ラトランド (バーモント州)

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ラトランド
City of Rutland
ラトランド中心街の歴史地区
ラトランド中心街の歴史地区
愛称 : 大理石の都市
位置
バーモント州内のラトランドの位置の位置図
バーモント州内のラトランドの位置
座標 : 北緯43度36分32秒 西経72度58分47秒 / 北緯43.60889度 西経72.97972度 / 43.60889; -72.97972
歴史
自治体化 1892年
行政
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
  Flag of Vermont.svgバーモント州
  ラトランド郡
ラトランド
City of Rutland
市長 クリス・ローラ
地理
面積  
  域 19.87 km2 (7.68 mi2)
    陸上   19.8 km2 (7.64 mi2)
    水面   0.1 km2 (0.04 mi2)
      水面面積比率     0.52%
人口
人口 (2010年現在)
  域 16,495人
その他
等時帯 東部標準時 (UTC-5)
夏時間 東部夏時間 (UTC-4)
公式ウェブサイト : City of Rutland

ラトランド: Rutlandラットランドと表記されることもある)は、アメリカ合衆国バーモント州南西部ラトランド郡の都市であり同郡のシャータウン[1]郡庁所在地)である[2]。人口は2010年国勢調査で16,495人であり[3]、バーモント州では第3位の都市である。マサチューセッツ州からは約65マイル (100 km) 北、ニューヨーク州の20マイル (30 km) 東にある。別の自治体であるラトランド町に完全に取り囲まれている。中心街の歴史地区はアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている。

歴史[編集]

オッター・クリーク沿いのラトランドとなった地域はラトランド町の中のミル・ビレッジと呼ばれる小さな集落として1800年代初期に始まった。そこを取り囲むラトランド町は1761年にニューハンプシャー植民地知事ベニング・ウェントワースが第3代ラトランド公爵ジョン・マナーズに因んで名付けていた[4]。19世紀初期に高品質の大理石の小さな堆積がラトランドで発見され、1830年代には完全に近い大理石の大きな堆積が、現在のウェストラトランドで見つかった。1840年代までに小さな会社が掘削を始めたが、大理石の採石で利益が出ることがわかったのは1851年に鉄道が開通してからだった。同じ頃にイタリアトスカーナ州カッラーラの有名な採石場がその掘削深さが深いためにほとんど採石できなくなったので、ラトランドは世界でも有数の大理石生産地になった[4]

このことで町の成長と投資が加速され、1886年には町の中心部がラトランド・ビレッジとして自治体化された。町の大半は大理石の堆積地の大半を含むウェストラトランドやプロクターとして分離された。1892年11月18日にはラトランドがバーモント州3番目の都市として市制を布いた。新しい市の初代市長はジョン・A・ミードであり、1893年に1期だけ務めた[5]

1894年、ラトランド地域で国内初のポリオの発生が報告された。ラトランド地域の132人が感染した。7人が死亡し、110人が何らかの麻痺を残した。55人はラトランド市内の住人だった[6]

1903年、ラトランド市が出した武器の携行を制限する条例が、「バーモント州対ローゼンタール事件」に対するバーモント州最高裁判所判決につながり、許可あるいは免許無しに武器を携行することに保護を行うことになった。これは「バーモント携行」と呼ばれることになった[7]。それでもラトランド市は同様な条例を1998年まで制定したままにしていた[8]。この1998年に異議申し立てがあって条例は廃止された。2008年6月になっても公然と武器を持ち歩く者に対する警官の嫌がらせがあったという住民の報告があった。

1970年代初期、ラトランド・ハロウィーン・パレードの場が多くのスーパーヒーロー漫画のセッティングに使われた。例えばバットマン、ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ、フリーダム・ファイターズ(勇者の大地)、アメイジング・アドベンチャーズ、アベンジャーズおよびマイティ・ソーだった。

地理[編集]

サウスバーリントンは北緯43度36分32秒 西経72度58分47秒 / 北緯43.60889度 西経72.97972度 / 43.60889; -72.97972に位置する[9]アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、市域全面積は7.67平方マイル (19.87 km2)、このうち陸地は7.6平方マイル (19.8 km2)、水域は0.04平方マイル (0.1 km2)で水域率は0.52%である。市内にはオッター・クリーク、ムーン・ブルック、テニー・ブルック、イースト・クリークおよびマッシー・ブルックの河川が流れている。

交通[編集]

ラトランドはニューヨーク市まで毎日往復便があるアムトラックのイーサン・アレン・イクスプレスの終着駅である。

ラトランドにはマーブル・バレー地域交通地区が運行する都市間バスシステム、「ザ・バス」があり、一人50セントの運賃を徴収する他は納税者の負担になっている。「ザ・バス」は2007年までは無料だったが、ガソリン代が上がったために50セントを徴収するようになった。マーブル・バレー地域交通地区事務所は中心街の交通センターに入っている。

ラトランド南バーモント地域空港がラトランド市の直ぐ南、ノースクラレンドン町にある。この空港からケープエアーボストン行きが毎日発着している。

ラトランドは2つの州間高速道路(89号線と91号線)が近くを走っていないことでは、バーモント州最大の都市である。 US 4.svgアメリカ国道4号線とUS 7.svg同7号線がラトランドで交差し、市内の主要道路になっている。アメリカ国道7号線はラトランドと南のマンチェスターやベニントン、北のミドルベリーとバーリントンとを繋いでいる。ラトランドの東にはアメリカ国道4号線によってキリントンやウッドストックを経てニューハンプシャー州に向う。西にはわずか18マイル (29 km) 強でニューヨーク州境に向う4車線道路となっている。この道路がラトランドでは唯一自動車専用道路になっている。この高速道路に並行して走るアメリカ国道4号線の以前のルートは現在、Vermont 4A.svgバーモント州道4A号線となっている。

人口動態[編集]

人口推移
年度 人口
1900 11,499
1910 13,456 17.0%
1920 14,954 11.1%
1930 17,315 15.8%
1940 17,082 −1.3%
1950 17,659 3.4%
1960 18,325 3.8%
1970 19,293 5.3%
1980 18,436 −4.4%
1990 18,230 −1.1%
2000 17,292 −5.1%
2010 16,495 −4.6%

以下は2000年国勢調査による人口統計データである。

基礎データ

  • 人口: 17,292人
  • 世帯数: 7,452世帯
  • 家族数: 4,209家族
  • 人口密度: 870.3人/km2(2254.5人/mi2
  • 住居数: 7,452軒
  • 住居密度: 378.6軒/km2(980.5軒/mi2

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 22.7%
  • 18-24歳: 7.8%
  • 25-44歳: 28.9%
  • 45-64歳: 22.4%
  • 65歳以上: 18.2%
  • 年齢の中央値: 39.3歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 89.8
    • 18歳以上: 86.5

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 21.1%
  • 結婚・同居している夫婦: 39.8%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 12.5%
  • 非家族世帯: 43.5%
  • 単身世帯: 36.1%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 13.9%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.22人
    • 家族: 2.80人

収入[編集]

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 30,478 米ドル
    • 家族: 41,561米ドル
    • 性別
      • 男性: 29,457米ドル
      • 女性: 23,688米ドル
  • 人口1人あたり収入: 17,075米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 15.4%
    • 対家族数: 10.3%
    • 18歳以下: 30.1%
    • 65歳以上: 10.5%

経済[編集]

市内経済の中で大きな比率を占めるのが小売業である。2007年の小売業売上高は3億2,160万ドルで州内第3位だった[10]

製造業[編集]

地域の主要雇用主はゼネラル・エレクトリック、工業用鉱物のOMYA、および中央バーモント公共事業である。

近年、「ザ・ピット」と呼ばれる中心街の広さ1エーカー (4,000 m2) の土地が開発用に供されている。事務所教育や市民のスペースになる新しいオフィスビルが計画されている。

アメリカ合衆国控訴裁判所第2地区の判事はラトランドを本拠にしている。

文化[編集]

2008年のエスニック祭

中心街にはラトランド無料図書館[11]、パラマウント劇場[12]、および1800年代中期の姿を復元されたマーチャント街がある。中心街にある108の建物がアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている。また広さ275エーカー (1.1 km2) のパインヒル公園があり[13]、マウンテンバイク乗り、ハイキングなど屋外レクリエーションを楽しめる。この公園の入り口にはフリップサイド・スケート公園があり[14]、ジョーゲッティ運動複合施設という市営の側面解放屋根つき競技場がある。またバーモント州で3番目に大きなショッピングセンターであるダイアモンド・ラン・モールがある。

ラトランドの夏の行事として、アート・イン・ザ・パーク、フライデイナイト・ライブ、エスニック祭、中心街デポ公園のファーマーズマーケットおよびサマー・コンサート・シリーズがある。

ラトランド・ハロウィーン・パレードは1960年以来毎年開催されている。

バーモント州祭は州祭グラウンドで毎年9月に開催されている。

教育[編集]

ラトランドの公共教育はラトランド市教育学区が管轄している。ラトランド高校、ラトランド中学校、ラトランド中間学校、ノースウェスト小学校、ノースイースト小学校がここに入っている。またスタッフォード工科センターを運営している。私立学校としては小学校など3校ある。高等教育機関としては、カレッジ・オブ・セントジョセフ・バーモント校(元カレッジ・オブ・セントジョセフ・ザ・プロバイダー)とバーモント・コミュニティ・カレッジがある。

メディア[編集]

市内の新聞は「ラトランド・ヘラルド」である。ラジオ局はFM4局、AM1局に免許が下りている。

病院[編集]

ラトランド地域医療センターがバーモント州で2番目に大きな医療施設であり、病床180、医師120人を抱えている。

歴史史跡[編集]

日付はアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定された日を示す。

  • アーサー・パーキンスの家 — サウス・メインストリート242、1988年10月27日
  • チャフィー・モロニーの家 — コロン日アン・アベニュー194 と 196-98、2001年12月19日
  • クレメントウッド — クレメント道路、1980年10月27日
  • H・H・バクスター記念図書館 — グローブ通り96、1978年9月24日
  • ロングフェロー学校 — チャーチ通り6、1976年
  • プロクター・クレメントの家 — フィールド・アベニュー、1982年7月17日
  • ラトランド裁判所歴史地区 — アメリカ国道7号線、1976年10月8日
  • ラトランド中心街歴史地区 — おおまかにストロング・アベニュー、ステイト通り、ウェールズ通り、ワシントン通り、パイン通り、およびコッテージ通りに囲まれた地域、1980年9月22日
  • ラトランド無料路書簡、1859年建設の元郵便局と裁判所、アンミ・B・ヤング設計
  • セントピーターズ教会とマウント・セントジョセフ修道院 — 今ベンと・アベニュー、ミードウ通りとリバー通り、1980年11月3日

著名な住人[編集]

バーモント州祭にて、1941年、ジャック・デラノ撮影
  • ジェイムズ・E・バーク、ジョンソン・エンド・ジョンソンの元CEO
  • スージー・チャフィー、オリンピックに出場したスキー選手、女優
  • バリー・M・コステロ、アメリカ海軍の中将
  • トマス・W・コステロ、バーモント州下院議員
  • ジョン・ディアー、農機具メーカー設立者
  • メリット・A・エドソン、アメリカ海兵隊の将軍
  • ミア・ファロー、女優
  • デイビッド・ジアンコーラ、映画制作者
  • ジョイ・ハキム、歴史書著作家
  • ジョージ・ティスデイル・ホッジス、バーモント州選出アメリカ合衆国下院議員
  • スティーブン・ハワード、バーモント州下院議員
  • ジム・ジェフォーズ、バーモント州選出アメリカ合衆国上院議員
  • カーリーン・キング・ジョンソン、1955年のミス・アメリカ
  • アーロン・ルイス、バンド「ステインド」のリードボーカル
  • アンドレア・ミード・ローレンス、オリンピックのスキー競技でアメリカでは初めて2つの金メダルを取った
  • メアリー・マクゲーリー・モリス、小説家
  • アーリー・ポンド、メジャーリーグベースボール選手、ボルティモア・オリオールズ
  • ロバート・スタッフォード、バーモント州知事、同州選出のアメリカ合衆国下院議員、上院議員
  • チェリリー・テイラー、テレビと映画の女優
  • ジョン・マーティン・トーマス、ラトガース大学の学長
  • ダン・ティミンスキー、ブルーグラスの作曲家、歌手、楽器奏者
  • スティーブ・ウィスニュースキー、アメリカンフットボールの選手

架空の住人

  • マスター・パンデモニウム、漫画の敵役
  • スノー・ジョブ、G.I.ジョーのキャラクター

姉妹都市[編集]

日本の旗 日本岩手県石鳥谷町 - 現花巻市 1986年以降、ラトランドはラトランド・石鳥谷町交換学生を毎年行っており、9年生(中学3年生)を6ヶ月間石鳥谷町に派遣している。この交換で、ラトランドの大使達が帰国した後に、石鳥谷町からは5人の生徒が約1ヶ月間ラトランドに滞在する。

脚注[編集]

  1. ^ Title 24, Part I, Chapter 1, §12, Vermont Statutes. Accessed November 1, 2007.
  2. ^ Find a County, National Association of Counties, http://www.naco.org/Counties/Pages/FindACounty.aspx 2011年6月7日閲覧。 
  3. ^ American FactFinder. U.S. Census Bureau. 2011年2月4日. 2011年4月5日閲覧
  4. ^ a b A. J. Coolidge & J. B. Mansfield, A History and Description of New England; Boston, Massachusetts 1859
  5. ^ 109th Annual Report Fiscal Year July 1, 2000 to June 30, 2001 City of Rutland, Vermont
  6. ^ Remsen, Nancy (September 29, 2007). Polio marker moved to public spot. Burlington Free Press. 
  7. ^ http://www.guncite.com/court/state/55a610.html
  8. ^ http://www.vtlp.org/main/media/news/pr980622-RutlandGunRights.html
  9. ^ US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990, United States Census Bureau, (2011-02-12), http://www.census.gov/geo/www/gazetteer/gazette.html 2011年4月23日閲覧。 
  10. ^ McLean, Dan (July 13, 2008). Retail Sales by the numbers. Burlington Free Press. 
  11. ^ Rutland Free Library
  12. ^ Paramount Theater
  13. ^ Pine Hill Park
  14. ^ Flipside Skate Park

外部リンク[編集]