ヤセムツ科

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ヤセムツ科
Epigonus pandionis.jpg
ヤセムツ属の1種 Epigonus pandionis
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: ヤセムツ科 Epigonidae
英名
Deepwater cardinalfishes
下位分類
本文参照

ヤセムツ科学名Epigonidae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。ヤセムツなど、深海魚を中心に少なくとも6属25種が含まれる[1]

分布・生態[編集]

ヤセムツ科の魚類はすべて海水魚で、インド洋太平洋大西洋など、世界中の海に幅広く分布する[1]。主な生息域は外洋の深海で、大陸棚海山の周辺にかけて分布し、しばしば中層にも進出する[2][3]。ほとんどの仲間は水深200~1,000mの中深層で暮らし、稚魚は中層で、成魚は海底と密接に関連した生活を送る種類が多い[3]

一部の大型種は食用とされることもあるが[3]、漁獲対象として利用されることは一般にほとんどない[2]

形態[編集]

ヤセムツ科の仲間はやや細長く、円筒形あるいは紡錘形の体型をもつ[4]。体長10-20cm程度の種類が多いが、最大種では全長60-75cmに達する[1][3]。眼は大きく発達する[2]

背鰭は2つで互いの間隔は離れ、第1背鰭の棘条は7-8本であるなど、一般形態は近縁のテンジクダイ科と類似する[1]椎骨の数が両グループの鑑別点の一つとなっており、テンジクダイ類の24個に対しヤセムツ科魚類は25個である[1]

背鰭と臀鰭の軟条部はに覆われる[1]。前上顎骨の突起は退化的で、もたない場合もある[1]。トゲメオキムツ属の仲間(1種のみ)は鰓蓋骨に3本のトゲをもち、ハタ科魚類との類似が指摘されている[1]

分類[編集]

ヤセムツ科はかつてテンジクダイ科の一亜科として分類されていたが[5]、現在では独立のとして扱われるようになっている[1]

ヤセムツ科にはNelson(2006)の体系において6属25種が認められている[1]。本稿では、FishBase(2014年1月現在)に掲載される7属41種についてリストする[3]

マルトゲスミクイウオ Rosenblattia robusta (マルトゲスミクイウオ属)。南半球に幅広く分布する中層遊泳性の深海魚[3]
ヒラヤセムツ Epigonus atherinoides (ヤセムツ属)。太平洋の外洋に分布し、海山の周辺から記録されている[4]
ヤセムツ属の1種(Epigonus lenimen)。インド太平洋の水深530-820mに分布する[3]
ヤセムツ属の1種(Epigonus occidentalis)。メキシコ湾カリブ海の深海に産する種類
ヤセムツ属の1種(Epigonus telescopus)。全長75cmに達する本科中の最大種。主に北大西洋に生息し、食用として利用されることもある[3]

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.356-357
  2. ^ a b c 『日本の海水魚』 p.288
  3. ^ a b c d e f g h Epigonidae”. FishBase. 2014年1月3日閲覧。
  4. ^ a b 『日本の海水魚』 pp.306-307
  5. ^ 『Fishes of the World Second Edition』 p.289
  6. ^ 日本産魚類の追加種リスト”. 日本魚類学会. 2010年10月2日閲覧。
  7. ^ 『深海魚 暗黒街のモンスターたち』 p.95

参考文献[編集]

外部リンク[編集]