ラティヌス

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「ラティヌス王の宮殿」ヴェンツェスラウス・ホラー作)

ラティヌスLătīnŭs)はラテン神話に登場する主神(ユピテル)で、ローマ建国神話に登場するラテン人の王。

ラテン神話では主神として、またラテン人の同族意識の要として崇拝された。またラテン人の国家であるローマではロムルス王と王弟レムスの祖先とされた。

伝説[編集]

ラテン神話[編集]

ラテン神話に置けるラティヌスは農業神ファウヌスと、ミントゥルノの精霊マリカの子として生まれた。荒々しい自然を操る父の元に育ったラティヌスは、ラテン人の民族神として彼らを教え導く立場にあった。ラティヌスに導かれたラテン人は肥沃なラティウムの土地で大いに栄えたという。

ローマ神話[編集]

ローマ神話ではその存在は「ラテン人の王」としてラテン民族を擬人化した概念として描かれ、ローマ・ラテン人・トロイア文明の三者を結びつける役割を担った。またこの物語ではラティヌスはアマタという人間の女性を娶って王女ラヴィニアを儲けている。彼は一人娘のラヴィニアをルトゥリ人の王トゥルヌスへ嫁がせたが、婚姻の前にギリシャ神話に登場するトロイアの貴族アエネアスカルタゴの女王ディドの元から逃れてくる。

アエネアスはラティウム王の好意を得てトロイア人の従士達と共に臣下となり、その勇敢さを気に入った王から王女ラヴィニアを娶る事を許された。当然ながら婚約者を奪われたトゥルヌスは怒り、更にトロイア戦争ギリシャ人に味方した女神ユーノーに言葉巧みに操られ、力尽くで花嫁を奪え返さんとラティウムへ攻め入った。戦争に加えてアエネアスを嫌う妻や女神ユーノーの言葉に悩むラティヌスに、ファウヌスアエネアスに味方するよう息子に勧めた。

戦の結果としてラティヌスはアエネアス共々、命を落とすがルトゥリ人もまた敗れ去った。アエネアスとラヴィニアの間にはシルウィウスが生まれ、若い王は異母兄弟アスカニウスの助けを得てアルバ王となった。シルウィウスの子孫は代々アルバ王を継承していったが、その末裔がローマを建国するロムルスレムスである。

関連項目[編集]