ミッキー・ディー

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ミッキー・ディー
Mikkey Dee
モーターヘッド - ドイツ・ヴァッケン公演バックステージにて(2015年7月)
基本情報
出生名 Micael Kiriakos Delaoglou
生誕 (1963-10-31) 1963年10月31日(60歳)
出身地  スウェーデン
ヴェストラ・イェータランド県イェーテボリ[1]
ジャンル ヘヴィメタル
ハードロック
職業 ミュージシャンドラマー
担当楽器 ドラムスアコースティック・ギター
活動期間 1985年 - 現在
共同作業者 モーターヘッド
キング・ダイアモンド
ドン・ドッケン
WWIII
スコーピオンズ
公式サイト imotorhead.com

ミッキー・ディーMikkey Dee1963年10月31日 - )は、スウェーデン出身のロックミュージシャンドラマー

主にHR/HMの分野で活動し、特に英ロックバンドモーターヘッド」で長らく活躍した。ほか「キング・ダイアモンド」「スコーピオンズ」などに在籍している。

生い立ちとキャリア[編集]

スウェーデン南部のイエテボリにて、ギリシャ人の父親とスウェーデン人の母親との間に生まれる。イアン・ペイスブライアン・ダウニーニール・パートスティーヴ・スミスらの影響を受け、バディ・リッチを尊敬する[2]1973年には、ゲイシャという、スウェーデンのローカルバンドでドラマーとしてのキャリアをスタートさせる。

キング・ダイアモンド(1985年 – 1989年)[編集]

キング・ダイアモンド - アビゲイル・ツアー(1987年)

1985年デンマークの首都コペンハーゲンに移住。同国の元マーシフル・フェイトの中心人物、キング・ダイアモンドが結成した冠名のバンド「キング・ダイアモンド」に参加。シングル「ノー・プレゼンツ・フォー・ザ・クリスマス」(1985)、アルバム『フェイタル・ポートレイト』(1986) でデビュー。

続く『アビゲイル』(1987)、『ゼム』(1988) の成功でブレイクするが、所詮ダイアモンドのバッキング・メンバーに過ぎない立ち位置に満足できず、4作目『コンスピラシー』(1989) の制作開始直前に脱退(結局『コンスピラシー』のレコーディングには一部の曲でセッション・ドラマーとして参加した)。

ドン・ドッケン(1990年)[編集]

1990年に、ドン・ドッケンのソロ・アルバム『アップ・フロム・ジ・アッシェズ』のレコーディングに参加。収録曲 "Stay""Mirror Mirror"PVMTVの「ヘッドバンガーズ・ボール」でヘヴィー・ローテーションとなる。バンドはジューダス・プリーストのオープニング・アクトや、自らがヘッドライナーを務めるツアーを敢行した。ディーは同時期にWWIIIでも活動。

モーターヘッド(1992年 - 2015年)[編集]

モーターヘッド - ポーランド公演 (2013年5月)

1992年レミーの要請を受け[3]、フィルシー・テイラーの後任としてモーターヘッドに加入。8月30日、サラトガ・スプリングズのサラトガ・パフォーミング・アーツ・センターで、モーターヘッドのメンバーとしての初ステージを踏んだ[4]。しかし、同年リリースされたアルバムマーチ・オア・ダイトミー・アルドリッジがドラムスを担当してレコーディングはほとんど済んでおり[5]、ディーの参加は「ヘルレイザー」と「ヘル・オン・アース」(本作には未収録、後に映画ヘルレイザー3のサウンドトラックに収録)の2曲のレコーディングに止まった(レコーディングされた曲の大半はアルドリッジのプレイであったが、アルバム・スリーブにはディーの写真が使われた[6]。)。

1993年、ディーが初めてフルに参加したアルバム『バスターズ』がリリース。

以降、モーターヘッドの屋台骨を支え続けた。レミー、フィル・キャンベルと組んだトリオは、バンドの歴史の中で最も長期間にわたって活動しており、ディー自身も歴代のドラマーの中で最も長くプレイしている。2015年12月、モーターヘッドの中心人物であるレミー・キルミスターが死去、その後ディーは公式にバンドの終了を宣言している[7]

スコーピオンズ(2016年 - )[編集]

スコーピオンズ - フランス・レンヌ公演 (2018年6月)

2016年5月、病気療養中のジェイムス・コタックに代わって「スコーピオンズ」の全米ツアーに参加。9月に正式メンバーとして加入する事が発表された[8]。10月にはスコーピオンズの一員として来日、LOUD PARK 2016のヘッドライナー出演も含め、3公演を行った。作品では、2017年リリースのベスト・アルバムから参加している[9]

その他のセッション参加[編集]

使用機材[編集]

  • SONORのドラムを使用している。シグネイチャーモデルのスネアドラムが発売されており、モーターヘッドのバンドロゴなどのアートワークが施されている。
  • シンバルパイステ、スティックはWincentのミッキー・ディーモデルを使用。

その他[編集]

ディーは熱狂的なアイスホッケー・ファンであり、かつては自身も選手であった[12]

ディスコグラフィ[編集]

キング・ダイアモンド[編集]

ドン・ドッケン[編集]

モーターヘッド[編集]

  • マーチ・オア・ダイ - March ör Die (1992) ※1曲のみ参加
  • バスターズ - Bastards (1993)
  • サクリファイス - Sacrifice (1995)
  • オーヴァーナイト・センセーション - Overnight Sensation (1996)
  • スネイク・バイト・ラヴ - Snake Bite Love (1998)
  • ウィ・アー・モーターヘッド - We Are Motörhead (2000)
  • ハマード - Hammered (2002)
  • インフェルノ - Inferno (2004)
  • キッス・オブ・デス - Kiss of Death (2006)
  • モータライザー - Motörizer (2008)
  • ザ・ワールド・イズ・ユアーズ - The Wörld is Yours (2010)
  • Aftershock (2013)
  • バッド・マジック - Bad Magic (2015)

ハロウィン[編集]

スコーピオンズ[編集]

  • 愛のために生きて〜バラード・ベスト - Born to Touch your Feelings: Best of Rock Ballads (2017)
  • ロック・ビリーヴァー - Rock Believer (2022)

脚注[編集]

  1. ^ Biography for Mikkey Dee”. IMDb. 2007年3月29日閲覧。 Also gives date of birth.
  2. ^ Mikkey Dee (Motörhead) Interview”. Metal Rules — Heart of Steel: Interviews. 2007年3月29日閲覧。
  3. ^ Lemmy (2002). White Line Fever Simon & Schuster p. 243. ISBN 0-684-85868-1.
  4. ^ Alan Burridge Illustrated Collector's Guide to Motorhead Published: 1995, Collector's Guide Publishing p.62. ISBN 0-9695736-2-6.
  5. ^ Popoff, Martin (2017年12月24日). “The Motörhead brotherhood”. Gooldmine. Project M Group. 2023年3月13日閲覧。
  6. ^ オジー・オズボーンの『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』のレコーディングでは、レコーディングはすべてリー・カースレイクのドラムによって行われたが、新加入のアルドリッジがレコーディングには参加していないにもかかわらずジャケットに登場した。アルドリッジは今回、その時の逆の立場に立つことになった。
  7. ^ “モーターヘッドのドラマー、レミー死去に伴いモーターヘッドの終了を宣言”. amass. (2015年12月30日). http://amass.jp/67165/ 2015年12月30日閲覧。 
  8. ^ “スコーピオンズ、ミッキー・ディーが正式加入”. barks. (2016年9月13日). https://www.barks.jp/news/?id=1000130755 2016年10月9日閲覧。 
  9. ^ スコーピオンズ、バラードのコンピレーション・アルバムをリリース”. BARKS (2017年9月14日). 2018年12月6日閲覧。
  10. ^ 新ドラマーとして加入予定だったマーク・クロスが健康面の問題で参加できなかったため。
  11. ^ “MOTÖRHEAD's MIKKEY DEE Jams With KING DIAMOND In Sweden”. Blabbermouth.net. (2006年4月21日). オリジナルの2007年10月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20071001005621/http://www.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=51287 2007年7月13日閲覧。 
  12. ^ “Interview with Mikkey Dee”. Slitz: 60. (September 2008). 

外部リンク[編集]

www.imotorhead.com/ モーターヘッド公式サイト