ユニテリアン主義

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ユニテリアン主義(英語:Unitarianism)とは、歴史的定義としては、キリスト教で伝統的に用いられてきた三位一体(父と子と聖霊)の教理を否定し、の唯一性を絶対的に強調する主義のことをいう。歴史的には、ユニテリアンはイエス・キリストを宗教指導者としては認めつつも、その神としての超越性は否定する。ユニテリアンはかつては自由思想家非国教徒として位置付けられ、また合理主義ヒューマニズムの思想を発展させたという説もある。

[編集] ユニテリアン主義の諸形式

ユニテリアン主義には4つの派がある。

聖書的ユニテリアン派(Biblical Unitarianism)
神は唯一の位格のみをもつ父なる一体の存在である。イエスはメシアであり神の子であるが、神その人ではない。神の子の解釈は宗派によって異なり、先在する存在(アリウス派)、神のロゴスとイエスという人間の交わりの賜物(セルヴェ派)、イエスが聖霊によって満たされることで神の子となった(ソチニアニスム)などと理解される。聖書的ユニテリアン派はトランシルヴァニアハンガリーフランス、一部のアフリカの国々におけるユニテリアンの主たる神学である。著名な聖書的ユニテリアンにはミシェル・セルヴェファウスト・ソッチニアイザック・ニュートンがいる。最も古く、最も有力なユニテリアン教会は(ハンガリー人国家の)トランシルヴァニア公国のダーヴィド・フェレンツ (Dávid Ferenc) が創設し、1567年にヤーノシュ・ジグモンド・トランシルヴァニア公によって公認されたものである。
合理的ユニテリアン派(Rational Unitarianism)
神は唯一の位格のみをもつ父なる一体の存在である。イエスは神の子ではなく、他者をよりよい生を生きることができるように導いた善良で賢明な人に過ぎない。合理的ユニテリアン派は、19世紀のドイツ合理主義や、自由主義的な神学から発生した。この説を唱えた人々は、宗教に対しても極めて合理的なアプローチを行い、聖書に記される奇跡の多くを(処女降誕も含めて)否定した。彼らは進化論的考え方を奉じ、性善説を唱え、キリスト教の教義を多く捨てた。合理的ユニテリアン派は、神が創造を行う人格的存在である、と考える点において、神を非人格的存在と考える理神論とは一線を画する。著名な合理的ユニテリアンには、聖職者にラルフ・ワルド・エマーソン、科学者にジョゼフ・プリーストリーライナス・ポーリング、人道主義者にスーザン・B・アンソニーフローレンス・ナイチンゲール 、文学にチャールズ・ディケンズ、芸術にフランク・ロイド・ライトなどがいる。ハンガリーのユニテリアン派の多くは、合理的ユニテリアン主義を唱える。また、世界で唯一のユニテリアン派高校である、ルーマニアコロジュヴァールのヤーノシュ・ジグモンド・ユニテリアン高等学校(ヤーノシュ・ジグモンド・ウニターリウシュ・コッレーギウム János Zsigmond Unitárius Kollégium)は、合理的ユニテリアン主義によって教育を行っている。
ユニテリアン・ユニヴァーサリズム(Unitarian Universalism)
ユニテリアン・ユニヴァーサリズムの組織に入るために要求される公的に定められた信条や信仰規定は存在しない。これはUUが1961年にアメリカ合衆国にてユニテリアン派とユニヴァーサリズム派が合併することで成立しているためである。アメリカ合衆国では、このことをうけて、多くの信徒が「ユニテリアン・ユニヴァーサリスト」(UU)を自認している。今日では、UUの多くは自分がキリスト教徒ではないと考えている(ただし、教義上はキリスト教主流派と重なる部分も少なくない)。[1] キリスト教徒を自認する者についても、どのような教義を信じるかは各信徒の自由に任せられているが、多くの場合、三位一体についてはこれをドグマであるとして拒否されている。UUは彼らを束ねるものとして、教義ではなく、一連の行動原理を奨励するのである。著名なユニテリアン・ユニヴァーサリストにはティム・バーナーズ=リー(WWWの開発者)、ピート・シーガーカート・ヴォネガットクリストファー・リーヴがあげられる。
福音派ユニテリアン派(Evangelical Unitarians)
19世紀以来、福音主義運動や、信仰復興運動の一部でユニテリアン派の神学が利用された。福音派ユニテリアン派の神学はかなり多様であり、ソチニアニスム(イエスは受胎・出産以前には存在していなかった死すべき人間であり、聖霊に満たされることによって、初めて不死となり、神性をもったとする)的な考え方もあれば、サベリウス主義(イエスは神が具現した者であり、神の代弁者であるが、三位一体の位格の一ではないとする)的な考え方もある。しかし福音派ユニテリアンはみな「聖書の唯一性」(Sola Scriptura)への強い信念、そして聖書は神の言葉であり、間違っていないという考えにおいては共通している。キリストアデルフィアン派などは福音派ユニテリアン派である。他の現代の三位一体を否定する教会、例えばフィリピンに本拠をおくイグレシア・ニ・クリスト(Iglesia ni Cristo)も思想的には福音派ユニテリアン派に分類しうるが、これらの教会は、混乱を避けるために「ユニテリアン」を称することを拒否している。エホバの証人も、独特の形でではあるが、ユニテリアン的(非三位一体)な神学をもつ。

ユニテリアン主義のそれぞれの派は、互いに関連しあいながら発展してきている。歴史的には聖書的ユニテリアン派が最も古く、UUは最も新しい。地理的には、ヨーロッパにおける現代のユニテリアン派の多くは聖書的ユニテリアンか、合理的ユニテリアンであり、アメリカ合衆国とカナダではユニテリアン・ユニヴァーサリズムが主流である。福音派ユニテリアン派の大半はアメリカ合衆国かイギリスにある。現在、福音派ユニテリアン派を除き、世界のユニテリアン主義の組織・団体の多くは、1995年に創設された、国際ユニテリアン・ユニヴァーサリスト協会(ICUU: International Council of Unitarians and Universalists)に所属している。

[編集] 関連項目

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