ミラージュG (航空機)

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ミラージュG

Dassault Mirage G8.jpg

ダッソー ミラージュG(Dassault Mirage G)は、フランスダッソー社製の軍用機(試作機)である。

概要[編集]

1960年代にフランス空軍より要撃機の開発を要請されたダッソーが開発したもので、ミラージュシリーズ唯一の可変翼機である。離着陸時はほぼ直線翼として、巡航時は平面形上は尾翼と一体化してデルタ翼にする(垂直方向としては離れている)と言う意味では、F-14の可変翼と共通性がある。なお、核ミサイルの搭載を含めたマルチロール能力が付与されていた。

まず始めに、SNECMA アター9K50を2基搭載し、複座型としたミラージュG4が開発されたが、試験飛行時に墜落、見直しが行われ、改良型の単座型でエンジン出力を約7tとしたミラージュG8が開発された。しかし、可変翼独特の可動機構の複雑さ、強度確保を要する為、重量や工数など諸コストの上昇を招いてしまい、迎撃機としていた計画をマルチロールとしたことも災いし、1970年代半ばに計画がキャンセルされた。

影響[編集]

本機の開発キャンセルにより、フランス空軍はピンチヒッター的存在であったミラージュF1を主力戦闘機として採用する事を余儀なくされ、本命の次期主力戦闘機としてミラージュ2000の開発を急ぐ事になる。ミラージュ2000は、本来は本機のために開発されたSNECMA M53エンジンを採用するなどして、開発期間を短縮した。

なおダッソー社は双発大型戦闘機開発計画に未練を残し、あらためてミラージュ4000を開発した。本機で問題となった可変翼の採用をとりやめ、カナードつきデルタ翼形式としたが、フランス空軍の採用はなく、イラクサウジアラビアを想定した輸出計画も頓挫した。

派生型[編集]

ミラージュG
ミラージュIIIG(ミラージュG2)
ミラージュG4
SNECMA アター9K50を二機搭載。複座型。
ミラージュG8
G4のエンジンを改良したタイプ。単座型。

スペック[編集]

ミラージュG8-01
  • 乗員:1名(G4は2名)
  • 全長: 18.80 m (61 ft 8 in)
  • 全幅: 全開時:15.40 m (50 ft 6 in)、 収納時: 8.70 m (28 ft 7 in)
  • 高さ: 5.35 m (17 ft 7 in)
  • 離陸重量: 14,740 kg (32,500 lb)
  • エンジン: 2× SNECMA アター9K50 ターボジェットエンジン、70.1 kN (15,800 lbf)
  • 最高速度: マッハ2.2
  • 航続距離: 3,850 km (2,080 nm, 2,390 mi)
  • 最高巡航高度: 18,500 m (60,700 ft)

関連項目[編集]