文化庁メディア芸術祭

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文化庁メディア芸術祭
メイン会場・国立新美術館外観
メイン会場・国立新美術館外観
イベントの種類 芸術祭
初回開催 1997年
最終開催 2022年
会場 東京都国立新美術館
主催 文化庁
公式サイト
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文化庁メディア芸術祭(ぶんかちょうメディアげいじゅつさい、英語: Japan Media Arts Festival)は、文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁国立新美術館)が主催していたアートエンターテインメントの祭典。芸術性と創造性をもつ優れたメディア芸術作品を表彰することを目的に、1997年から毎年実施されていたが[1]2022年をもって終了した[2]。また、受賞作を対象に展示会や関連イベントなどが行われた[3]

概要[編集]

アート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門マンガ部門 の4部門について、大賞・優秀賞・新人賞を選定した。また、第5回(2001年)と第6回(2002年)には特別賞、第7回(2003年)以降は功労賞が授与されている。受賞者にはそれぞれトロフィー、賞金、そして文部科学大臣賞が贈呈される。

実施当初は、デジタルアートインタラクティブ)、デジタルアート(ノンインタラクティブ)、アニメーションマンガの4部門だったが、2003年度(第7回)から現在の4部門に変更された。

2002年からは受賞作品を中心に地方展および地方巡回事業が実施された。

2022年8月24日、今年度は作品募集を行わないと公式ウェブサイトで発表し[4]、これについて朝日新聞は文化庁への取材を元に、「役割を終えた」として第25回をもって文化庁メディア芸術祭は終了と報じている[2]

部門構成と賞[編集]

アート部門 (Art Division)
  • 大賞
  • 優秀賞
  • 新人賞
  • 審査委員会推薦作品
エンターテイメント部門 (Entertainment Division)
  • 大賞
  • 優秀賞
  • 新人賞
  • 審査委員会推薦作品
アニメーション部門 (Animation Division)
  • 大賞
  • 優秀賞
  • 新人賞
  • 審査委員会推薦作品
マンガ部門 (Manga Division)
  • 大賞
  • 優秀賞
  • 新人賞
  • 審査委員会推薦作品

以上のほか、功労賞が個人に対して授与される。

アート部門[編集]

各年度の大賞作品を示す。ここでは便宜上、デジタルアート(ノンインタラクティブ)部門(第1〜6回)とともに扱う。

デジタルアート(ノンインタラクティブ)部門
アート部門
  • 第7回(2003年):デジタル・ガジェット 6,8,9(クワクボリョウタ
  • 第8回(2004年):3minutes²(ElectronicShadow
  • 第9回(2005年):Khronos Projector(AlvaroCASSINELLI)
  • 第10回(2006年):イマジナリー・ナンバーズ2006(木本圭子
  • 第11回(2007年):nijuman no borei(Jean-Gabriel PERIOT)
  • 第12回(2008年):Oups!(Marcio AMBROSIO)
  • 第13回(2009年):growth modeling device(作者:David BOWEN)
  • 第14回(2010年):Cycloid-E(Michel DECOSTERD / Andre DECOSTERD)
  • 第15回(2011年):Que voz feio(醜い声)(山本良浩)
  • 第16回(2012年):Pendulum Choir(Cod.Act(Michel DÉCOSTERD / André DÉCOSTERD))
  • 第17回(2013年):crt mgn(Carsten NICOLAI)
  • 第18回(2014年):該当なし
  • 第19回(2015年):Shades of Grey(CHUNG Waiching Bryan)
  • 第20回(2017年):Interface Ⅰ(Ralf BAECKER)
  • 第21回(2018年):Interstices / Opus I - Opus II(Haythem Zakaria)
  • 第22回(2019年):Pulses/Grains/Phase/Moiré(古舘健
  • 第23回(2020年):[ir]reverent: Miracles on Demand(Adam W. BROWN)
  • 第24回(2021年):縛られたプロメテウス(小泉明郎)
  • 第25回(2022年):太陽と月の部屋(anno lab(代表:藤岡定)/西岡美紀/小島佳子/的場寛/堀尾寛太/新美太基/中村優一)

エンターテインメント部門[編集]

各年度の大賞作品を示す。ここでは便宜上、デジタルアート(インタラクティブ)部門(第1〜6回)とともに扱う。

デジタルアート(インタラクティブ)部門
エンターテインメント部門

アニメーション部門[編集]

各年度の大賞作品を示す。

マンガ部門[編集]

各年度の大賞作品を示す。

特別賞[編集]

功労賞[編集]

  • 第7回(2003年):山口勝弘(アーティスト)
  • 第8回(2004年):山本順也(少女マンガ編集者)
  • 第9回(2005年):宮脇修(海洋堂フィギュアミュージアム黒壁 館長)
  • 第10回(2006年):大工原章(作画監督)
  • 第11回(2007年):辻真先(アニメ脚本家/ミステリ作家)
  • 第12回(2008年):中谷芙二子(アーティスト)
  • 第13回(2009年):宮本茂(ゲームクリエイター)、金田伊功(アニメーター)
  • 第14回(2010年):栗原良幸(マンガ編集者)
  • 第15回(2011年):木下小夜子(アニメーション作家/プロデューサー)
  • 第16回(2012年):江並直美(電子出版物プロデューサー)、大河原邦男(メカニックデザイナー)、小長井信昌(編集者)、佐藤茂(音響技術者)
  • 第17回(2013年):阿部修也(エンジニア/アーティスト)、柏原満(音響効果)、中村公彦(コミティア実行委員会代表)、松本俊夫(映画監督/映像作家/映画理論家)
  • 第18回(2014年):岩政隆一(エンジニアリング・デザイナー)、小野耕世(映画評論家/マンガ評論家/海外コミック翻訳家/海外コミック・アニメーション研究家)、山本圭吾(アーティスト/教育者)、渡辺泰(アニメーション研究者)
  • 第19回(2015年):飯村隆彦(映像作家/批評家)、上村雅之(ハードウェア開発者/ビデオゲーム研究者)、小田部羊一(アニメーター/作画監督/キャラクター・デザイナー)、清水勲(漫画・諷刺画研究家)
  • 第20回(2017年):飯塚正夫(コンテンツ・マネージャー)、梯郁太郎(電子楽器開発者)、高野行央(昭和漫画館青虫館長)、松武秀樹(作曲家/編曲家/シンセサイザー・プログラマー)
  • 第21回(2018年):田宮俊作(実業家)、竹内オサム(マンガ研究者)
  • 第22回(2019年):池田宏 (映画監督)(アニメーション監督/アニメーション研究者)、呉 智英 (評論家)、小池 一子 (クリエイティブディレクター)、三田村 畯右(筑波大学名誉教授)
  • 第23回(2020年):幸村真佐男(メディア・アーティスト/写真家)、なみきたかし(プロデューサー/アニメーション史家)、村崎修三(少女雑誌コレクター)、山城祥二(作曲家/脳科学者)
  • 第24回(2021年):草原真知⼦(メディアアート・映像文化史研究者/キュレーター)、坂田文彦(ガタケット事務局代表)、さくまあきら(ゲームクリエイター)、野沢雅子(声優)
  • 第25回(2022年):塩田周三(ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役)、刀根康尚(サウンドアーティスト/作曲家/パフォーマンス・アーティスト)、鳥嶋和彦(白泉社顧問)、belne(マンガ家/開志専門職大学アニメ・マンガ学部教授)

受賞作品展[編集]

会期 メイン会場
1 1998年2月2日~2月3日 新国立劇場(小劇場)
2 1999年2月27日~3月2日
3 2000年2月25日~3月2日 草月会館
4 2001年3月12日~3月18日 東京都写真美術館
5 2002年2月28日~3月10日
6 2003年2月27日~3月9日
7 2004年2月27日~3月7日
8 2005年2月25日~3月6日
9 2006年2月24日~3月5日
10 2007年2月24日~3月4日
11 2008年2月6日~2月17日 国立新美術館
12 2009年2月4日~2月15日
13 2010年2月3日~2月14日
14 2011年2月2日~2月13日
15 2012年2月22日~3月4日
16 2013年2月13日~2月24日
17 2014年2月5日~2月16日
18 2015年2月4日~2月15日
19 2016年2月3日~2月14日
20 2017年9月16日~9月28日 東京オペラシティ
21 2018年6月13日~6月24日 国立新美術館
22 2019年6月1日~6月16日 日本科学未来館
23 2020年9月19日~9月27日
24 2021年9月23日~10月3日

2022年分は開催せず。

地方展[編集]

主催は文化庁だが、地元の美術館などが主体となって企画・運営することが多い。

  • 2002年度
  • 2003年度
  • 2004年度
  • 2005年度
    • 福井展 - 福井大学アカデミーホールで開催。会期は2005年10月7日〜10月13日。
  • 2006年度
    • 山口展 - 山口情報芸術センター(YCAM)で開催。会期は2006年11月3日〜12日。主催は文化庁、山口県、山口県教育委員会、山口市、山口市教育委員会、財団法人山口市文化振興財団、文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・CG-ARTS協会)、第21回国民文化祭山口県実行委員会、第21回国民文化祭山口市実行委員会。
  • 2007年度
    • 徳島展 - 四国大学交流プラザで開催。会期は2007年10月27日〜11月4日。
  • 2008年度
    • つくば展 - 筑波大学総合交流会館で開催。会期は2008年11月1日〜11月3日。
  • 2009年度
    • 浜松展 - 「音」をテーマに、静岡文化芸術大学で開催。会期は2009年10月30日〜11月3日。共催は第24回国民文化祭静岡県実行委員会、静岡文化芸術大学、CG-ARTS協会。
  • 2010年
    • 京都展 - 京都国際マンガミュージアムで開催。会期は2010年9月2日〜9月12日。主催は文化庁、京都市、京都芸術センター、京都国際マンガミュージアム。共催はCG-ARTS協会。
    • 岡山展 - 「TOUCH&SEE 触ってみよう!見てみよう!」をテーマに、岡山市デジタルミュージアムで開催。会期は2010年10月30日〜11月7日。共催は第25回国民文化祭岡山県実行委員会、岡山市デジタルミュージアム、CG-ARTS協会。
  • 2011年度
    • 京都展 - 「パラレルワールド・京都」をテーマに、京都芸術センターなどで開催。会期は2011年10月29日〜11月23日。共催は京都芸術センター、京都文化博物館、京都国際マンガミュージアム、第26回国民文化祭京都府実行委員会。
    • 宮崎展 - 「メディアソビ、ムゲンダイ。」をテーマに、みやざきアートセンターなどで開催。会期は2011年12月23日〜2012年1月9日。共催はみやざきアートセンター。
  • 2012年度
    • 神戸展 - デザイン・クリエイティブセンター神戸で開催。会期は2012年11月17日〜11月25日。共催は神戸ビエンナーレ組織委員会、神戸市。
    • 山梨展 - 「~つながる・かんじる・ひろがる~」をテーマに、甲府駅北口周辺の5会場で開催。会期は2013年1月13日〜1月20日。
  • 2013年度
    • 富士の国やまなし展 - 「五感で旅するメディア芸術の世界」をテーマに、山梨県防災新館やまなしプラザなどを会場に開催。会期は2013年10月13日〜10月20日。共催は第28回国民文化祭山梨県実行委員会。
    • 愛知展 - 「CODE―私の宇宙(そら)/僕の言葉(ことば)」をテーマに、愛・地球博記念公園で開催。会期は2014年1月5日〜1月13日。共催は愛知県。
    • 釧路展 - 「自然と人間:グロスに見渡すメディア芸術」をテーマに、北海道立釧路芸術館などで開催。会期は2014年2月26日〜3月9日。共催は文化庁メディア芸術祭釧路展組織委員会、北海道立釧路芸術館。
  • 2014年度
    • 松山展 -「MOVE―メディアで拡がる身体表現」をテーマに、愛媛県美術館で開催。会期は2014年9月5日〜9月21日。
    • 十勝帯広展 - 「メディア芸術の林間学校」をテーマに、十勝千年の森帯広市図書館で開催。会期は2014年10月1日~10月13日。
    • 秋田展 - 「DIG∞AKITA/メディア芸術、あきた」をテーマに、なかの太田家の蔵アトリオンで開催。会期は2014年10月25日~11月3日。共催は秋田県。
  • 2015年度
    • 富山展 - 「トヤマウォーカー」をテーマに、TOYAMAキラリなどで開催。会期は2015年10月8日~10月25日。
    • 鹿児島展 - 「境界のあいだ」をテーマに、鹿児島県歴史資料センター黎明館などで開催。会期は2015年10月28日〜11月15日。
    • 青森展 - 「まぼろし村と、あなたとわたし」をテーマに、青森県立美術館で開催。会期は2016年3月12日〜3月27日。共催は青森県。
  • 2016年度
    • 広島展 - 「*Hiroshima*Media Arts」をテーマに、旧日本銀行広島支店などで開催。会期は2016年8月13日〜9月2日。共催は広島市、広島市文化財団。
    • 札幌展 - 「ココロ・つなぐ・キカイ」をテーマに、サッポロファクトリーなどで開催。会期は2016年9月16日〜9月30日。
    • 新潟展 - 「記憶と記録のモノ潟り」をテーマに、COZMIXビルなどで開催。会期は2016年10月10日〜10月30日。共催は新潟市、新潟大学。
  • 2017年度
    • 石垣島展 - 「ひかりきらめくイマジネーション」をテーマに、石垣市民会館など6会場で開催。会期は2017年11月29日〜12月17日。共催は石垣市。
    • 愛知展 - 「MECÂNICA(メカニカ)-私と私の次なるもの-」をテーマに、ナディアパークで開催。会期は2018年1月4日〜1月17日。共催は名古屋市、株式会社国際デザインセンター、中日新聞社。
    • 京都展 - 「Ghost(ゴースト)」をテーマに、ロームシアター京都で開催。会期は2018年1月14日〜2月4日。共催は京都市、ロームシアター京都。
  • 2018年度
    • やんばる展 - 「見えるものと見えないものと」をテーマに、大宜味村立旧塩屋小学校などで開催。会期は2018年12月15日〜2019年1月20日。共催は石垣市。
    • 飛鳥・橿原展 - 「ことば・つながる・セカイ」をテーマに、橿原市役所分庁舎「ミグランス」などで開催。会期は2019年2月18日〜3月3日。
    • 須賀川展 - 「創造のライン,生のライン」をテーマに、須賀川市民交流センター「tette」で開催。会期は2019年2月27日〜3月17日。共催は須賀川市。
  • 2019年度
    • 長崎展 - 「ワンダリングワールド ~メグル・ココロ・オドル~」をテーマに、長崎県美術館などで開催。会期は2020年1月8日〜19日。共催は長崎県、長崎県美術館。
    • 小樽展 - 「メディアナラティブ ~物語が生まれる港街で触れるメディア芸術」をテーマに、小樽市産業会館などで開催。会期は2020年1月11日〜26日。共催は小樽市、小樽市教育委員会、小樽商工会議所、小樽観光協会。
  • 2020年度

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]