運転開始以前から使われていた[1]。車両デザインは、建築家若林広幸(京都市上京区)が担当した。

なお、同じ区間を運行する急行列車は「空港急行」と称される別立ての種別で運行されることから、「空港特急」とも称される。

目次

[編集] 運行形態

速達タイプは「ラピートα(アルファ)」、途中停車駅が「サザン」と同一系統のタイプは「ラピートβ(ベータ)」と称される。昼間時から夜間にかけては「ラピートβ」のみが毎時2本運転されている。また、「ラピートα」は平日朝の下りのみ(難波7:00, 8:00, 9:00発の3本)設定されており、ビジネス特急としての位置づけとなっている。

2005年11月26日以前は昼間時にも「ラピートα」が運転されており、「ラピートα」と「ラピートβ」が交互に毎時1本ずつ運転されるダイヤであった[2]

[編集] 停車駅

南海本線も参照のこと。

[編集] 特急料金

各列車とも共通。2005年11月27日現在。

  • レギュラーシート:全区間500円。ただし、泉佐野 - 関西空港間は100円。
  • スーパーシート:全区間700円。

基本的には高野線特急と同様にキロ程によって区分されているが、運行距離が45km以内に納まるため料金は一律である。なお、空港線内(泉佐野 - 関西空港間)は別体系となっている。

[編集] 車両・設備

使用車両は、専用の50000系電車6両編成で、全車座席指定制を採用し、うち2両が特別席「スーパーシート」である。スーパーシートでは運行開始時点ではソフトドリンク(缶入り烏龍茶)が提供されたが、「成田エクスプレス」などで過去にも見られたように、レギュラーシートの乗客が勝手に持ち出したり、本数制限がなく3本飲めばスーパーシートの特別料金250円分の元が取れることから大量に持ち出す乗客もいたことから廃止された[3]

[編集] 臨時特急ラピート

普段は空港特急のみの使用であるが、まれに臨時特急や団体列車として空港特急以外での運用も見られる。2007年ゴールデンウィーク中には、みさき公園開園50周年を記念してみさき公園 - 難波間で「臨時特急ラピート」が運転された。その他にも、過去に臨時で和歌山市まで運転されたケースも何度かあり、50000系電車が紀ノ川橋梁を渡るシーンが全く見られないという訳ではない。

[編集] 利用状況

運行開始直後はJRの「はるか」に比べ話題・快適性ともに勝り、利用状況も好調だったものの、やがてブームの終焉に伴い利用者数は低迷を始めた。リムジンバスが比較的遅延が少なく、便数・路線網が充実しており、難波や南海本線沿線以外の地域とのアクセスの容易さ、所要時間、運賃・料金について、リムジンバスに対する優位性がないこと、また、「はるか」と異なり、新幹線乗換駅である新大阪や、国際的観光地である京都に直通していないことなどが原因となっている[4]

区間利用を見込んだ停車駅の増加や往復割引、泉佐野 - 関西空港間をレギュラーシートに乗車する場合は特急料金を100円に値下げするなどの手を打っているが、空いていることも少なくない。また、停車駅の増加に伴う所要時間の増加により[5]、特別料金が不要である空港急行との格差は縮小傾向にある。また、その空港急行のほとんどが岸和田駅で難波 - 和歌山市間運転の「サザン」(一部自由席特急)または自由席特急と緩急接続しており、同駅で乗り換えると「ラピート」と比べてもわずか5分程度の所要時間差で難波 - 関西空港間を特急料金なしで移動できるため、これに乗客が流れるというデメリットも生まれている。また難波 - みさき公園・和歌山市間運転の区間急行も昼間時は岸和田駅で「ラピート」に追い抜かれるものの、深夜を除いて泉佐野駅で関西空港駅発着の普通車と接続するためにこれを利用する客もいる。

主にラッシュ時に主要駅に停車することから、特に難波 - 泉佐野間ではかなりの乗客が乗っている一方で、昼間は座席定員の2割以下の乗客数の場合もあり、ことに空港アクセス客の利用に乏しく、本線沿線や空港関係者の通勤・ビジネス用特急という利用形態が中心となっている。

一時は中間車2両を外して4両編成で運転することも考えられたが、編成組み替えにかかる費用が経済的効果に見合わないと判断され、6両のままで運転されている。

弱点であるネットワークの狭さを解消するため計画中のなにわ筋線への乗り入れが構想されており、大阪市の答申にもこの話は含まれているものの、2008年時点で同線の工事開始に関する状況は不透明である。ただし、2005年ダイヤ改正での泉佐野 - 関西空港間限定で特急料金100円を導入(ひゃくとくとも言われる)したり、2007年8月の関西空港第2滑走路供用開始による便数増加、国内線を大阪国際空港(伊丹空港)からシフトさせる施策、新規参入したスターフライヤーが話題になることで、それまで一日4,000人台で低迷していた利用客数は2006年には5,000人台に戻るなど、回復基調にある[6]

[編集] 企画乗車券・特急券類

本列車は種別名として空港特急を称することでも分かるとおり、関西国際空港へのアクセス列車であるが、南海線内のみの利用も勘案されており、そのために以下のような企画乗車券類を発行している。

[編集] ラピートCきっぷ

二人分の乗車券と「ラピート」レギュラーシートの特別急行券をセットにした割引乗車券である。

二人での旅行やビジネスに使えるこの切符は、難波駅、新今宮駅、天下茶屋駅 - 関西空港駅までの片道乗車券と「ラピート」レギュラーシートの特急券がセットになっている。南海が発売しているが、同社の駅では発売しておらず、関西中国四国地方ローソンLoppiファミリーマートFamiポートで購入することができる。

[編集] ラピート得ダネ往復券

本列車利用に際しての往復乗車券と特別急行券がセットになっている往復券である。

こちらも上記と同じく「ラピート」専用で、発売区間も上記と同じ。国内旅行者や韓国中国などへの旅行者に売り込んでいる。

有効期間
往路の乗車日から8日間。購入時に往復の列車を指定する。
発売額
レギュラーシート用…2,240円(通常2,780円)
スーパーシート用…2,640円(通常3,180円)

[編集] ラピート得10(ラピートとくてん)回数券

本列車利用に際して乗車券と特別急行券をセットとした回数乗車券である。

商品名どおり、乗車券と特別急行券が10枚つづりのセットになっている。レギュラーシート用とスーパーシート用の2種類が用意されていて、1枚ずつでも利用ができる。DAY5特急回数券とは違い、有効期間内であればいつでも利用できる。

有効期間 
購入日の3か月後の月末。購入が月初めだと最長で4か月。
発売額
レギュラーシート用…通常の10回利用で13,900円だがこの回数券では11,900円。
スーパーシート用…通常の10回利用で15,900円だがこの回数券では13,900円。
発売駅:難波駅、新今宮駅、天下茶屋駅、関西空港駅。利用可能区間もこれらの駅に限られる。
利用する際の注意事項
利用する際には特急券発売窓口で特急券・座席指定券に引き換える必要がある。ホーム上の自動販売機では購入できない。
払い戻しや列車変更等については制限がある。このきっぷ自体の払い戻しは、利用していなければ行える。

以上の各種割引乗車券の宣伝には、「関空へはラピートがはるかにお得」が使われている。

[編集] 沿革

  • 1994年平成6年)9月4日 関西国際空港開業に伴い運行開始。当初は、αは速達列車として難波駅 - 関西空港駅間無停車、βは途中駅として新今宮駅・堺駅・岸和田駅・泉佐野駅に停車していた。
  • 1996年(平成8年)10月26日 β天下茶屋駅に停車開始。夕方以降の下りのαをβに変更。
  • 2001年(平成13年)3月24日 αの一部新今宮駅・天下茶屋駅に停車開始。同時に特急料金を従来の510円から500円に変更。
  • 2003年(平成15年)2月22日 全列車新今宮駅・天下茶屋駅・泉佐野駅・りんくうタウン駅に停車開始。
  • 2005年(平成17年)11月27日 α平日の朝の下り3本のみの運転、他はすべてβに統一。同時に泉佐野駅 - 関西空港駅間の特急料金をレギュラーシート利用の場合に限り100円に変更。

[編集] 脚注

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  1. ^ 川島令三全国鉄道事情大研究』大阪南部・和歌山編 1993年発行、草思社
  2. ^ ただし、朝の時間帯の上り、夜の時間帯の下りについては「ラピートβ」のみが毎時2本運転されていた。
  3. ^ なお、この烏龍茶の話として有名なのが、1995年頃、宮川大助・花子漫才の中で「金属探知機が何度も鳴るからスーツケースを開けてみたら、『ラピート』で提供されていた缶入り烏龍茶が大量に出てきた」という、笑うに笑えないネタもあった。これは宮川大助・花子夫妻の娘紗弓留学のため、関西空港から旅立った時の話を元にしている。また、この話は関西ローカルドキュメンタリー番組としても放送されていた。
  4. ^ 「はるか」は大阪環状線梅田貨物線を経由することで新大阪・京都に直通している。
  5. ^ 難波 - 関西空港間の日中ダイヤで比較した場合、登場当初のノンストップ29分より5分から9分所要時間が延びている。
  6. ^ 2007年元日の讀賣新聞記事より。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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