マンガ物理学
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マンガ物理学 (マンガぶつりがく、Cartoon physics) とは、アニメーションでは通常の物理法則が、ユーモラスな方向で無視されるという事実を、冗談めかして指す言葉である。
例えば、カートゥーンアニメのキャラクターが走って崖の端を越えてしまっても、しばらくそのキャラクターに重力が作用しない、など。
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[編集] 概要
マンガ物理学という語は、ほとんどの有名なアメリカのアニメーション、特にワーナー・ブラザーズやメトロ・ゴールドウィン・メイヤーのカートゥーンアニメで、アニメーションに普遍的に適用される「法則」が、無意識のうちに生まれたことをも指す。
進化論的心理学の支持者は、このマンガ物理学のユーモラスな効果は、物理学と心理学に適用された、異なる心理モジュール間の相互作用によって生まれたのだと示唆している。物理学的モジュールは、カートゥーンアニメのキャラクターは崖からただちに落ちるだろうと予測する一方で、心理学的モジュールは、重力の作用を擬人化し、登場人物が自分を欺いている間は、重力も欺かれるのだと見る。
アニメーションの登場人物は、面白い限りは自然の法則を曲げたり破ったりしてもよいのだということを説明するため、ロジャー・ラビットやボンカーズ・D・ボブキャットのようなカートゥーンアニメのキャラクターは、そのテーマに応じた自分自身のバリエーションを持っている。
[編集] 歴史
アニメーションが現実世界と異なる風に振舞うという発想はアニメーションそのものと同じくらい古い。例えば、ウォルト・ディズニーは、「もっともらしい不可能 (plausible impossible)」について言及している(プローザブルと韻を踏むようにわざとインプローザブルと発音している)。
特にマンガ物理学に言及された最も古い文献は、1980年6月、"Esquire magazine" に掲載された記事『オドネルのマンガ運動の法則』に遡る。1994年にIEEEが技術者向けのジャーナルの中で印刷した版が、この語が技術系の人々に広まるのを助けた。彼らはこのアイデアを拡張し、洗練した。何十ものウェブサイトが、これらの法則を紹介している。
[編集] 例
- 全ての物体は金床よりも速く落下する。逆をいえば、金床の落下速度は他のあらゆる物体より遅い(anvilologyの根本原理:キャラクターと金床が同時に落下を始めても、キャラクターが先に地面に激突し、金床は後から落ちてきてキャラクターに当たる)。
- ネコには何が起こっても、常に元の形に戻る。
- キャラクターの目の前で大量の爆発物(時に大袈裟なキノコ雲を伴って)が爆発しても、キャラクターの顔は煤けて黒くなるだけで済む。
- それ以上の変化があったところでせいぜい一時的にアフロヘアーになる程度で、爆発のエネルギーなど物理法則の影響はまるで受けない。
- 重いものに押しつぶされると紙みたいに薄くペラペラになるが、直ぐに元に戻る。
- キャラクターが高いところから落下したとしても、次のどれかの展開になれば確実に無傷で済ませることができる。
- 近くの建物などに武器などを突き刺して停止する。
- 川や池などの水があるところに飛び込む。
- ヒーローなどにキャッチしてもらう(なお、この場合にはキャラクターが落下したときに同じ階にいたほかのキャラクターは1階まで走っていって、落ちたキャラクターが地面にぶつかる前に受け止めることができる)。
- キャラクターが高い建物から落下したときに、同じ階にいたほかのキャラクターが地面にぶつかる前に受け止めようとした場合、たとえ受け止めるようとする人物のボケなどによって受け止める事に失敗して地面にぶつかったとしても、痛がるだけで済むことがある。
- もしくは、地面に人間の形をした穴を空けて、そこから痛そうに這い出してくるだけで済まされる場合もある。
- マンガ衝突物理学は、現実世界のものと完全に異なっている。例えば、十分な恐怖によって逃げているキャラクターが途中でぶつかった壁や木、または落下したキャラクターがぶつかった地面には、キャラクターの正確な輪郭の形に穴が開く。又、怪力の持ち主を金属の棒で殴っても相手は無傷で、金属の棒の方が相手の形に正確に、しかも殴った回数分変形する。
- 怪我をしたキャラクターは、その場に救急箱があるかどうかに関わらず、すぐに絆創膏や包帯をした姿になって現れる。またその怪我は次のシーン(画面の切り替わり)で直ぐに治る事が多い。
- キャラクターに殴り合いにより青い痣ができた時は、それはどちらか片方の目の周囲に丸くできることが多い。
- 充分な量の髪が生えているキャラクターの頭上に瘤が出来ても、その瘤には髪の毛が生えていない。また、帽子を被ったキャラクターが頭に瘤を作ると、その瘤は帽子を突き破って出て来る。
- キャラクターが点火した爆発物は決して爆発しない。しかし、点火したキャラクターが戻ってくると必ず爆発する。しかも、その時の爆発は想定を超える規模となる事も珍しくない。
- キャラクターが雪の積もった斜面で転倒すると、キャラクターは斜面を転がり落ち始め、徐々に大きな雪玉となっていく。
- バニシングクリームやインク消し、不可視インクを体に塗ると透明になる。
- この状態で飲食しても元に戻らないが、特定の飲み物を飲むと元に戻る。
- ジャンピングビーンを食べると自分の意思と無関係に体が飛び上がる。
- レールの脇にあるテコ(ポイント操作用と同様)を動かすと複線の線路が単線になる、しかし、その後列車は線路上ではなく線路と直角にやってくる。
- 果物を売ってる屋台に人がぶつかると果物が跳ね上がった後、屋台の上に果物が積み上がり、その上に、「FRUIT SALAD(フルーツ サラダ)」と書いてある札が刺さる。
- 「HELIUM」と書いてあるエアポンプ(ボンベではない)が登場する。
- 電話機に着信があるとベルが鳴ると同時に受話器が跳ね上がる。その後、着地してもなぜか電話が切れない。
- 地中に埋まっている電話線を切断して切断面に向かって話しかけることが出来る。ピザを注文するとピザが配達される。
- キャラクター同士の間にどれほどの距離があろうとも相手が見えていれば、普通の声量で会話ができる。
[編集] アニメ物理学(マンガ物理学の派生)
日本のアニメ、特に若者向けまたはコメディーもののアニメは、やはり面白くまたはドラマチックな効果を与える風に物理法則を捻じ曲げたり無視したりする、一連の法則を生み出してきた。多くはアメリカのテレビ漫画で使われるものと似ているが、一部は異なっている。以下はその一例である。
[編集] 時間・次元・空間
- ドラマチックなシーンは時間が捻じ曲がる。時間の流れが遅くなる(攻撃しているキャラクターの名前を叫んだり、傍観者が状況についてコメントを述べたりするのに十分なくらい)、もしくは3回繰り返す。
- 時限爆弾などのカウントダウンは「残り1秒のところ」で止まる(ジェームズ・ボンドものの場合は「あと7秒」)。
- 人体は、通常よりも多くの血液を内包している。しばしば血液は高い圧力になっている。このため、何らかの理由で顔面を強打した場合や、男子が性的に興奮した場合はおびただしい量の鼻血を勢いよく吹き出すことがある(動脈が切断された場合は、実際に噴き出すように出血する)。
- 映画『キル・ビル』では、日本刀で人体を切り落とした場合はおびただしい量の血液が吹き出す。
- キャラクターは超次元的な入れ物を持っており、通常は武器や道具を隠すのに使っている。多くの女性の場合、その武器や道具はたいてい巨大な木槌である。このため、この亜空間はハンマースペースとして知られている。
- 交戦中にかすり傷を負った場合、それは主に頬に負う。さらに、血が流れ出るまで本人はかすり傷を負ったことを気付かない。
- 男性でありながら美しい外見を保つ事に全力注ぐナルシストは、いくら物理的・精神的に汚れても、精神力を注入した次の瞬間、まばゆい閃光に包まれると共に、汚れた部分が即消滅する。
- 壊れた建物がすぐ直るこの件に関しては、主に以下の様な類型が考えられる。
- 猛スピードで走ろうとする際、走っている動作をしているにもかかわらずその場から一定時間(約1秒)動かない。
- 巨乳な女性が服を着たとき、服が胸の形に沿って張り付き、胸の形がはっきり分かる。
- 漫画のコマの枠は実際の窓枠のように振る舞う事があり、登場キャラクターが時々手でコマ枠に掴まる等の動作を行う。特にマンガの神様と称される手塚治虫は、「マンガのコマ枠と言うものは、登場人物に当たったら砕けるものである」という前提に基づいて作画作業を行なっていた。
- キャラクターの感情によって、そのキャラクターの周囲の空間が暗くなったり明るくなったりする
- ギャグ漫画では、溺れると大量に水を飲み、腹が大きく膨れる。加えて、水中毒には陥らない。
- 幼年向け漫画では、頭の上部に耳や角があるキャラクターが、帽子をかぶると、帽子に孔がなくても、耳や角が帽子を突き抜けて出る。同様に、尻尾があるキャラクターが、ズボンやパンツなどの下半身を覆う着衣を着けると、尻尾がそれらの着衣を突き抜けて出る。
- 成人向け漫画などでは、陰茎を持つ者が射精をした時の精液の量は、現実の人間のものよりはるかに多い。
[編集] 力学
- ある人物がある人を殴った時に起こるケース
- ありえないほどの数(または大きさ)の瘤が出来る。
- 瞬時に転倒し、画面から足のみが出る。この場合、すぐに起き上がったりなぜかケガをしていない場合が多い。
- 殴られたのにもかかわらず、ケガを負っていない。
- 殴られた部位が陥没することもある。
- 同じ場所を複数回殴られると、殴られた回数分の瘤が段上に出来る。
- 喧嘩や乱闘が始まると、一瞬のうちに当事者を土煙が包み込み(しばしばそこから顔や手足をのぞかせる)、それらが終わるとすぐに消え去る。
- 強い人が弱い人を殴ると、弱い人だけが吹っ飛ぶ(↓の法則に関連)。
- ものにぶつかったり、ぶつけられたりすると力学的な法則は無視され大抵吹っ飛ぶ。
- その対象となったキャラクターは無傷、又は軽症な場合が多い。
- 怒った女の子は、男(たいてい彼女と恋愛関係にある)を殴って低軌道まで叩き出すことができる。
- 叩き出された男は昼夜に関係なく強い閃光を発する。また、たいていの場合その男はいつの間にか無傷で地球上に戻ってきている。
- 優れた運動能力を持つキャラクターは誰でも、空中に3メートル以上ジャンプできる。
- 空中に高くジャンプしたキャラクターを見上げた時は、日時に関係なく太陽がキャラクターの背後に存在することが多い。
- 攻撃を受けて衣服が破れても、腰の辺りだけは破れない(地球を破壊できるほどの強力な攻撃であっても)。
- 逆に、ある種の爆発は、女性キャラクターの体をほとんど傷つけることなく、着衣だけを破壊することができる。また、一部のケースでは、彼女はしばらくはそれに気がつかない。
- 類型例: 『タイムボカンシリーズ』の三悪が操るメカの爆発や、『魔法先生ネギま!』の通称「脱げビーム」など。
- 逆に、ある種の爆発は、女性キャラクターの体をほとんど傷つけることなく、着衣だけを破壊することができる。また、一部のケースでは、彼女はしばらくはそれに気がつかない。
- キャラクターが巨大化して着衣が破れても、何故か腰付近の着衣は大きさに合わせて伸びる。着衣が全て破れて全裸になるパターンもある。
- 劇場版『伝説巨神イデオン』では、など美しい顔はどんな衝撃でもほぼ傷つかないが、客観的に美しいと認識できる容姿の男性は顔面に傷が一つつくと激怒する。またこれは並み程度の容姿のキャラ全てに当てはまるが絶命するほどの手榴弾などの爆発でも顔面は血まみれになるくらいで、著しく破壊される事はない。ごく稀に顔はそのままで首がもげる事はあるが極稀の例外である。
- 物や人物に対しての重力、慣性、空気抵抗が無視されるケース。
- 空中、または水面を走ることが出来るケース
- 強敵と戦闘している、あるいは強敵に翻弄されている時、その強敵は端から見て瞬間移動しているのかと思うほど速く移動できることが多い。
- キャラクターが細長い物(くないなど)を武器として投げる場合、投げ方などに関係なく空中で回転したりせずにまっすぐ飛ぶ。
- 鉄やコンクリートが砕けるほど強い衝撃を相手に与える攻撃でも、攻撃する側は殆ど衝撃を受けないことが多い。ただし、強力だがまだ使い慣れていないような技を乱発した場合は、戦いの後で急に技の反動による負担がかかることがある。
- 山で熊に遭遇した人は当たり前のように熊よりも速く走ったり、熊でも上れないような木に登ったりすることが出来る。しかし、その割にはなかなか熊の追跡から逃れることが出来ない。
- キャラクターが怒ると、髪が逆立ったり、服の各部が上方向に向かって引っ張られる。
- 一瞬で周囲に氷を発生させる事がある。少々強めの冷房を作動させるだけならまだしも、キャラクターの一人が全然面白くなかったり場違いなギャグを発すると、周囲の気体が凝固するだけでなく、室内や真夏日であってもごく一部の限定空間が地吹雪となる。
- 悪役キャラクターが主人公のキャラなどに木を切り倒してぶつけることによって危害を加えようとするときに、その対象のキャラクターがいる方向から切りなおかつ悪役は反対側に避難しているにもかかわらず、悪役キャラの方向に木が倒れてしまう。ほとんどの場合、なぜそちらの方向に倒れたのかは描写されない。
- シャンパンの瓶は栓を抜くと、小型ロケット以上の威力でキャラクターに命中する。
- 高いところからトランポリンに落ちると、全く同じ高さまで再度跳ね上がる。
[編集] 認知
- レーザー光線はどの角度から見てもはっきりと見える。また、レーザー攻撃は被攻撃者が網膜で認識してから、実際にダメージを与えるまでの間に短い時間差をもつ。
- さらに、放物線を描いて曲がる光線もある。
- 熟練したパイロットが操縦する人型ロボットは、自機に向けて発射された光線兵器(レーザーとは限らない)を回避する事が出来る。
- また、この実際の物理学との相違に関して積極的に取り組んだ作品も存在する。
- ミサイルの排出する煙はいかなる環境下にあっても拡散する速さが遅く、遠くから見ると糸を引いたように見える。納豆の引く糸のように細長い白い糸である事から「納豆ミサイル」、またはそのような描写を得意としたアニメーターに因んで「板野サーカス」と呼ばれる。アニメ『超時空要塞マクロス』で有名になり、以降多くのスペースオペラ物アニメにおいて見られるようになった。近年では2004年の『ULTRAMAN』『ウルトラマンネクサス』以降のウルトラシリーズなどの特撮にも多く見られる。
- 登場人物や乗り物が猛スピードで走っているとき、路面の状態にかかわらずおびただしい量の砂煙が舞い上がっていたり、足の動きが速すぎてもはや輪郭が見えなくなったりしている。
- 双眼鏡で覗いた情景は、2つの円が横に繋がった形である。1つの円に見えるように調整しなくては立体感が得られず単眼鏡に対する双眼鏡の利点が享受できない。
- 追いかけられている登場人物が逃げる途中で角を曲がると追いかける登場人物はまっすぐつき進んでしまう。多方向に進める道では登場人物が逃げた方向に捜しにいかない。
- 自分が知っている人の目の前に髪型を変えたり、いつも身につけていない装飾品を身につけて変装して声を機械を使わずに変えて現われても相手にはばれない。
- 怪談話などで生存者が一人もいない場合でも、その事件の様子が事細かに主人公たちに伝わってくる。だが、最近はその矛盾を真っ先に話したキャラクターに指定されるケースが多い。逆にその矛盾自体が怪談の恐怖演出のオチに絡んでいる場合もある。
[編集] 音
- 宇宙空間でも音が伝わる。
- 実際は、宇宙空間は真空であるため、音を伝達する媒質が存在しないにも関わらず、宇宙空間で発生する音(爆発音、衝撃音など)は互いに伝達され、視聴者にも伝達される。
- また、この実際の物理学との相違に関して積極的に取り組んだ作品も多い。
- 『AKIRA』
- 宇宙空間で鉄雄がソルを破壊するシーンで、効果音が鳴らない。
- 『スターシップ・オペレーターズ』
- 戦闘場面では実際同様に音が聞こえないが、その映像にテレビ局が演出のため爆発音などの効果音を追加していることが説明されている。
- 『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』
- 宇宙空間での擬音に対し、これらの音は宇宙空間に響いたわけではないという旨の注釈がついている。
- 『アキハバラ電脳組』の映画版作品
- この相違を揶揄するかのごとく、宇宙での戦闘場面で冒頭シーンにおいては無音で、同シーン再現場面の爆発音がすべて花火の破裂音に置き換えられている。またその場面のテロップでは効果音は演出であることが記されている。
- 『プラネテス』
- マンガ物理学があまり見られない稀有な例として、よく知られている。例えば、宇宙空間でロケットを噴射するシーンで効果音が使われない事が多いが、それでも迫力が伝わってくる映像的工夫は、特筆に値する。
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
- 「まったく外の音が聞こえないとパイロットが不安に陥るため、コンピューターによって作られた人工の爆発音などがコクピット内に流される」という設定がなされている。
- 『AKIRA』
- キャラクターが大声で叫んだ声が、(例えば)花火の爆発音ほどの大きさとなり響く。
- 自動車は乗客がなんら不快を覚えない普通の運転状況でも発進・旋回・停止のたびに激しくタイヤをきしませる。未舗装路や雨天でも舗装路でタイヤをきしませたかのような音を立てる。
[編集] ハンマースペース
ハンマースペース (Hammerspace) とは、一瞬でアクセスできる超次元的な入れ物である。このコンセプトは、(特に日本の)アニメーション、マンガ及びゲームのキャラクターが、なぜ空中(たいていは背中やその他の隠れた空間)から物体を生み出すことができるのかを説明するために、冗談めかして使われる。
ハンマースペースの名前は、ユーモラスなアニメやマンガでのお約束場面に由来している。男性キャラクターXが、女性キャラクターYの感情を害したり怒らせたりしたとする。するとYは何も無い空間から木槌を取り出して(サイズは大型からまったくばかげたほど巨大まで様々)、Xをそれで殴る。ハンマーで殴ることは純粋にコミックリリーフであって、それによってプロットを進めたり恒久的なダメージを与えたりすることはない。この用語は『らんま1/2』のファンによって知られるようになった。代表例として、『シティーハンター』など。
同様の現象は木槌のみならず竹刀、日本刀、ハリセン等でも起こることがあり、これら三者の場合は前述の「低軌道までXを叩き出す」為の道具として用いられている事が多い。
ハンマースペースは西洋のアニメーションにも同様のものがある。例えばワーナー・ブラザーズのカートゥーンキャラクターは、しばしば背中からあらゆる種類のもの(銃、変装道具、傘など)を取り出している。
ハンマースペースは、ある種のコンピューターゲームの異様な現象を説明するのにも有用である。ロールプレイングゲームでも、ハンマースペースならばこうした疑問にも説明がつくのである(身長の半分もの大きさの剣を持っているキャラクターは、戦闘に入るまでは剣を持っていないように見えるのはなぜか?や、FPSでプレイヤーのキャラクターがあらゆる種類の大量の武器を持てて、その上外見上手持ちの武器以外持っているように見えない等)。
ハンマースペースの性質は、尖っていない物体であればかなり膨大な数入れられるらしいということ以外は、あまり解明されていない。ハンマースペースの中の物理法則はかなり異様だということは解っている。それは、例えば、多くのファイナルファンタジーシリーズのヒーローが99個のポーションと99個のハイポーションを何の問題も無く持ち歩けるのに、ハイポーションを1個も持っていないとしても198個のポーションを持ち歩く空間はないというような風に、観測されている。
ハンマースペースから物を取り出すために、あらかじめその物を入れておく必要があるのかどうか、それともハンマースペース中のどこかにそれが存在しているということだけを知っていればよくて、必要なときに手の届く場所まで呼べばいいのか、それも確かなことはわかっていない。
類似のものとして、銃を使ったアクションシーンを持つ作品に見られる「装弾数が異常に多いマガジン」がある。ドラマ『コンバット!』を例にとると、通常、トンプソンM1928短機関銃の箱型マガジンの装弾数は20ないし30発、すなわち最大でもマガジン交換なしで発射できる弾数は31発まで(薬室に1発入るため)だが、サンダース軍曹は時折マガジン交換をせずに32発以上の射撃を行うことがある、という具合である。日本では、装弾数5発のニューナンブM60で20発以上をフルオート射撃のごとく乱射する『天才バカボン』のお巡りさんのケースが有名であろう。
RPGでは、ハンマースペースはときどき魔法のかばんと呼ばれている。魔法が存在する世界観であれば、持ち物を縮小化するなど、いくらでも理屈は付けられるだろう。
これは戦隊シリーズのロボットが必殺技の発動時に異次元空間から剣を出現させたり、平成シリーズの仮面ライダーが武器を繰り出すのと同じ理論である。
なお、ハンマースペースより取り出されたハンマーの破壊力はしばしばそのハンマーの質量で表される。質量の単位は「トン」であり、ハンマーの表面に必要以上に大きく表示されている。
[編集] ストーム・トルーパー効果
ストーム・トルーパー効果 (Stormtrooper effect) とは、フィクション作品中において、あまり重要でないやられ役(雑魚キャラ)はプロット上重要なキャラクター(主人公)との戦闘では役に立たないという、お約束の現象のひとつである。
非現実的であるにもかかわらず、ストーム・トルーパー効果は、アクション映画、カンフー映画、コミック、アニメ、漫画で共通に見られる。しばしば、批評家やファン層に笑いの種を提供しているが、一般的には笑わせるための誇張表現と受け止められている。
ストーム・トルーパー効果の主な役割は、ヒーローのすることが何であれ、より英雄的に見せることである。また、プロットの上で、ある特定のキャラクターを他の力のあるキャラクターよりも優勢であることを際立たせるために使われることもある。
命中精度、誘導方式、最終ガイダンス、防御手段、発射弾数と費用対効果比などということを言い始めると、画面に華がなくなるため、これは許容範囲内として甘受している(むしろ歓迎している)向きが多い。また、銃撃についても、ベトナム戦争での統計では、北ベトナム兵を1名殺害するのに平均4万発の弾丸を使い、カラシニコフ小銃を乱射された場合に身体の一部でもかすめる確率は30万発に1発という説があるので、問題ないと思われる。ただし撃たれる時はあっけなく撃たれたりすることもあるので、演出は練るべきであろう。『ルパン三世 カリオストロの城』で、クラリス救出の際にルパンが撃たれるシーンなどは白眉である。
[編集] 実例と相関式
- 重要でないキャラクターは、どれだけ訓練を積んでいて技量があろうとも、重要なキャラクターに射撃を命中させることができない。
- ときどき、著しく狙いがお粗末になる。その良い例が、スター・ウォーズのストーム・トルーパーであり、彼らは訓練されていると考えられる(実際に『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』にはストーム・トルーパーの前身であるクローン・トルーパーが訓練を受けているシーンがある)にも関わらず、狙って撃ったとしても目標にはなかなか当たらず、特に重要なキャラクターに対して命中することはあまりない。
- 一般的に引用される相関式は、悪玉の人数が多いほど、また悪玉側の火力が高いほど、主人公に命中させる確率が下がることを示している。スター・ウォーズ命中率方程式:ストーム・トルーパー効果を表す単純でコミカルな方程式は、以下の通り。
![P_{hit}=\left( \frac{1}{n+ \left[ x+1 \right]^3 + \left[J+1 \right]^{10}} \right)](http://upload.wikimedia.org/math/5/b/c/5bccde7500d9b0bdf424ea6681f8830a.png)
- ただし、nは悪玉の人数、xは善玉の人数、Jはジェダイの人数(居合わせた場合のみ)である。この方程式によると、悪玉が目標に命中させる確率は、悪玉の人数と、(善玉の人数+1)の3乗と、(ジェダイの人数+1)の10乗の和の逆数に等しい。これから、善玉の人数が悪玉の命中率を下げる効果があり、また、ジェダイが一人でもいるとまさしく死刑宣告に等しいということが推論できる。
- 重要でないキャラクターは、非現実的なまでに死にやすい。
- ここでも良い例はストーム・トルーパーである。彼らはアーマーを着用しているように見えるのに、胴体や、時には腕に一発受けただけで倒れて死んでしまったり、とても戦うことが出来ないほどの重傷を負ったりしてしまうらしい。時として、悪玉の死は、射出物の衝撃によると思われる大げさに誇張された動きでよりエキサイティングに表現される。この良い例はアニメ『ノワール』である。主人公が悪玉を9mm拳銃で撃つと、撃たれた悪玉は1-2メートル後ろへ吹き飛んで即死するのである。
- 重要なキャラクターが実際に被弾したとしても、通常は軽傷で、重大な能力低下になることがない。
- どんな場合でも、重要なキャラクターは一発の銃弾で死ぬことはないか、少なくとも即死することがない。映画『ラスト・アクション・ヒーロー』はこれをよく表している。アーノルド・シュワルツェネッガー演じる主人公は、“現実世界”で撃たれるとゆっくりと死んでいくのであるが、映画の世界に戻るとその負傷は「ただのかすり傷」になっていて主人公は瞬時に回復するのである。またヒロインがビキニアーマーを装着していた場合、肌が露出していても(設定上は神秘的な力で防御されていても)被弾する事は無く、それ以前に物理攻撃が肌に当たる事は絶対ない。ただしアダルト作品などに代表されるサービスカットにおいては、逆にビキニアーマーだけを破壊する器用な攻撃手段が存在する。
- 通常、重要なキャラクターは物語にドラマとアクションを添えるような技巧的で恐ろしい死を迎える。例えば、たくさんの銃弾を食らうのは十分にエキサイティングとは言えないので、重要なキャラクターは、しばしば乗り物に乗ったまま崖やビルから転落し、そして大爆発する。数限りないアクション映画が、中心となる悪役の死にこの方程式を用いている。
- この第三の法則は第一、第二法則と直接は関係していないが、通常は重要でないキャラクターと重要なキャラクターの耐久力と生存力における強烈な対照を示すために用いられる。
[編集] 忍者反比例の法則(敵の人数の反比例の法則)
忍者反比例の法則(The Inverse Ninja Law、またはアニメニンジャ効果)と呼ばれるものは、これと同様にアニメ、漫画、時代劇、カンフー映画、ロールプレイングゲームなどで発生する現象である。これは、「忍者の集団の人数は、その集団の構成員の技量や能力と反比例する」というものである。敵である忍者(あるいは特殊部隊隊員等)が一人の場合は主人公に対する深刻な脅威となりうるが、忍者が多数出てくる場合は数が多ければ多いほど脅威の度合いが薄れ、より簡単なやられ役になる。
スーパー戦隊シリーズなどの特撮番組、あるいはガンダムシリーズや『鎧伝サムライトルーパー』などのアニメでは顕著にこうした現象が見られる。主人公の最初の戦いでは、敵の歩兵や戦闘員の、たった一人やごく少人数相手に必殺技を使わねばならないまでに追い込まれる。しかし戦い(番組)が進むにつれ、主人公は大人数の戦闘員や雑魚メカを簡単に葬るようになるのである。
[編集] 試作機と量産型
ガンダムシリーズなどでは「試作機より、その量産型の方が弱い」という現象が見られる。たとえば、ガンダムは試作機であり、ジムはガンダムから得られたデータを基にした量産機であるが、一般兵の乗る量産型より、試作機であるガンダムのほうがより多くの攻撃に耐える、という具合である。
[編集] 関連項目
- 四次元ポケット:よく知られた異次元の収納場所。
- シティーハンター:100トンハンマーでよく知られる。
- サザエさん方式:長期シリーズ化された作品において発生する時間の無限ループ現象。
- 物語の類型
- マトリックスシリーズなどの一部のアクション映画:上記の現象一部を使用または、応用をしたシーンが多い
- 柳田理科雄
- 良い警官・悪い警官

