メチルドパ

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メチルドパ
IUPAC命名法による物質名
(S)-2-amino-3-(3,4-dihydroxyphenyl)-2-methyl-propanoic acid
臨床データ
胎児危険度分類  ?
法的規制  ?
薬物動態的データ
代謝 肝臓
半減期 105 分
識別
CAS登録番号 555-30-6
ATCコード C02AB01
PubChem CID 40175
DrugBank APRD01106
ChemSpider 36713 チェック
UNII 56LH93261Y チェック
ChEMBL CHEMBL459 ×
化学的データ
化学式 C10H13NO4 
分子量 211.215 g/mol

メチルドパ (Methyldopa)、別名α-メチルドパ、L-α-メチル-3,4-ヒドロキシメチルアラニン等。本剤は、交感神経を抑制して末梢血管を拡張することで血圧を降下させる血圧降下剤である。服用するとしばしばめまい眠気が起こる。

作用機序[編集]

L-ドパ類似の薬物であるメチルドパは、中枢でα-メチルドパミンα-メチルノルアドレナリンに変化する。これらが、中枢においてαアドレナリン受容体を刺激するために、降圧効果が現れる(メチルドパはα1受容体よりもα2受容体に強く結合する)。降圧効果は他にも、偽神経伝達血漿レニン活性の低下等にも由来するといわれている。また、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素阻害作用により、ノルアドレナリンアドレナリンドパミンセロトニン等の組織内濃度を可逆的に低下させることが認められている。

用法用量[編集]

剤形は錠剤で経口により投与され、芳香族アミノ酸トランスポータによって脳に入る。投与量は成人に対して250mg/日から2000mg/日の間だが、最初は250mg/日から750mg/日の間で投与を行うのが基本である。4~6時間で最大の効果が得られ、その効果は24時間程度続く。もし数日経っても降圧効果が得られなければ現在の投与量から250mg増量し、その後も同様に数日経っても降圧効果が得られなければさらに250mgずつ増量していくのが標準的である。

副作用[編集]

医薬品再評価制度によるアルドメット錠の再評価結果として総症例1,064症例中副作用を集計した結果、主なものはめまい35件(3.28%)、起立性低血圧32件(3.01%)、脱力感25件(2.34%)、眠気20件(1.87%)、口渇11件(1.03%)等だった。 その他稀であるが、重大な副作用として肝臓の機能障害が挙げられ、まれに重大な造血の異常などが発生する場合があり、直接クームス試験等の陽性があらわれることがある。

ウロビリノーゲンは小腸で吸収されて門脈を通じて肝臓に入りその多くが胆管へと捨てられ、肝臓で捨て切れなかった残りの部分が腎臓から尿管へと捨てられて、それぞれ便や尿として排泄されるという動きをする。しかしメチルドパを服用すると肝機能の低下が起こってウロビリノーゲンを上手く処理できず、結果として尿の中に含まれるウロビリノーゲンの量が増加する場合がある。その他の尿の変化としては、尿を放置すると尿が黒く変色する場合もある。

他にもこの薬剤の機序から、明瞭な鎮静作用がみられることがあり、稀であるが、うつ病につながることもある。また、プロラクチン分泌増加による乳汁分泌が男女ともに起こりうる。

関連項目[編集]

高血圧症

参考資料[編集]

ウィキメディア・コモンズには、メチルドパに関連するカテゴリがあります。