モエレ沼公園

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モエレ沼公園
MOERENUMA PARK
Moere01.jpg
園内の様子
所在地 北緯43度07分28秒 東経141度25分46.5秒 / 北緯43.12444度 東経141.429583度 / 43.12444; 141.429583座標: 北緯43度07分28秒 東経141度25分46.5秒 / 北緯43.12444度 東経141.429583度 / 43.12444; 141.429583
分類 総合公園
面積 188.8ha
開園 2005年(平成17年)7月1日(全面開園)[1]
運営者 札幌市
年来園者数 831,350人(2006年)
設備・遊具 ガラスのピラミッド、サクラの森、モエレビーチなど。
駐車場 最大で一般車1900台
バリアフリー 身障者対応トイレ車椅子貸し出し
告示 1995年3月31日から10回
事務所 モエレ沼公園管理事務所
アクセス バスで「モエレ公園東口」「モエレ公園西口」「モエレ公園」のいずれかで下車。

モエレ沼公園(モエレぬまこうえん、Moerenuma Park)は、北海道札幌市東区にある公園である。分類は、総合公園都市公園)。

概要[編集]

半円状のモエレ沼の内側を中心に、も含む。

面積はモエレ沼の水面もあわせて1.89km²。

公園の基本設計は、日系アメリカ人彫刻家イサム・ノグチ、監修はイサム・ノグチ財団のショージ・サダオ(貞尾昭二)、設計統括はアーキテクトファイブによる。設計監理統括者は川村純一

1998年(平成10年)に第8回AACA賞[2]2002年(平成14年)度のグッドデザイン大賞[3]2004年(平成16年)度の「赤レンガ建築賞」を受賞している[4]

歴史[編集]

自然の沼地としては危機的な状況にあるとして、その保全を兼ねた大規模な水郷公園に改造する事業に札幌市が1978年(昭和53年)から着手することになったのが始まりである[5]

当初の構想では野球場や植物園を設置する一般的な公園の構想で[5]1983年(昭和58年)に約1800本の桜が植えられるなど桜の名所も目指していた[6]

この公園の整備を兼ねて1979年(昭和54年)からゴミの搬入・埋め立てが始まり、1990年(平成2年)までゴミの埋め立てが行われ、廃棄物の総量は約270万トンに達した。

この公園計画は、1988年(昭和63年)6月に日系アメリカ人の彫刻家イサム・ノグチが公園の設計への全面協力をすることを発表して、その基本構想を公表したことから整備計画は大きく転換することになった[7]

このノグチは若い頃から彫刻作品を作る一方で「大地を彫刻する」公園計画などに興味を持ち、1930年代以来「プレイマウンテン」など様々な模型を製作し、コンペにも参加していたがなかなか果たせなかった。

そこへ、札幌市が市街地の周りを公園や緑地など8つの緑地帯で包み込もうとする「緑化環状グリーンベルト構想」を建てており、市長への推薦からノグチへオファーが舞い込んだといわれている。[要出典]

彼はそれが形になるのを見ずに同年末に死去したが、その後も基本設計に基づき工事は進められた。

1995年(平成7年)4月29日には一部開園し、桜と梅の花見やテニスコートなどスポーツ施設の利用が始まった[8]

1996年(平成8年)にはイサム・ノグチが設計した遊具が置かれた広場など一部が開園した[9]

全体構想の約70%が完成したとして[10]、1998年(平成10年)7月5日には開園式が行われた[11]

2003年(平成15年)7月20日にはガラスのピラミッド「HIDAMARI」が完成して一般公開され[12]、同月23日からそれを記念して館内で設計者イサム・ノグチの展覧会が開催された[13]

2004年(平成16年)には「モエレ山」が完成して一般公開され[14]、2005年(平成17年)7月1日に中央噴水「海の噴水」の通水式が行われて全面的に開園した[1]

施設[編集]

園内にはノグチが設計した多数の遊具が設けられている。

ガラスのピラミッド「HIDAMARI」
モエレ山
プレイマウンテン
サクラの森のブロック遊具
テトラマウンド
ガラスピラミッド「HIDAMARI」
公園の中心施設で、管理事務所と休憩施設、ノグチのギャラリーなどがあり[15]、冬には温室として機能し、夏には別に設けた貯雪庫に蓄えた雪を冷房に活用する[16]。高さ約32mで表面のガラスの面積は約延べ2,483m²である[17]。2003年(平成15年)完成[12]
モエレビーチ
3か所の吹き出し口よりさざなみ(水の波紋)を立てる浅い池(水深50cm)で、夏には遊びができる[18]。池には、サンゴが敷き詰められている。
モエレ山
南にある山。モエレ山は、公園のために人工的に造られたで、東区唯一の山であり、標高62mである。北側からの登山路は手すり付きで階段は242段であるが、メインとなる階段は300段を超えるため、大人が普通に登ると約10分掛かるとされる[14]。頂上は円形の平地となっており、360度の眺望が眺められる[14]。付近は平地であるため、風のある日の頂上付近には、が集まり強風となる。2004年(平成16年)完成[14]
プレイマウンテン
北にある山。プレイマウンテンは、ピラミッドをモチーフに設計された[19]未来への道を象徴する99の石段が設えられた遺跡のような外観の山[20]。瀬戸内海産の花崗岩を用いた石段のある底辺は約155mのピラミッドである[19]。1996年(平成8年)完成。
ミュージックシェル
プレイマウンテン麓にある、半球に似た形の舞台。1996年(平成8年)完成。
海の噴水
カラマツ林が取り囲むように配置され、公園の核ともなる中央噴水である。噴水池の周囲は、直径48m[21]。全体(カラマツ林)まで含めると直径80mにもなる。噴水の水柱の高さは、約25mまで噴出する[21]。荒れ狂う海のような波しぶきを人工的に作り出す独特の噴水である[22]。夜には、様々な色にライトアップされる。2003年(平成15年)に着工、2005年(平成17年)に完成した[21]。2013年(平成25年)に落雷で設備が破損し、長期間停止することになった[23]
アクアプラザ
中央にある彫刻アクアプラザより水が湧き出し、全長約150mの浅瀬のカナール(運河)をつくる。1998年(平成10年)完成。
テトラマウンド
プレイマウンテンの西北にあるテトラマウンドは、ステンレス柱による高さ13mの三角錐と、芝生の丘で構成された構造物である。1996年(平成8年)完成。
サクラの森
滑り台シーソーなどの遊具施設がある広場。春になるとサクラも楽しめる。1993年(平成5年)施設の一部を一般解放。
フィールドハウス
スポーツ施設の受付所・休憩所。
野外ステージ
2000年(平成12年)完成。

これらは、みな独特の造形を持つ彫刻として眺めることができる。また公園内には、他に陸上競技場野球場テニスコート(15面)、無料駐車場が設置されている。但し、陸上競技場・野球場・テニスコートは有料であり、フィールドハウスで予約が必要である。また、自転車レンタルレンタサイクル)もでき、園内のサイクリングもできる。

2006年(平成18年)度の入場者数は831,350人(前年比117.4%)となり、札幌市の主な観光施設では一番の集客場所となっている。札幌市も「観光スポットとして既に定着したものと考えられる」と述べている[要出典]

備考[編集]

  • 園内のガラスピラミッドは開館当初、授乳室の扉の上部に大きなすき間があり利用者から「上から覗かれそうで怖い」、配電盤もむき出しで「機械室」のようで「落ち着いて授乳ができない」など苦情が寄せられた[24]。のちに改修され、問題は解決している。
  • モエレ沼公園から南西に少し離れたところには、サッポロさとらんどという「農業」をテーマにした公園がある。
  • 以下の作品の撮影に使用されている。[要出典]
  • 近年は北海道を舞台に行われる自転車ロードレースツール・ド・北海道において、最終日のゴール地点または周回コースとして本公園が使用されることが定着している。

交通[編集]

  • 「モエレ公園東口」停(三角点通沿い)
地下鉄東豊線環状通東駅から東69あいの里教育大駅行または東79中沼小学校通行に乗車(豊畑行は不可)
JR学園都市線あいの里教育大駅から東69環状通東駅行または東営業所行に乗車
  • 「モエレ公園西口」停(水郷西大橋近く・冬期は閉鎖)
地下鉄東豊線環状通東駅から東61中沼小学校通行に乗車
 地下鉄南北線北34条駅地下鉄東豊線新道東駅から東76中沼小学校通行に乗車
  • 「モエレ沼公園」停(※公園駐車場内・ガラスのピラミッドに最も近いが、期間限定で平日は運休。夏季は平日も運行。)
地下鉄南北線麻生駅地下鉄東豊線栄町駅から麻26(モエレ沼公園行)
 大通バスセンター(東西線バスセンター前駅大通駅)から東6(モエレ沼公園行)

※全て北海道中央バスが運行している。

脚注[編集]

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  1. ^ a b “ノグチの夢 道都に息吹 モエレ沼公園本格オープン”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2005年7月2日)
  2. ^ AACA公式ホームページの「過去の受賞作品」を参照
  3. ^ “日本“最大”のG 札幌のモエレ沼公園 グッドデザイン大賞受賞”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2002年10月31日)
  4. ^ “赤レンガ建築賞 ガラスのピラミッド“頂点”に 札幌市東区のモエレ沼公園”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2004年12月21日)
  5. ^ a b “よみがえるひん死のモエレ沼 一大水郷公園に 来年度着手 野球場、植物園も設置”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1977年11月25日)
  6. ^ “郷土の青写真”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1984年4月23日)
  7. ^ “札幌・モエレ沼公園の設計 イサム・ノグチ氏全面協力”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1988年6月21日)
  8. ^ “桜と梅 行楽どうぞ モエレ沼・平岡公園開放 札幌市”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1995年4月24日)
  9. ^ “公園 主役は子供 楽しまなきゃ… でも少しは芸術にも触れて 自慢の1品紹介”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1996年5月13日)
  10. ^ “設計者イサム・ノグチ氏 急逝から10年 モエレ沼公園お披露目へ 全体の7割完成 来月5日に式典”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1998年6月6日)
  11. ^ “巨匠の夢 実現 故イサム・ノグチ氏設計 モエレ沼公園開園”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1998年7月6日)
  12. ^ a b “札幌・モエレ沼公園 ガラスのピラミッド完成 記念式典でテープカット きょうから公開”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2003年7月20日)
  13. ^ “イサム・ノグチ体感 札幌モエレ沼公園 「ピラミッド」で作品展”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2003年7月23日)
  14. ^ a b c d “ゆうたうん 晩秋のモエレ山“登頂” 札幌の街 ぐるり一望 空気澄み気分そう快 意外と急な階段 所要時間は約10分”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2004年11月10日)
  15. ^ “札幌・モエレ沼公園 ガラスのピラミッド 来月誕生 造形の妙 輝く宝の箱 1300枚接合 イサム・ノグチ氏紹介も 眺望、憩いの場へ期待”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2003年6月24日)
  16. ^ “奇跡の公園 モエレ沼 上 なるほど?!舞台裏拝見”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2005年6月30日)
  17. ^ “フォトプラス 異彩北海道 ピラミッド 磨き輝く”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2010年6月16日)
  18. ^ “212新聞 石狩 札幌市 自慢のモエレビーチ”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2003年10月15日)
  19. ^ a b “ゆうたうん 見どころいっぱい モエレ沼公園 広がるノグチ・ワールド ピラミッドきらめく”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2002年11月13日)
  20. ^ “北へ…異色人物伝 14 イサム・ノグチ 「子供の遊び場」に 創造の源泉見出す”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1999年10月3日)
  21. ^ a b c “ノグチの夢 空高く モエレ沼公園 高さ25メートル、直径48メートル 「海の噴水」完成”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2005年6月2日)
  22. ^ “H2O 潤う夏 2005札幌圏 9 モエレ沼公園の噴水 躍動する波 大海を演出”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2005年7月21日)
  23. ^ “モエレ沼公園 「海の噴水」停止 長期化 落雷で故障 今季復旧は困難”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2013年10月5日)
  24. ^ “観光名所・モエレ沼公園 市、授乳室改修へ 本紙読者欄 「配慮不足」と苦情”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2005年10月15日)
  25. ^ 愛情サイズ TM45 CMメイキング | チャンネルパナソニック | Panasonic

関連項目[編集]

外部リンク[編集]