ミヤマクワガタ属
| ミヤマクワガタ属 | |||||||||||||||||||||||||||
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ヨーロッパミヤマクワガタ
Lucanus cervus 頭部耳状突起が発達している |
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| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Lucanus Scopoli, 1763[1] |
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| 亜属 | |||||||||||||||||||||||||||
ミヤマクワガタ属(ミヤマクワガタぞく Lucanus)は昆虫綱甲虫目クワガタムシ科に属する分類群。ユーラシア大陸全般に広く分布し、その中でもヒマラヤ地方にて種分化が進んでおり、この地域で発生したのではないかと考えられている。オオクワガタ属、ノコギリクワガタ属と並んで雌雄二形が著しいクワガタムシの代表属であるが、分子系統解析などから、ミヤマクワガタ属の雌雄二形はこれら2属と同一起源ではなく、雌雄の形態差がそれほど極端ではないオニクワガタ属と非常に近縁で、これと共通の雌雄差が著しくない形態の祖先から、オスが樹液などの餌場を縄張りとして防衛し、そこにやって来る雌を獲得する方向に収斂進化したものと考えられている。
飼育技術の発達著しいオオクワガタ属やノコギリクワガタ属の属する系統と異なり、土に産卵するタイプで、幼虫も多くは腐植土状にまで分解が進んだ朽木を摂食していること、大型の成虫を得るためにはそこまで分解が進んだ朽木で栄養価に富んだものを幼虫に与えなければならず、その場合、同様の食性を持つカブトムシと異なり、温度の高い飼育環境下で良好な環境を保つことが難しいこともあり、飼育繁殖は若干難しい部分がある。他にもこれらの系統と異なる性質を多く有する。
目次 |
[編集] 体の構造
頭部が隆起し、頭循と呼ばれる部分が冠のようになっており、これは(頭部)耳状突起と呼ばれるが、原始的な種の中にはこれを欠くものも存在する。また、通常は耳状突起を持つ種でも、大アゴが発達しない小型個体ではあまり見られない。
茶色または黒色のものが多いが、一部前翅に黄紋ができる種も存在する。大型の種も多く、日本のミヤマクワガタであっても普段見られるものは5cm程度ではあるが、8cm程のものも記録されている。
大きい内歯が2, 3本見られ、その間とそれより根元にかけて細かい内歯が生えることが多い。多くの種は顎の先端が二股に分かれる。また、本種は脚部に3 - 4本ほどの棘があり、オオクワガタ類やノコギリクワガタ類が棘が生えそろっているのは前脚だけなのに対し、本系統は全ての脚の横に棘が生えている。
これと似たような構造の脚を持つのはチリクワガタ属やタランドゥスオオツヤクワガタにコロフォンクワガタの類であるが、前者はともかく、中者と後者はあまり類縁関係は近くないとされている。
本種と幼虫の生態面などで似ている種は、オニクワガタ属とマルバネクワガタ属、ツヤクワガタ属とホソアカクワガタ属である。
[編集] 種
[編集] 日本
- ミヤマクワガタ Lucanus maculifemoratus
- 日本でお馴染みのクワガタムシ。暑さと乾燥とに弱いため、標高の高い地域や北海道のような冷涼な地域でよく見られる。細かい体毛を有し、茶色く見える。脚の腿節は黄色い。昼間にも活動する。
- 原名亜種 L. m. maculifemoratus
- 本土一帯。DNAレベルでの変異は確認されていないが幼虫期の環境温度によって下記の3種類の型が発生する事が知られている。
- エゾ型
- 大顎先端の二股が著しく発達し第一内歯が殆ど発達しない。幼虫期に低温を体験させると何処の産地のものでもエゾ型の表現をする。標高の高い地域や北海道で良く見られる。エゾ型が多く発生する北海道でも近年の温暖化の影響か道南では基本型・フジ型、道央では基本型も発生している。
- 基本(ヤマ)型
- 大顎先端の二股はエゾ型程発達せず第一内歯は第三内歯とほぼ同等の大きさ。エゾ型の幼虫でも低温期を設けないと基本型になる。
- フジ(サト)型
- 大顎先端の二股の発達が悪く小さい。第一内歯の発達が著しく第三内歯とは桁違いな大きさ。幼虫期に高温で飼育をすると出現し易い。比較的標高が低い地域では良く見られる。
- イズミヤマクワガタ L. m. adachii
- 伊豆諸島の大島・利島・新島・神津島・三宅島。オオバヤシャブシを好む。1995年に記載。
- チョウセンミヤマクワガタ L. m. dybowskyi
- 朝鮮半島
- チュウゴクミヤマクワガタ L. m. boileaui
- 中国
- タカサゴミヤマクワガタ L. m. taiwanus
- 台湾
- アマミミヤマクワガタ L. ferriei
- 奄美大島。大アゴの湾曲が弱く、冠状のものも形状が異なる。日本のミヤマクワガタよりはタイワンミヤマクワガタに近い。
- ミクラミヤマクワガタ L. gamunus
- 御蔵島・神津島。2, 3cm程にしかならない。その特異な生息地や形状には謎が多い。原始的であるため学術的に貴重であり、準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)に指定されている。地元では土鍋で飼育している。ミヤマクワガタほど体系的ではないが、型と呼べるようなものが存在する。これらの特徴はメスでも見られる。
- 基本型 - 全体が黒色。
- 横紋型 - 前翅に黄紋が見られる。
- 頭部前胸赤褐色型 - 前胸背板から前が赤褐色。
- 頭部前胸赤褐色横紋型 - 前翅に黄紋が見られ、前胸背板から前が赤褐色。
- 赤褐色型 - 全体が赤褐色。1個体のみが確認されている。
[編集] 日本以外
一部を記す。
- ヨーロッパミヤマクワガタ L. cervus
- ユーロミヤマクワガタともいう。唯一のヨーロッパに生息する大型種であり、日本のカブトムシのように「クワガタムシ」を意味する単語でも本種のみを指すことがある。ヨーロッパの言語でクワガタムシを言う時鹿の表現が多いのは、本種のためだろう。殆どの地域で保護対象となっており、採集は難しい。
- ユダイクスミヤマクワガタ L. judaicus
- ジュダイクスミヤマクワガタとも言う。ミヤマクワガタ属最長。シリア東部。
- この他にも一昔前の文献などには様々な亜種が記載されているが、統一された見解がないのが実情である。
- カンターミヤマクワガタ L. cantori
- ヒマラヤ地方。横幅が広い種。
- メアレースミヤマクワガタ L. mearesii
- ヒマラヤ地方に生息する。中央から少し先端寄りに2本の内歯を持つ。
- パリーミヤマクワガタL. parry
中国江西省、福建省に生息。ミクラミヤマクワガタに近縁の種とされる。
- ヘルマンミヤマクワガタ L. herumani
- 中国に生息、プラネットミヤマクワガタと近似する。しかし、本種は大顎の付け根に内歯がある。
- プラネットミヤマクワガタ L. planeti
- 中国からベトナムにかけて生息する。頭楯がV字型に発達する。
- ルニフェルミヤマクワガタ L. lunifer
- ラミニフェルミヤマクワガタ L. laminifer
- 先端の内歯は短く、根元のものを欠く。
- タイワンミヤマクワガタ L. formosanus
- 台湾に生息。顎が長く、頭恂の中央部に突起が発達する。
- ヒメミヤマクワガタ L. swinhoei
- 台湾に生息。日本のアマミミヤマクワガタに比較的近い種であるとされる。
- フライミヤマクワガタ L. fryi
- タイ・ミャンマー頭楯がM字型に発達し、細かい内歯がない。
- チベットミヤマクワガタ L. tibetanus
- 前種に似るが、こちらは頭楯がY字型になる。
- エラフスミヤマクワガタ L. elaphus
- 北アメリカの五大湖のオンタリオ湖周辺に分布し、日本産ミヤマクワガタや、ヨーロッパミヤマクワガタに比べてやや小型。北アメリカのクワガタムシでは最大種。
- カプレオルスミヤマクワガタ L. capreolus
- 北アメリカのロッキー山脈東部に分布し、大顎が短めで丸いのが特徴。
- プラキドスミヤマクワガタ L. placidus
- 北アメリカ南東部から北東部にかけて分布する小型種。大顎はあまり発達しない。
- マザマミヤマクワガタ L. mazama
- アメリカ合衆国南部のアリゾナ州、ニューメキシコ州、ユタ州に分布。付属肢も胴体も短く、ズングリした体型。
[編集] 脚注
- ^ “Genus Lucanus Scopoli, 1763”. BioLib. 2011年4月26日閲覧。
- ^ “Subgenus Lucanus Scopoli, 1763”. BioLib. 2011年4月26日閲覧。
- ^ “Subgenus Pseudolucanus Hope & Westwood, 1845”. BioLib. 2011年4月26日閲覧。