メルセデス・ベンツ OM642エンジン

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OM642

メルセデス・ベンツ OM642エンジンとは、メルセデス・ベンツV型6気筒ディーゼルエンジンの系列である。 従来の直列5気筒および直列6気筒ディーゼルエンジンの後継として開発、2005年に発表された。「ダイムラー・クライスラー」時代のエンジンであり、クライスラー車にも搭載された[1]

補機類を含めたエンジン全体の形状を立方体に近づけて車体パッケージ効率を向上させる「ワンボックスコンセプト」に基づいて設計されている[1]。クランクシャフトは4ベアリング構成でバンク角は72度になっており、左右バンクの間に吸気系やターボチャージャーなど補機類を配置している。また、動弁系はDOHCの4バルブでローラーロッカーフォロワーで作動され、カムシャフトは排気側をチェーンで駆動、吸気側カムシャフトはギアを介して排気側カムシャフトで駆動するなど、コンパクトな設計になっている。

燃料噴射は最大噴射圧力1600barのボッシュ第3世代のピエゾ式インジェクターを使用するコモンレール直噴仕様である[1]。ピエゾ式インジェクターを使用することで1燃焼あたりに5回まで噴射が可能になっている。 排出ガスの後処理には、重量車用は尿素SCRシステムであるブルーテック(BlueTech)が、軽量車用はNOx吸蔵還元触媒が、それぞれ採用されている。 このエンジンは平成14年自動車排出ガス規制(新短期規制)自動車NOx・PM法をクリアしており、2007年12月に発売された2008年モデルから平成17年規制(新長期規制)へ適合した。

CクラスからSクラスにまで搭載され、最も高出力のものは最大出力は195kW、最大トルクは620Nmとなっている(欧州モデルのC350 CDI BlueEFFICIENCY、他)[1][2]ドイツベルリンの工場で生産されている。

バリエーション[編集]

エンジン型式 総排気量
cc
ボア×ストローク
mm
最高出力
kW(PS)/rpm
最大トルク
Nm(kgm)/rpm
圧縮比 搭載モデル 販売期間
642 2,986 83.0×92.0 155 (211)/
3,400
540 (55.1)/
1,600-2,400
17.7 E320 CDI アバンギャルド (W211) 2006年8月-2010年1月
E320 CDI ステーションワゴン アバンギャルド (S211) 2006年8月-2010年1月
E350 ブルーテック アバンギャルド (W212) 2010年2月-2013年4月
E350 ブルーテック ステーションワゴン アバンギャルド (S212) 2010年2月-2013年4月
ML 350 ブルーテック 4マチック (W164) 2010年5月-2012年5月
G 350 BlueTEC (W463) 2013年9月-
185 (252)/
3,600
620 (63.2)/
1,600-2,400
- E 350 ブルーテック アバンギャルド (W 212) 2013年5月-
E 350 ブルーテック ステーションワゴン アバンギャルド (S 212) 2013年5月-
190 (258)/
3,600
620 (63.2)/
1,600-2,400
15.5 ML 350 ブルーテック 4マチック (W166) 2012年6月-

関連項目[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c d 「World Engine Databook 2011-2012」『Motor Fan illustrated 特別編集 ワールド・エンジン・データブック 2011-2012』、三栄書房、2011年、58-59頁。ISBN 978-4-7796-1336-4
  2. ^ Mercedes-Benz UK -Model information- C-Class Saloon technical data Mercedes-Benz UK(2012年1月14日閲覧)