マンダ教

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マンダ教あるいはマンダヤ教は、グノーシス主義のひとつとされる宗教である。

概要[編集]

マンダ教徒の使うマンダ語英語版セム系言語で、「マンダ(manda)」とはその言語で「知識、認識」を意味する。日常的にはアラビア語を用いているが、宗教文書は全てマンダ語で書かれている。最大の教典は『ギンザー(財宝)』と呼ばれるが『ヨハネの書』、典礼集『コラスター』というのも存在する。文書に描かれる象徴画は独特の印象を抱かせるものである。

イラクの南部に信者が現存し、またアメリカ合衆国オーストラリアにもコミュニティが存在する。信者数は正確な統計がないが、総計5万から7万人と推定される。現地での信者はイスラム教徒に比べ少数で、報告された数では1977年に15,000人(K・ルドルフ)、1986年に5000人(C・コルベ)、1991年に2000人(上岡弘二)といわれ、厳しい状況下に置かれている。

イエス・キリストの先達である洗礼者ヨハネを指導者と仰ぐことから、イエスが洗礼を受けたヨルダン川との繋がりが指摘され、キリスト教の起源に近接したものとして注目されるようになった。

教義[編集]

は光の世界に起源を持つが、肉体は闇に属している。典型的なグノーシス的二元論で、天界の水は地上では「活ける水」すなわち流水として流れている。流水による洗礼や信仰儀礼の遵守を生きているうちから行うことによって死後光の世界に帰りやすくなる。その意味で洗礼はキリスト教のように一回限りのものではなく、何度も行うものである。

アブラハムモーセイエスムハンマドを偽の預言者とみなし、洗礼者ヨハネを指導者と仰ぐ。

参考文献[編集]

青木健『古代オリエントの宗教』講談社、2012年。ISBN-13: 978-4062881593

関連項目[編集]