ヨウ素酸カリウム

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ヨウ素酸カリウム
識別情報
CAS登録番号 7758-05-6 チェック
PubChem 2366570
特性
化学式 KIO3
モル質量 214.001 g/mol
外観 白色の結晶状粉末
密度 3.89 g/cm3
融点

560 ℃(分解)

への溶解度 4.74 g/100 mL (0 ℃)
32.3 g/100 mL (100 ℃)
溶解度 ヨウ化カリウム溶液に可溶
アルコール液体アンモニアに不溶
危険性
EU Index Not listed
引火点 不燃性
関連する物質
その他の陰イオン 塩素酸カリウム
臭素酸カリウム
その他の陽イオン ヨウ素酸ナトリウム
関連物質 ヨウ化カリウム
過ヨウ素酸カリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヨウ素酸カリウム (ヨウそさんカリウム、potassium iodate)は、化学式が KIO3 で表されるカリウムヨウ素酸塩である。

反応[編集]

ヨウ素酸水酸化カリウムとの反応、またはヨウ素と水酸化カリウムとを加熱することにより生成する。

HIO3 + KOH → KIO3 + H2O
3 I2 + 6 KOH → KIO3 + 5 KI + 3 H2O

性質[編集]

強い酸化性があり、可燃物還元性物質との接触により火災を引き起こす。保管の際は熱や衝撃を避け、可燃物・有機化合物・硫化物などから離す。

用途[編集]

一部の国では、甲状腺異常予防のため食卓塩や乳児用粉ミルクに添加される。また、臭素酸カリウムと同様、パンの改良材として用いられる場合がある。

放射線対策[編集]

放射能で汚染されたヨウ素が甲状腺に集まる前に、甲状腺のヨウ素を飽和状態にする効果があるため、放射線療法や放射能漏洩を伴う原子力施設事故の際に使用される[1]アイルランドシンガポールアラブ首長国連邦などでは錠剤の形で備蓄され[2]、高温多湿の環境下の貧困層に届けられている[3]。アイルランドでは、イギリスのセラフィールド再処理施設の事故の際には実際に国民にヨウ素酸カリウム錠が配布された。

セラフィールド原子力発電所事故の際にアイルランドで配布されたヨウ素酸カリウムの錠剤
放射線障害に対する緊急摂取の推奨用量[4]
年齢 ヨウ化カリウム (mg) ヨウ素酸カリウム (mg)
12歳以上 130 170
3 - 12歳 65 85
1ヶ月 - 3 歳 32 42
1ヶ月 16 21

脚注[編集]

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  1. ^ Astbury, John; Horsley, Stephen; Gent, Nick, Evaluation of a scheme for the pre-distribution of stable iodine (potassium iodate) to the civilian population residing within the immediate countermeasures zone of a nuclear submarine construction facility, 21, pp. 2008?10, http://jpubhealth.oxfordjournals.org/cgi/reprint/21/4/412 
  2. ^ K. Takegawa, K. Mitsumori, H. Onodera, T. Shimo, K. Kitaura, K. Yasuhara, M. Hirose and M. Takahashi (Sep 2008), Studies on the carcinogenicity of potassium iodide in F344 rats, 38, pp. 773?81, doi:10.1016/S0278-6915(00)00068-5 
  3. ^ Pahuja, D.N.; Rajan, M.G.; Borkar, A.V.; Samuel, A.M. (Nov 2008), Potassium iodate and its comparison to potassium iodide as a blocker of 131I uptake by the thyroid in rats, 65, pp. 545?9, PMID 8225995 
  4. ^ Guidelines for Iodine Prophylaxis following Nuclear Accidents, World Health Organization, Update 1999