ミエリッキ

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ミエリッキ[1] (Mielikki) は、フィンランド神話に登場する森と狩りの女神である。種々の物語の中でタピオの妻もしくは義理の娘として語られる。また、熊の創造における中心的な役割を演じたと言われる。

フィンランドの伝説に基づく叙事詩『カレワラ』では、英雄レンミンカイネン英語版は彼女とタピオに金銀を差し出して祈り、その結果ヒーシの大鹿フィンランド語版を捕らえることができた[2]。別のくだりでは、ミエリッキは森で牛の牧草を守るように頼まれる。フィンランドでは伝統的に食糧供給の中心としての森は重要視されてきた(狩猟・交易を行う集会・牛の牧草)。それだけに、彼女を味方に付ける事は非常に重要と考えられてきた(そうすれば狩りもうまくいくし、肉食動物も牛に近寄らない)。

その他[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 「ミエリッキ」の表記はリョンロット & 小泉訳 (1976b) p. 463(固有名詞語解 ミエリッキ)などにみられる。
  2. ^ リョンロット & 小泉訳 (1976a) pp. 184 ff.(第14章25行目以降); p. 480(各章の内容と解説 第14章)
  3. ^ フォーゴトン・レルムの神 - dndwh0 Wiki*” (2023年11月8日). 2024年1月9日閲覧。; Mielikki - Forgotten Realms Wiki - Fandom” (2023年12月15日). 2024年1月9日閲覧。
  4. ^ (2715) Mielikki = 1929 VM = 1933 SN = 1938 US = 1951 PM = 1951 RN1 = 1955 MF = 1956 TT = 1978 NZ2 = 1982 KL”. MPC. 2021年9月30日閲覧。

参考文献[編集]

  • リョンロット 編、小泉保 訳『フィンランド叙事詩 カレワラ (上)』岩波書店岩波文庫〉、1976年8月16日。全国書誌番号:75028306 
  • リョンロット 編、小泉保 訳『フィンランド叙事詩 カレワラ (下)』岩波書店岩波文庫〉、1976年10月18日。全国書誌番号:75028307