メリディアニ平原

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メリディアニ平原
MER-B-Descent Stage-med.jpg
オポチュニティが南西方向から撮影したメリディアニ平原。遠くに写っているのは着陸に使ったバックシェルとパラシュート。
座標 北緯0度12分 東経357度30分 / 北緯0.2度 東経357.5度 / 0.2; 357.5座標: 北緯0度12分 東経357度30分 / 北緯0.2度 東経357.5度 / 0.2; 357.5
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軌道から見たメリディアニ平原の赤鉄鉱の分布。楕円部はオポチュニティの着陸地点英語版
ビーグルクレーター英語版の近くにある岩石。オポチュニティの岩石研磨装置英語版によって削り取られている。

メリディアニ平原(英語: Meridiani Planum)とは火星の赤道から2度南(中心部は北緯0度12分 東経357度30分 / 北緯0.2度 東経357.5度 / 0.2; 357.5)に位置しサイナス・メリディアニの最西端にある平原である。灰色の結晶質赤鉄鉱がまれに算出されることがある。地球において赤鉄鉱は度々温泉が淀んでいる場所で算出されることから、多くの科学者はメリディアニ平原の赤鉄鉱は古代に温泉など液体の水があった証拠だと信じている。赤鉄鉱は層のある堆積岩の一部で厚さは200から800メートルである。平原には他に火山性玄武岩クレーターがある。

火星探査車オポチュニティ[編集]

オポチュニティに搭載されたパノラマカメラで撮影されたチャレンジャー・メモリアル・ステーションという使用済みの着陸船。

2004年、メリディアニ平原にNASAが2台投入したうち2台目の火星探査車であるオポチュニティが着陸した。この着陸地点は当初マーズ・ポーラー・ランダーマーズ・クライメイト・オービターの失敗により中止となったマーズ・サーベイヤー・2001・ランダー英語版で予定されていた着陸地点だった。

オポチュニティによりこの着陸地点では一度長い期間塩分が高濃度で酸性の液体の水で満たされていたことが判明した。また、岩石の中に凝結物[要曖昧さ回避] (Concretion晶洞英語版が含まれる多くの小型球形水晶が存在し、多くの量の硫酸マグネシウムやその他鉄明礬石英語版のような硫酸塩が豊富な鉱物がある斜層状の沈殿物が含まれることを推測される場所である。

オポチュニティがメリディアニ平原で発見した岩石と鉱物[編集]

オポチュニティがメリディアニ平原で発見した土壌はグセフクレーターやエリーズ渓谷にある土壌に似ているが、メリディアニの多くの場所にある土壌は硬い球体で「ブルーベリー」と命名される灰色の水晶である[1]。これらのブルーベリーは赤鉄鉱という鉱物でほぼ出来ていることが判明されていて、マーズ・オデッセーの軌道から発せられたスペクトラ信号はこれらの球体によるものであることが確定している。この詳細な研究後、ブルーベリーは地中の水によって凝結されたことも判明している[2]。時間とともに、これらの凝結物は岩石に重なって風化し、ラグ堆積といった表面で凝結していった。床岩で凝結している小球は岩石のわずか1メートルの風化で生じた確認されたブルーベリーによって生成されたものである[3][4]。土壌の大部分は地元の岩石からのものではないカンラン石や玄武岩の砂でできている。この砂は他の場所から運ばれたものと推測されている[5]

微視的な撮像素子で撮影された写真で、溝の壁にある球体を露わにしている 
イーグルクレーターの岩石にあるブルーベリーと呼ばれる赤鉄鉱球体。左上にくっつき合っている3つの球体がある。 
ベリーボウルと呼ばれる岩石 
ブルーベリーがいかにしてメリディアニ平原表面の多くを覆っているかを示す図 

塵の中にある鉱物[編集]

メスバウアスペクトルはオポチュニティが捉えた磁気で集められた塵で生成された。これは塵の磁性構成物がかつて考えられていた普通の磁鉄鉱ではなくチタン磁鉄鉱と推測される結果となった。少量のカンラン石もまた検出されたが、これは惑星に長期に渡る乾燥した時期があったと解釈された。しかし一方で少量の赤鉄鉱が検出されたことは惑星における初期の時代での短い期間に液体の水が存在していたことを意味していることを示したものとしている[6]。これは岩石研磨装置英語版による岩盤への掘削が容易だったことでここの岩石がグセフクレーターの岩石よりかなり柔らかいと考えられているためである。

岩盤の鉱物[編集]

オポチュニティが着陸した表面で数個の岩石が視認できたが、クレーターで露出した岩盤はローバーの機器によって調査された[7]。岩盤にある岩石はカルシウムと硫酸マグネシウムの高濃度の硫黄を持つ堆積岩であることが判明した。岩盤に現存するいくつかの硫酸は硫酸苦土石英語版、硫酸塩無水物、バサナイト、瀉利塩英語版石膏が含まれている。また岩塩などの、ビショフ石、南極石、ブレーダイト、バントファイト、石灰芒硝も現存している[8][9]

硫酸塩を含む岩石は火星上の他の場所で着陸船やローバーが調査した岩石や孤立岩と比べて色調が明るい。これら水和型硫酸塩を含んでいる明るい色調の岩石のスペクトラムはマーズ・グローバル・サーベイヤー熱放射分光計英語版が捉えたスペクトラムに似ている。いくつかのスペクトラムが広大な地域で発見されており、オポチュニティが調査した地域に留まらない広い地域に水が一度存在していたと信じられる根拠になった[10]

またαプロトンX線分光計が岩石から少し高いレベルのリンを発見した。他のローバーがアレス渓谷英語版グセフで発見したのと同じ高レベルであるため、火星のマントルにはリンが豊富に含まれているのではないかと仮定される[11]。岩石の鉱物は玄武岩酸性風化によって生成されたと思われる。これはリンの可溶性が岩石に豊富に含まれていると予測されるウラニウムトリウム希土類元素の可溶性と関連があるためである[12]

オポチュニティがエンデバークレーター英語版の縁に来た時、後に純粋な石膏と判明する白い岩脈を発見している[13][14]。これは岩石の裂け目で水が堆積されている溶解された鉱物にある石膏を運んだ時に生成された。この岩脈は「ホームステーク構成」と呼ばれている。

ホームステーク構成

水が存在した証拠[編集]

「ラストチャンス」岩における斜層状の特徴

メリディアニにある岩石の調査で過去に水が存在した強固な証拠が発見された。鉄明ばん石という水の中でしか生成されない鉱物が全ての岩盤で発見されたためで、この発見はメリディアニ平原に一回水が存在したと判明させるに十分なものだった[15]。さらに一部の岩石で緩やかに流れる水によってでしか形成されない形である薄層状組織(階層)が見られる[16]。初めて薄層状組織が発見された岩石は「ザ・デルズ」と呼ばれている。地質学者は斜交成層が水中の波紋での流れによる花綱状の幾何学模様を見せていると述べている[17]

一部の岩石で箱型の穴が空いているのがあるが、これは大きな結晶を形成している硫酸塩によるもので結晶がその後分解された時に晶洞と呼ばれる穴が残ったものである[18]。岩石にある臭素の濃度はその臭素が溶けやすいことにより非常に変わりやすいと思われている。水は蒸発する前に様々な場所にあったとも考えられる。非常に溶けやすい臭素化合物をあつめる別のメカニズムとして臭素を特定の場所に集中できる非常に薄い水の膜が形成される夜間に沈殿したのを霜で覆う方法もある[19]

岩石の中にある隙間もしくは晶洞

衝突時の岩石[編集]

砂の平原にある「バウンス岩」というある一つの岩石にクレーターからの射出物が発見、その化学的性質は岩盤のと異なっていて、カンラン石は無く、ほとんど輝石と斜長石で構成されていて、火星から来たことで知られる隕石であるEETA 79001というシャーゴッタイト隕石の岩質Bの部分と密接に酷似している。バウンス岩はエアバッグが跳ね返った地点の近くにあることから命名された岩石である[20]

隕石[編集]

オポチュニティが平原にいる時隕石を発見、オポチュニティの機器で初めて分析された隕石でオポチュニティの熱シールドが着地した地点の近くにあったことから「ヒートシールド岩」と命名された。小型熱放射スペクトロメータ英語版、メスバウアー分光計、αプロトンX線分光計の主要研究者による調査によりこの隕石はIAB隕石英語版に分類された。αプロトンX線分光計により93%、ニッケル7%の構成であることが断定されている。「フィグ・ツリー・バーベルトン」と命名された丸い石はただの石か石鉄隕石(メソシデライト珪酸塩)と考えられているが[21][22]、アラン・ヒルズや中山隕石は鉄隕石と考えられている。

ヒートシールド岩は他の惑星で初めて確認された隕石である 
熱シールドの後ろ左にあるヒートシールド岩 

地質史[編集]

この地点の観測によって科学者はこの場所で何度も洪水が起き、蒸発と乾燥が起きたと信じるようになった[23]。この過程において硫酸塩が溜まるようになったが、その硫酸塩が沈殿物を固めた後、赤鉄鉱凝固物は地下水から沈殿によって増長した。またいくつかの硫酸塩は大きな結晶になったが分解され晶洞になった。証拠のいくつかの線は大昔において乾燥した気候が10億年も続いたものの少なくとも水が存在できた気候の時期もあったことに対する点を示している[24]

メリディアニ平原にあるクレーター[編集]

色分けされて解説されている鉱物

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Yen, A., et al. 2005. An integrated view of the chemistry and mineralogy of martian soils. Nature. 435.: 49-54.
  2. ^ Bell, J (ed.) The Martian Surface. 2008. Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-86698-9
  3. ^ Squyres, S. et al. 2004. The Opportunity Rover’s Athena Science Investigation at Meridiani Planum, Mars. Science: 1698-1703.
  4. ^ Soderblom, L., et al. 2004. Soils of Eagle Crater and Meridiani Planum at the Opportunity Rover Landing Site. Science: 306. 1723-1726.
  5. ^ Christensen, P., et al. Mineralogy at Meridiani Planum from the Mini-TES Experiment on the Opportunity Rover. Science: 306. 1733-1739.
  6. ^ Goetz, W., et al. 2005. Indication of drier periods on Mars from the chemistry and mineralogy of atmospheric dust. Nature: 436.62-65.
  7. ^ Bell, J., et al. 2004. Pancam Multispectral Imaging Results from the Opportunity Rover at Meridiani Planum. Science: 306.1703-1708.
  8. ^ Christensen, P., et al. 2004 Mineralogy at Meridiani Planum from the Mini-TES Experiment on the Opportunity Rover. Science: 306. 1733-1739.
  9. ^ Squyres, S. et al. 2004. In Situ Evidence for an Ancient Aqueous Environment at Meridian Planum, Mars. Science: 306. 1709-1714.
  10. ^ Hynek, B. 2004. Implications for hydrologic processes on Mars from extensive bedrock outcrops throughout Terra Meridiani. Nature: 431. 156-159.
  11. ^ Dreibus,G. and H. Wanke. 1987. Volatiles on Earth and Marsw: a comparison. Icarus. 71:225-240
  12. ^ Rieder, R., et al. 2004. Chemistry of Rocks and Soils at Meridiani Planum from the Alpha Particle X-ray Spectrometer. Science. 306. 1746-1749
  13. ^ http://www.nasa.gov/mission_pages/mer/news/mer20111207.html
  14. ^ http://www.sciencedaily.com/releases/2012/01/120125093619.htm
  15. ^ Klingelhofer, G. et al. 2004. Jarosite and Hematite at Meridiani Planum from Opportunity’s Mossbauer Spectrometer. Science: 306. 1740-1745.
  16. ^ Herkenhoff, K., et al. 2004. Evidence from Opportunity’s Microscopic Imager for Water on Meridian Planum. Science: 306. 1727-1730
  17. ^ Squyres, S. et al. 2004. In Situ Evidence for an Ancient Aqueous Environment at Meridian Planum, Mars. Science: 306. 1709-1714.
  18. ^ Herkenhoff, K., et al. 2004. Evidence from Opportunity’s Microscopic Imager for Water on Meridian Planum. Science: 306. 1727-1730
  19. ^ Yen, A., et al. 2005. An integrated view of the chemistry and mineralogy of martian soils. Nature. 435.: 49-54.
  20. ^ Squyres, S. et al. 2004. The Opportunity Rover’s Athena Science Investigation at Meridiani Planum, Mars. Science: 1698-1703.
  21. ^ Squyres, S., et al. 2009. Exploration of Victoria Crater by the Mars Rover Opportunity. Science: 1058-1061.
  22. ^ Schroder,C., et al. 2008. J. Geophys. Res: 113.
  23. ^ Squyres, S. et al. 2004. The Opportunity Rover’s Athena Science Investigation at Meridiani Planum, Mars. Science: 1698-1703.
  24. ^ Clark, B. et al. Chemistry and mineralogy of outcrops at Meridiani Planum. Earth Planet. Sci. Lett. 240: 73-94.

外部リンク[編集]