メール便

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メール便(メールびん)とは、宅配便のシステム(配送網)を利用して、書類や商品カタログなどの、郵便法上の「信書」ではない軽量な荷物を運ぶ運輸業者による輸送サービス。郵便事業株式会社(旧・日本郵政公社)の「ゆうメール(旧・冊子小包)」が競合商品に当たる。

目次

[編集] 概要

1997年(平成9年)に、ヤマト運輸が 「クロネコメール便」の名称で開始。その後、他社も追随した。佐川急便「飛脚メール便」(のちに「飛脚ゆうメール」も開始)、日本通運「NITTSUメール便」(現在は廃止)、福山通運「フクツーメール便」(現在は新規契約停止)、アップフィールド「UPメール便」などがある。また新聞販売店等がその配達網を利用して業務を受託していることもある。

急成長を遂げてきた分野ではあるが、2004年(平成16年)に日本郵政公社(現・日本郵政グループ)がメール便と競合する冊子小包(現・ゆうメール)の大口割引の割引率を上げたため、今後の動向が注目される。

[編集] 佐川急便が参入

そんな中、佐川急便がこの制度を利用した「佐川ゆうメール」(現・飛脚ゆうメール)のサービスを同年に開始している。飛脚ゆうメールでは、佐川急便は集荷までのみを行い、集荷したメール便を佐川急便が差出人としてまとめて郵便事業(株)の(統括)支店に差し出し、郵便事業(株)のネットワークで配達するものである。日本通運も「NITTSU郵メール便」の名で同様のサービスを行っている。郵便事業(株)は原則として特定の利用者が差し出す郵便物・荷物を拒否することが出来ないことを利用している。このことに関して言及されることはほとんどない。

[編集] サービスレベル

各社とも(特に飛脚メール便は)メール便について土日配送しないケースが散見されたり、万一、紛失事故が起きた場合も追跡に限度があるなど問題点も多いため、個人での利用では特に注意を要する。また通常は約款により、運賃返金もしくは無償輸送の補償だけで、荷物については補償されない。

飛脚ゆうメールのケースでは、郵便事業(株)に調査を依頼[1]する場合、差出人を「佐川急便」[2]として依頼する形となり[3]、佐川急便が差し出した郵便事業支店[4]から受取人までの調査しかできず、佐川が差し出すまでの時点で欠落などがあった場合は郵便事業(株)側には手出しができない点などがある。そのことも含めて、佐川の差出人側の担当店にも調査依頼をかける形となるが、郵便事業(株)のような正式な文書を作成する形での書類提出をするわけではないため、うやむやにされるケースもある[要出典]

[編集] 配送事故の多発

郵便事業(株)の郵便や、各事業者の宅配便に比較すると、紛失、遅延、誤配が多い。これは後述の配達システムが全く異なる事に起因する。宅配便に比べ料金が安いことに加え、事業者側(特に配達員)の意識やモラルが低いことも原因にある。

ヤマト運輸は2011年(平成23年)11月までに、クロネコメール便の960件が未配達、そのうち700件を廃棄処分にしたと発表した。[5]

[編集] 市場規模

[編集] 平成22年度

2010年(平成22年)度のメール便取扱冊数、52億4236万冊。前年度比1億958万冊増(対前年度比102.1%)[6]

  1. 日本郵便「ゆうメール」26億2158万冊、シェア50.0%
  2. ヤマト運輸「クロネコメール便」23億1219冊、シェア44.1%
  3. 佐川急便「飛脚メール便」1億4924万冊、シェア2.8%
  4. ポストウェイ「ポストウェイメール便」8452万冊、シェア1.6%
  5. 中越運送「中越メール便」6570万冊、シェア1.3%

郵便法による郵便物取り扱い単位である「通」ではなく「冊」という単位を使っている。

[編集] 近年

低価格競争が激化。各会社にて安価でのメール便を取り扱うがサービスレベルがまちまちである。利用に際しては条件確認は必須。

[編集] 主要な例

[編集] クロネコメール便の例

長辺40センチ以内、厚さ2センチ以内、三辺計70センチ以内、重さ1キログラム以下で、郵便受けに入るサイズと規定され(その範囲内であれば封筒の種別・サイズは問わない)、料金は郵便と異なり外形寸法だけで規定され、

  • A4(角2)厚さ1cmまで……80円
  • A4(角2)厚さ2cmまで……160円
  • B4厚さ1cmまで……160円
  • B4厚さ2cmまで……240円

とされている(2006年(平成18年)10月1日改定。それ以前は重量により運賃が決まった)。

100円の追加料金を払うことにより「速達」扱いが可能(翌日又は翌々日配達)。ただし、大口顧客(特にカタログ業者)との契約単価はこれよりも大幅に安価なことが多い。日時指定は不可能(ごく一部のメール便契約では、配達日時指定可能な契約を結んでいるという場合もある)。配達先のポスト投函をもって完了となる。また、宅配便では行っている判取(受領印の押印)も行わない。

荷物一通ごとにバーコードシールが貼られており、荷物追跡が可能。ただし、荷物追跡システム上「投函完了」と表示されていても、これは末端の配達人の手を離れたことを意味するに過ぎない点で、注意を要する。つまり、末端の配達人の過失または故意により宛先以外の場所に荷物が届けられた場合でも、システム上では、あたかも正常に配達されたかのような「投函完了」の表示が出るのである。

また正規の配達員ではなく「メイト」と呼ばれる嘱託の配達員が自前の交通手段等を使い配達するため、不着や遅着・破損などの事故が多いことでも知られている。因みに、速達のメール便の場合は宅急便のドライバーが担当し、基本は一般のメール便同様のポスト投函だが、偶然にも別口で宅急便が同着していた場合は、宅急便と併せて手渡しとなる(宅急便側で時間帯指定で遅い時間になった場合には、それに併せて手渡しとなる)。

用途としては主に契約企業から個人に向けた、カタログやイベント告知などのダイレクトメールの大口発送に利用されるが、ヤマト運輸の場合、他社と異なり個人利用者も積極的にターゲットとしており、掛売契約をしていない者であっても現金決済で利用できる。個人客でも集荷依頼に応じるほか、営業所や全国のセブンイレブンファミリーマートスリーエフ等の取り扱いコンビニエンスストアで差し出すことが可能である。

集荷・宅急便センター持込扱いのシールと、取扱店・コンビニエンスストアのシールでは異なった仕様となっている。前者は黄または白のバーコードシールで、複写式の「出荷票」に、品名欄の記入と信書ではないという項目にチェックを入れるのに加え、差出人住所等を別途記載が必要であるのに対し、後者の場合は、「出荷シート」と呼ばれるピンクのシールでシール台紙に、顧客控え・取扱店控え・ヤマト控えのシールが一綴りになっている(荷物に貼り付けるバーコードシールは、取扱店控えに付いている)。両者ともヤマト控え部分には品名欄の記入と信書ではないという項目にチェックを記入する必要がある。なお、後者の速達用については「速達用出荷シート」として、緑のシールで別物となっている。何れも、郵便事業(株)の速達郵便物や速達扱いのゆうメール同様、原則速達印の表示を要する。

佐川急便が手がける飛脚ゆうメールのように郵便事業(株)が配達するサービスでは、荷物追跡はできない。

[編集] 飛脚メール便

発送可能な荷物は、3辺合計70cm以内・最長辺40cm以内・厚さ2cm以内・重量1kg以内で、ポストに収容可能なサイズであるものと規定している。これを超えるものや、筒状・ダンボール収容状の荷物については、飛脚ゆうメール(配達は郵便事業(株)が担当)の利用をアナウンスしている。こちらのサイズ規準は、郵便事業(株)のゆうメールに準ずる。

利用には、法人で、売掛による支払に限定されているため、都度支払や個人の発送は不可。配達日の規準は、一部地域を除き3日から4日程度かかる。離島など一部地域では中継に郵便事業(株)のネットワークを利用するとしているが、投函自体は佐川急便が担当する。

料金体系は、重量制で、

  • 300g以内 160円
  • 600g以内 210円
  • 1kg以内 310円

となっている。

[編集] UPメール便

配布エリアを一都三県、二府四県に限定し、長辺40センチ以内、厚さ2センチ以内、三辺計70センチ以内、重さ100g以下で、郵便受けに入るサイズと規定され(その範囲内であれば封筒の種別・サイズは問わない)これ以外のエリアへの送付荷物、重量の荷物については、クロネコメール便、飛脚メール便へ切り替え配送している。 料金は郵便と異なり外形寸法及び重量で規定され、

  • A4(角2)厚さ1cmまで、53円から(※配布量、利用頻度により若干変動する)。

到達制度や品質はクロネコメール便と変わらない。アップ・フィールド独自の配達網を利用しているため到達時間がヤマトメール便に比べ2~3日遅れる場合があるが、同社が封入(ラベル貼り作業含む)作業から一括請負する事によってその分の時間短縮を図っているとされている(2006年(平成18年)10月1日改定。それ以前は重量により運賃が決まった)。

[編集] メール便利用の際の注意点

  • メール便は信書(手紙や請求書等)の送達に利用することは出来ない。しかし、差出時に中身の確認が厳密に行われないために、信書を入れてしまうケースが少なくないと言われている。
  • 郵便は宛先に名宛人(宛名の人間)が住んでいる場合のみ配達するのに対して、メール便は宛名に関わらず、基本的に住所通りに配達するだけである。したがって、メール便は名宛人が転居したり部屋番号を書き間違えていても住所通りに配達されるため、全くの他人に開封される恐れがある。なお、クロネコメール便にも転居届を出すことはできるが、郵便の転送サービスと同一という訳ではない。[7]
  • 遅配が発生する恐れがある。メール便は、一次業者が集荷し、委託を受けた二次業者・三次業者が配送するという形態を取る業者が多いため、近郊でも配達に2日間かかる。さらに、連携がうまくいかなかったり、営業所で放置されると1週間ほどかかることもある。企業によってはメール便を利用していたが出荷先からの要望で郵便に戻すケースも多いと言われている[誰によって?]。ヤマト運輸は、クロネコメール便について自社ウェブページなどで翌日配達をうたっていたが、日本広告審査機構(JARO)が不当表示に当たるとして改善要望を出している(2006年10月より「3~4日で配達」に変更された)。
  • 他人に見られては支障がある荷物や、確実に期日までに届く必要がある荷物については、宅配便や郵便物とは異なるサービスであることを認識した上で利用すべきである。また、いわゆる定型外サイズのメール便は郵便受けに完全投函していないケースが多く、郵便受けに入らない場合は玄関先などに放置されていることもある。
  • 配送事故の可能性も踏まえて利用する。メール便は追跡可能であるが、補償を求めるものを送付しないよう留意する必要がある。追跡データは、クロネコメール便の場合は、(1)集荷する際に一回、(2)着店(配達先の担当店)から持ち出すときに一回、(3)ポスト投函時に一回の計三回の入力が行われる。問い合わせ画面で検索した場合それぞれ(1)集荷、(2)持ち出し、(3)配達完了と反映され、出荷時に渡されるお客様控えに記載される「お問い合わせ番号」によりWEB上で追跡する事ができる。他社のメール便に関しては、宅配便と同じ追跡入力回数であるところもあるが、インターネット追跡は利用できない(電話でのみ追跡可能)。紛失の危険は、(1)集荷されているはずなのにデータ入力されずに問い合わせしても未登録表示される、(3)配達完了状態でもポストの上に置かれて風で飛ぶ、抜き取り、配送員がデータ処理だけして配達しない、などの事故が起きている。
  • 補償額は運賃のみであり、紛失時の価値的・精神的ダメージも踏まえ利用することが肝要である。また配達完了はゆうメールと異なり、実際に配達が完了し配達員の手を離れた後にのみ入力される。こちらも決して実際の配達時刻を反映するものではなく、得てして実際の配達時刻を数時間さかのぼった時刻が入力されるため、配達ミスが生じた場合に他人宅のポスト内への混入を疑い捜索を呼びかける場合には「何日の何時ごろ配達されたものを探しています」としても意味を持たないことがある。
  • また、クロネコメール便の場合多くはコンビニエンスストアや酒屋、米屋などの取次ぐ場合が多い。取次を受けた側も完全な本職の配送業者ではなく、各店舗の店員はクロネコの社員ではない為、同じ荷物を発送しても料金が違ってくる事がある(例えば、クロネコメール便の場合は封筒の厚さが1cm以内の場合と2cm以内の場合で料金が変わってくるが、衣類などの柔らかい荷物だと各人の測り方によって違う見積もりが出される事がある)。また明らかに規定サイズを間違えて測定し、誤った金額で請求をされるケースもある。
  • クロネコメール便では近年[いつ?]、配達システムを改正した。しかし、改正によって以前よりも余計に配達日数が掛かるようになったため、批判の声が多い(同一都道府県内に発送した場合、以前なら発送の翌日に到着していたものが到着まで3~4日も掛かるようになった為)。

[編集] 脚注

  1. ^ (民営化前は、「郵便監査」と呼ばれていたもの)
  2. ^ (住所は、還付先として封筒などに表示されている住所)
  3. ^ (備考として、佐川に差し出した本来の依頼人名を付記する形となる)
  4. ^ (関東圏であれば、通常は新東京支店
  5. ^ クロネコメール便960件を滞留、700件はすでに廃棄 - 発送元など特定できず - Security NEXT, 2011/11/17
  6. ^ 平成22年度宅配便等取扱実績について - 国土交通省
  7. ^ 一応転居時は調査して無償で転送することになっているが、差出人を通じて転居先の調査をするため、発送店と配達店の連携が悪かったり差出人に連絡がつかない場合、かなりの遅延が発生する。飛脚ゆうメールはこの欠点を補う意味もある。

[編集] 関連項目

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス