MYST

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ミスト』(MYST)は、アメリカのパソコン用ソフトメーカー「Cyan」が作ったパズルアドベンチャーゲーム。さまざまなプラットフォーム向けに移植されている。美麗な画面、独特の世界観と難解な謎解きが特徴。

概要[編集]

ミスト島を舞台としたアドベンチャーゲーム。プレイヤーは、本の中の世界「MYST島」に迷い込んだ旅人として、MYST島とそこに隠されたさらに4冊の本の中の世界を冒険し、この世界の謎を探索する。

操作はマウスカーソルとクリックのみで行う。視界の上下左右の端をクリックすれば視点が変わり、入れる場所をクリックするとその場所に移動し、仕掛けのある場所をクリックすると仕掛けが動くといったシンプルな操作。自力で全ての謎を解くには、紙のメモや相当の想像力や機転が求められる。

沿革[編集]

シリーズ第1作で、後に多くの続編が製作された。最初は1993年にMacintosh向けゲームとしてHyperCardで製作され、その後Windowsなどに移植された。プリレンダリングされた3D画像をスライドショー式に表示することで、当時のPCの性能で美しい三次元空間を演出することに成功していた。また止め絵を表示するだけでなく、ギミックのある箇所はQuickTimeによって動画を表示することで、リアルさを増していた。加えて、ゲームのコンセプトも斬新であり、日本も含め世界中で大ヒットを記録した。

日本ではMac版、Windows版の他、1994年家庭用ゲーム機セガサターン用ソフトとしてサン電子から発売される。また、1995年には3DO版、PlayStation版も発売された。2006年にはPlayStation Portable版が、2009年5月にはiPhone / iPod touch版(英語版)が、同年9月にその日本語版が発売された。

セガサターン版では、最初の「ミスト島・発電室」に入ると動作が停止し、画面いっぱいにプログラム文が表示されるという不具合があった。これは初期に出荷された機種のみに発生する。

ストーリー[編集]

主人公(Stranger =来訪者・見知らぬ人の意)は、表紙に"MYST"と本を見つける。その本の最初のページには1つの島の地図があり、その絵は動き出した。絵の視点は島を一周し、桟橋が見える絵で停止した。主人公がその絵に触れると、主人公はその絵の場所、本の中に入り込んでいた。ここが何処なのか、これから何をすればよいのか、全てが謎に包まれたまま、主人公は島の探索を始める。

オリジナルの説明書によると、本を読み、中から島の世界の詳述を見つけ、次に、手を最終ページに置くと、その世界に飛ぶとされている。しかし、ゲーム中の出来事は上記のように異なる。

主人公が島の図書館を探索すると、別々の場所に赤と青の2冊の本があった。本を開くと、ページの真っ黒な四角部分が映像を写し始め、何かを喋っている男の顔が現れた。2冊の本にはそれぞれ違う男が映し出され、シーラスアクナーと名乗った。彼らは、本の中から「赤のページ」と「青のページ」を主人公に要求する。彼らは本の中に囚われており、欠けた4枚のページを本に戻せば本から出られるのだという。 MYST島には、さらに別の『時代』へ入れる4冊の本が隠されており、主人公は失われたページを手に入れるため本を探し出し「セレーネ時代」「ストーンシップ時代」「メカニック時代」「チャネルウッド時代」を探索する。

この"MYST"という本は、アトラスという名の作家によって書かれたものだった。彼が父から習った方法で書かれた書物は、実際にその中に入って自分自身が体験できるという特別なものだった。アトラスはこの特別な力が強欲な者に利用されないように『罠』として「赤の本」と「青の本」を制作したが、欲にとらわれた彼の息子シーラスとアクナーがこの罠に掛かってしまった。2人の息子が罠に囚われる前に、アトラス自身も息子によって「緑の本」に幽閉されてしまった。

アトラスの息子に4枚目のページを渡さず、「白のページ」を持って緑の本に映るアトラスに触れると、主人公は本の中のアトラスの書斎に移動した。アトラスは「私は、息子達が想像もつかないような強大な敵と戦っている。その時が来たら、君にも協力して欲しい」と言い残し去っていく。アトラスから渡された「MYSTの本」に触れると、主人公は再びMYST島の図書館に立っていた。赤の本と青の本があった場所には、何かが燃えた跡だけが残されていた。

続編[編集]

『RIVEN THE SEQUEL TO MYST』[編集]

1998年に発売された続編。CD-ROM5枚組で、動画をふんだんに取り入れた。基本的な操作は変わっていないが、動画と人物を組み込んだ事でよりドラマティックな作品に仕上がっている。映像は前作を大きく上回り、移動範囲が広がって謎解きの複雑さも増した。日本ではSME・インターメディアおよびエニックス(現スクウェア・エニックス)から発売。

その上がりすぎた謎解きの難易度や前作の静寂なイメージから変化した一部の雰囲気など不評もあった。さらに謎を解くために島同士を何度もを行ったり来たりしなければならず、探検する島ごとに異なるCD-ROMが必要になるため、プレーヤーはその都度CDを入れ替える必要があった。その上、隣りの島へと移動するたびに大掛かりなイベントシーンが繰り返される。このシーンはスキップすることが可能だが、この情報量でCD1枚の大半を占めていると言っても過言ではない。

後にDVD-ROM版も発売され、DVD-ROM1枚でのプレイが可能となったが、日本語版は発売されていない。

『MYST III EXILE』[編集]

2001年に発売された3作目。前作に引き続き、WindowsおよびMacに対応している。360度のプリレンダされた画像をマウスの操作で見渡すことができる新システムの採用で、前作にも増して映像・演出が進化した。また、比較的低スペックなPCでも快適に動作するように設計されている。後にMicrosoft社のXboxPlayStation 2にも移植された。ゲームソフト初の5.1chサラウンドシステムの導入により、「Xboxユーザーはいままで体験した事のない音と映像の世界を手にした」と評された。

なお、本作品の製作はPresto Studios(en:Presto Studios)である。また、『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』で蛇の舌グリマ役を演じたブラッド・ドゥーリフが出演している。

『MYST IV REVELATION』[編集]

シリーズ4作目。PC向けには既に日本でも発売されているが、日本の家庭用ゲーム機向けにはまだ発売されていない。

『Myst V: End of Ages』[編集]

シリーズ5作目にして完結編。日本では2005年9月に発売された。従来のプリレンダリングCG表示に代わり、1人称視点のリアルタイムレンダリングとなった。移動場所の固定された従来のMYST的な操作の他に、移動場所を固定せず自由に歩き回ることの出来るモードも備えている。

『realMYST』[編集]

2001年12月、パソコン用ソフトとして発売された。ストーリーは1作目とまったく同じだが、新しく「ライム時代」が追加されている。周囲の物体はリアルタイムレンダリングによる3DCGになっており、1人称視点で世界を自由に歩き回れるようになっている。

『MYST Uru: Ages Beyond Myst』[編集]

シリーズ中で語られているドニ文明を本格的に旅するMYSTシリーズの外伝に位置する作品。『realMYST』同様リアルタイムレンダリングが採用され、自由に歩き回れるようになっている。2003年発売。

当初はMMORPGとして企画・製作され、シナリオが追加されていく予定だったが、最終的にはシングルプレイ用として発売された。MMOを想定していたため、他のシリーズと違い3人称視点となっている。1人称視点でもプレイ可。

拡張パック「To D'ni」「The Path of the Shell」が発表され、シリーズ作品中最大のボリュームとなった。日本では2005年2月に「Ages Beyond Myst」「To D'ni」「The Path of the Shell」の三本が収められた『MYST: Uru Complete Chronicles』が発売された。物語の時間的には『Myst V: End of Ages』より少し前の話と推測される。

その後、2007年にはネットワーク対応版として『Uru Live』がリリースされたものの採算が取れず、2008年にはサービス停止となる。

2010年2月『Myst Online: Uru Live again』が公開される。こちらはクライアントを無料でダウンロードでき、課金もされない完全無料のネットワークゲームとなった。

その他[編集]

「MYST」に出演する3人の男は全員、開発チームのメンバーである。

外部リンク[編集]