ミヤコタナゴ

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ミヤコタナゴ
Tokyo bitterling Tanakia tanago ミヤコタナゴ 都鱮.jpg
ミヤコタナゴ Tanakia tanago
保全状況評価[1]
VULNERABLE (IUCN Red List Ver.2.3(1994))
Status iucn2.3 VU.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: コイ目 Cypriniformes
: コイ科 Cyprinidae
亜科 : タナゴ亜科 Acheilognathinae
: アブラボテ属 Tanakia
: ミヤコタナゴ T. tanago
学名
Tanakia tanago
(Tanaka, 1909)
和名
ミヤコタナゴ
英名
Tokyo bitterling
ミヤコタナゴ

ミヤコタナゴ(都鱮、Tanakia tanago)は、コイ目コイ科タナゴ亜科アブラボテ属の小型淡水魚。日本固有種で、関東地方の一部に生息する。地域名(本種を指す方言)としてミョーブタ・ジョンピー(千葉県南総)、ベンタナ・オシャラクブナ(千葉県東総-南総)、ナナイロ(埼玉県入間、比企)、シャレブナ・オシャレブナ(栃木県)などがある。この中にはヤリタナゴとの混称も含まれる。1974年、国の天然記念物に指定された。

生態[編集]

明治時代後半、東京市小石川(現東京都文京区)の東京帝国大学付属植物園の池で発見された。このことが「ミヤコ」の和名由来と言われる。昭和初期には井の頭池及び神田川水系にも生息していた。

全長約6センチメートル。一対の口ひげがあり、産卵期に現れるオスの美しい婚姻色で知られる。体型はヤリタナゴを小型にしたようであるが、側線が不完全であり、鰓蓋の後ろから胸びれの上あたりまでしかないことで区別できる。また、オスは尻びれと腹びれの先が帯状に黒く、その内側には白線が配される。これは春先の繁殖期には婚姻色として顕著に現れる。

西日本に分布するアブラボテは本種に形態、生態とも類似するが、本種ほど湧水依存が強くないなど適応環境が幅広い感がある。

小動物や藻類などを食べる。

湧水を水源とした細流やため池に生息し、本種の生息地の下流域はヤリタナゴの生息河川である(あった)ケースが多い。天然分布域が東京近郊に偏在しているため、戦後の高度成長期を中心とした都市化で生息環境が次々に破壊され個体数が激減、絶滅に瀕している。

保全状態評価[編集]

1974年天然記念物に、1994年国内希少野生動植物種に指定。環境省レッドリストでは、絶滅危惧IA類に当初から指定されている。したがって、許可のない捕獲採集や飼育、譲渡売買は禁じられている。ほとんどの生息地において地域社会が本種の保全に関心を持ち、生息地によっては密漁行為を監視、警察への通報を緊密に行なうなどしている。なお、近年では新規に生息地が発見されても密漁等を防ぐ意味で公開しないのが原則であるが、同時に保護が地域社会に浸透できず、どこからか密漁者もやってくるという悪循環に悩まされている。また、本種は湧水に続く小水路と水田耕作地という二次自然に強く依存しており、産卵母貝であるマツカサガイの維持には定期的な水路の土揚げや農業用溜池の池乾しなど手入れが欠かせず、それを周知できなかった過去においては保護がうまくいかなかったという苦い経験がある。すなわち本種の生態は、人間による耕作生産活動と密接不可分な関係にあり、人手不足や後継者難による耕作放棄など農村社会の荒廃が、本種の将来に暗い影を落としている。

また、本種生息地でのゴルフ場開発や圃場整備事業、河川のコンクリート護岸化や直線化などの生息地破壊につながる開発許可公共事業は、本種の希少性が世に広く知られるようになった近年でも後を絶たない。

関東各地の内水面水産試験場淡水魚博物館等、あるいは一部の自治体関係機関によって系統保存を目的とした飼育繁殖やそれに伴う一般展示が行われている。

脚注[編集]

  1. ^ Kottelat, M. 1996. Tanakia tanago. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species. Downloaded on 17 November 2007.

外部リンク[編集]

  • ミヤコタナゴ多様性生物希少標本ネットワーク ”a specimen room 標本室”