メガスター

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メガスター (Megastar, MEGASTAR) は、日本機械工学技術者でありプラネタリウム開発製作者である大平貴之個人によって1998年平成10年)に開発され、シリーズ化している、レンズ式移動型プラネタリウムのシリーズ名称である。

現在(2012年時点)、「スーパーメガスターII」の2008年(平成20年)6月開発バージョン(IPSen]シカゴ大会発表バージョン)は、「投影可能な恒星の数が世界一多いプラネタリウム投影機」である[1][2]。また、2004年(平成16年)に大平と日本科学未来館が共同開発した「メガスターII コスモス」は、「世界で最も先進的なプラネタリウム投影機」としてギネス・ワールド・レコーズに認定されたが[2][3]、大平が開発して2011年(平成23年)7月5日に日本の「道の駅富士川楽座」に設置した「メガスターIIB」がこれを更新し、改めてギネスの認定を受けた[2][4][5]cf. 世界一の一覧#プラネタリウム

メガスター[編集]

メガスター (MEGASTAR) は、大平が開発した4番目のプラネタリウムである。1991年に当時学生であった大平が発表したプラネタリウム3号機、アストロライナーの後継機であり、国際プラネタリウム協会 (en, IPS) ロンドン大会で「アストロライナー2」として1998年6月に初公開された。投影可能な星は11.5等級までの約170万個であり、メガ(100万)級の投影性能であることに由来して、のちにメガスターと改名された(後の改良により、現在の恒星投影数は約410万個)。この投影性能は、従来のプラネタリウムの数百倍程度。また、大平はメガスター開発にあたって、移動時には分解しなければならなかったアストロライナーの欠点を踏まえ、32分割光学式でありながら移動・設営・撤収が容易な小型軽量のモバイルプラネタリウムをコンセプトに掲げた。その結果、メガスターは恒星球の直径46センチメートル、重量30キログラム未満と大幅な小型軽量化も同時に実現している。大平は開発当時ソニーに勤務する会社員であったが、メガスターの開発は全くの個人活動として行っていた。IPSの発表後、2000年の12月に表参道にある文化施設スパイラルにて国内での初上映が行われたのを皮切りに、移動式のエアドームと併用して各地で上映が行われるようになった。

最大の特徴は天の川の再現方法にある。天の川が多数の星の集まりであることはよく知られているが、従来の投影機は天の川の部分に補助的に雲のようなぼんやりした光を当てることで天の川を表現していた。これに対し、メガスターでは本来肉眼では確認できない暗い星まで投影することによって、補助投影機に頼ることなく恒星の光のみで天の川を再現している(メガスターで投影した天の川を双眼鏡で見ると、暗い恒星が寄り集まっている様子がわかる。)。恒星原板の作成において、大平はヒッパルコス衛星のデータを基に、CNCによるレーザーでフォトレジストに露光する装置を独力で開発した。この装置の開発の成功によって多数の恒星の正確な座標の投影が可能になった。

2000年の国内初公開当時は、本体とは独立した太陽惑星の投影機が備えられ、しばらく惑星や流星の投影用に使われていたが、現在はデジタル投影装置に取って代わられ、ほとんど使用されていない。また、小型にもかかわらず、本体に太陽の方位に自動的に追従する夕焼け・朝焼け投影機を備えている。 当時、科学館などに設置されていた従来の投影機では数千個、最新鋭の物ですら数万個の星しか表現出来なかったことを考えると、このメガスターの星の数と大きさは桁外れであり、しかもこれをあくまで一個人の趣味として開発製作したことは驚異的である。

このメガスターの登場が大きなブレイクスルーとなり、以降に開発されるプラネタリウムは、急激な高性能化(小型化、投影恒星数の増加、デジタルコンテンツとの連動)を遂げていくことになる。

なお、2013年9月現在、世界で最も投影恒星数の多いプラネタリウムは、多摩六都科学館にある五藤光学研究所が製造した「CHIRONⅡ(ケイロンツー)」(2012年7月展示開始)に更新されている。その数は、1億4000万個(18等級まで)にも上る。また同プラネタリウムは、2012年10月に「世界で最も先進的なプラネタリウム」にギネス認定もされている。


メガスターII[編集]

メガスターII (MEGASTAR-II) は、メガスターの後継機として2003年6月13日に公開された、大平の5番目のプラネタリウム。恒星原板作成にはヒッパルコス衛星によって作成されたデータが活用された。同型1号機フェニックス (Phoenix) の投影星数は410万個(12.5等級まで)の星を投影可能である。メガスターIIの公開に合わせ、大平はソニーを退社、フリーランスでの活動を経て、2005年に自らの会社である大平技研を設立、メガスターシリーズの開発および公演活動を展開している。

2004年には1号機フェニックスが川崎市青少年科学館で常設展示され、その後一部機能改良された2号機ミネルバ (Minerva) に置換された。また投影星数を560万個に拡充した3号機コスモス (Cosmos) は日本科学未来館で2004年7月11日から常設展示が開始されている。展示開始時点で、コスモスは世界最多の恒星投影数を誇る。4号機タイタン (Titan) は1号機フェニックスとともに移動公演用に利用されている。4号機タイタンは、愛知県で開催された愛・地球博ささしまサテライト会場にある「手塚治虫のCOSMO ZONE THEATER」でプラネタリウム投影機として使用された。また、2006年から2007年にかけて日本橋で開催された「日本橋HD DVDプラネタリウム」でも使用された。

本体形状はメガスターの球形に対して形となり多少大型化しているが、それでも大きさ・重量は移動に差し支えない程度に抑えられている。メガスター同様、本体に惑星投影機能は持たないが、常設展示されている3号機コスモスでは、惑星投影機(太陽水星金星火星木星土星を投影可能)が設けられた。また、4号機タイタンにはデジタルプラネタリウムとの連動機能が設けられており、デジタル映像を盛り込んだより多彩な投影が可能となった。

2009年には、科学館など業務筋への販売用として大型ドーム用のメガスターIIAおよび中型ドーム用のメガスターIIBを発表[6]アストロアーツが開発した「ステラドーム」をはじめとした各社のデジタル式プラネタリウムとの連動を可能としており、神奈川工科大学厚木市子ども科学館山梨県立科学館へ納入されたのを皮切りに、日本国内はもとより国外へも販路を広げている[7]

スーパーメガスターII[編集]

スーパーメガスターII (Super MEGASTAR-II) は、2008年6月のIPSシカゴ大会で発表された、メガスターシリーズのフラッグシップとして製作されたプラネタリウム。恒星投影数は2,200万個(13等級まで)に拡大されている。デジタルプラネタリウムと自動的に連動する「オートジオメトリ」機能を初めて搭載し、短時間のセッティングで高精細な星空とデジタル映像を融合させた多彩な演出も可能となった。2008年8月には千葉県立現代産業科学館で期間限定で一般公開され、連日徹夜組が出るほどの盛況となった。

MEGASTAR FUSION[編集]

12K(約1億4000万ピクセル)の高解像度を持つ新型メガスター[8][9][10][11]

メガスターZERO[編集]

メガスターZERO (MEGASTAR-ZERO) は、一般向けに開発された小型プラネタリウム。直径は27センチメートル、重量は11キログラムとシリーズ中最小・最軽量の機体だが、恒星投影数は220万個(12等級まで)と、メガスターの名に恥じない恒星投影数を実現した。また、業務用プラネタリウムとしては世界で初めて光源に超高輝度白色LEDを使用。電力の消費や光源の発熱を抑え、併せて光源のメンテナンスフリー化を実現している。

脚注・出典[編集]

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参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • MEGASTAR”. (公式ウェブサイト). メガスター. 2012年1月24日閲覧。