ヤコブの梯子 (シェーンベルク)

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オラトリオヤコブの梯子』( - はしご、Die Jakobsleiter)は、アルノルト・シェーンベルクが作曲した未完のオラトリオである。独唱、混声合唱オーケストラのための作品として構想され、1914年から1915年にかけてシェーンベルク自身による台本の執筆を開始、1917年にまず全2部からなる台本が完成した。台本執筆中の1915年に作曲に着手したが、第一次世界大戦で徴兵されたため作曲を中断、終戦後の1926年に第1部の大半が完成したがそこで再び中断[1]。その後、アメリカに亡命後の1944年に若干のオーケストレーションを手掛けたが、未完のままシェーンベルクは1951年に亡くなり、全11曲からなる第1部の計700小節のスケッチが残された[2]

シェーンベルクの死後、ゲルトルード未亡人の要望により弟子のヴィンフリート・ツィリヒが第1部を補筆完成している。

冒頭180小節のみの初演が1958年1月10日ハンブルクで、ハンス・ロスバウト指揮、北ドイツ放送交響楽団および合唱団によって行われた。全曲初演は1961年6月16日ウィーンで、ラファエル・クーベリック指揮によって行われた。

自由な無調から十二音技法へ向かう過渡期の作品であり、発展的変奏英語版の技法が用いられている。

編成[編集]

独唱者[編集]

  • ガブリエル(バリトン)
  • 招集者 (テノール)
  • 扇動者 (テノール、喋り役)
  • 格闘家 (バリトン、喋り役)
  • 傍観者 (バリトン)
  • 修道士 (テノール、喋り役)
  • 死人(高音ソプラノ、喋り役)
  • 魂(高音ソプラノ)

合唱[編集]

12声部の混声合唱

管弦楽[編集]

(4管編成、当初の案では12菅編成だった) ピッコロフルート3(3番はピッコロ持ち替え)、オーボエ3、イングリュッシュホルン小クラリネットクラリネット3、バスクラリネットファゴット3、コントラファゴットホルン4、トランペット3、トロンボーン3、バスチューバティンパニグロッケンシュピール木琴シンバル2、タムタム大中太鼓トライアングル風音器チェレスタピアノハープ、弦5部(16型)

別働隊として高いところに、第一群として、高音ソプラノ、ハーモニウム、ソロヴァイオリン6、第二群としてオーボエ3、リングリュッシュホルン、クラリネット

遠く離れたところに、第一群として、高音ソプラノ(魂)、トランペット3、ホルン2、ハーモニウム、ソロヴァイオリン6、第二群として3ソプラノ、ホルン2、トロンボーン2、ハーモニウム、ソロヴァイオリン6

演奏時間[編集]

約45分(ユニヴァーサル社の未完成版)

構成[3][編集]

  1. 「右に居ても、左に居ても、将来に目を向けていても」(ガブリエル、合唱)
  2. 「問いかけもせずに?」(合唱、ガブリエル)
  3. 「その調子で!先へ!」(ガブリエル、指名された男)
  4. 「お前はいつも自分に満足している」(ガブリエル、扇動的な男)
  5. 「この二者択一」(ガブリエル、奮闘する男)
  6. 「彼と汝等の意志に対して」(ガブリエル)
  7. 「私は近寄れない、何故なら近寄る時に私は負けるからだ」(選ばれた男、ガブリエル)
  8. 「主よ、私の不遜をお許し下さい!」(修道士、ガブリエル)
  9. 「主よ、私は一生涯この時間を待っていました」(瀕死の男)
  10. 「お前が再び光に近づくのは」(ガブリエル、合唱)
  11. 大交響間奏曲

脚注[編集]

  1. ^ Arnold Schönberg Center: Die Jakobsleiter” (German). 2014年9月13日閲覧。
  2. ^ Smither, Howard E. (2012). A History of the Oratorio: Vol. 4: The Oratorio in the Nineteenth and Twentieth Centuries, p.678. ISBN 9780807837788.
  3. ^ ブーレーズ指揮、BBC交響楽団演奏のCD(SONY)の解説より

関連項目[編集]