ラオホビア

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樽からシュレンケルラ ラオホビアを注いでいるところ

ラオホビア(Rauchbier)は、独特な燻製フレーバーをもつビールスタイルのひとつ。ドイツバンベルクのラオホビアが最も有名で、その中でもシュレンケルラが特に有名[1]

歴史[編集]

覆いのない火の上に麦芽を晒して乾燥させていた。麦芽を煙で燻すことで、麦芽は燻製の風味を持つ。その風味は、その麦芽を使ったビールにも及ぶため、ラオホビアは燻製の風味を持つことになる。昔は、火の上で乾燥させる手法に加えて、直射日光に晒して大麦麦芽を乾燥させていた。間接的な熱を用いて麦芽を乾燥させる窯の登場は工業化時代を待たねばならなかったが、その手法自体は紀元前1世紀ぐらいから知られていた。また、パンからビールを造る手法[2]を含め、穀物からビールを造る様々な手法はあったが、燻製風味を持つビールは一般的ではなかった。しかしながら、16世紀から18世紀にかけてのイングランドでは、麦芽を火の上で乾燥させるビールは一般的であったと言われている[要出典]

18世紀はじめから麦芽の乾燥窯は次第に広まり、19世紀半ばには極めて一般的な手法になる。麦芽を乾燥させる際にも煙を別のところから逃す窯の登場により、麦芽に燻製風味はつかなくなり、結果としてビールも燻製の風味は付かなくなった。結果、燻製風味をもつビールは次第に一般的ではなくなり、ついにはビール醸造の世界から姿を消した。

ビールに燻製風味をつける別の方法は、火の上ではなく木製の容器に置いてビールを加熱するビスケットを使う方法である[3]

バンベルクのラオホビア[編集]

しかしながら、一部の醸造所は覆いのない火の上に晒して乾燥させた麦芽を使いつづけて燻製風味をもつビールの伝統を維持した。特にドイツのバンベルクにあったシュレンケルラとシュペツィアルという2つの醸造所併設パブは約200年に渡って燻製風味ビールの指定企業となった[要出典]。それらの醸造所は、2008年現在でも同じ町にあり、他の5つの醸造所と共に稼働している。両醸造所ともブナの丸太を燃やした炎の上で麦芽を乾かし、ラオホビアを何種類か造っている。

ドイツ以外のラオホビア[編集]

オーストラリア
フェラル・ブルーイング・カンパニー英語版が、Redoak Rauchbierという銘柄を製造、販売している。
ブラジル
アイゼンバーンポルトガル語版が、Eisenbahn Rauchbierという銘柄を製造、販売している。
イタリア
ミラノにあるBirrificio Lambrateが、Ghisaという銘柄を製造、販売している。
日本
三重県伊賀市伊賀の里モクモク手づくりファーム地ビール醸造所である地ビール工房モクモクブルワリーでラオホビアが醸造されている。名称は忍者が使う煙幕から取られている。この醸造所は、ハムソーセージを造っている団体の一部である[3]
富士山の北麓山梨県南都留郡河口湖町にある富士桜高原麦酒においてもラオホビアの醸造が行われている[4]
スウェーデン
ニルス・オスカー醸造所英語版がAnders Göranssons Bästa Rökölという銘柄を製造、販売している。

脚注[編集]

  1. ^ ジョン・ホワイト (初出年不明). “Schlenkerla Tavern & its Heller Brewery and Rauchbier (Smoke Beer), Bamberg”. 2008年2月25日閲覧。
  2. ^ Eugenia Tesoro (初出年不明). “Beer in ancient times”. 2008年2月25日閲覧。
  3. ^ a b Beer, by Michael Jackson, published 1998, pp.150-151
  4. ^ 富士観光開発株式会社 (初出年不明). “富士桜高原麦酒 ふじざくらこうげんビール【ビールの種類】”. 2008年5月30日閲覧。

外部リンク[編集]