マルドゥック・ヴェロシティ
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| マルドゥック・ヴェロシティ | |
|---|---|
| ジャンル | SF |
| 小説 | |
| 著者 | 冲方丁 |
| イラスト | 寺田克也 |
| 出版社 | 早川書房 |
| 掲載誌 | S-Fマガジン |
| レーベル | ハヤカワ文庫JA |
| 巻数 | 既刊3巻 |
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『マルドゥック・ヴェロシティ』は、ハヤカワ文庫JAから刊行されている冲方丁のSF小説。イラストは寺田克也。
目次 |
[編集] 概要
第24回日本SF大賞を受賞した『マルドゥック・スクランブル』の続編にして前日談。同作における主人公の宿敵ディムズデイル・ボイルドが大いなる虚無へと至る軌跡を描く。
[編集] ストーリー
「おお、炸裂よ(エクスプロード)! 塵と灰に! 炸裂よ! 炸裂よ! 塵と灰に!」
覚醒剤中毒による友軍への爆撃という罪を犯した優秀な軍人、ディムズデイル・ボイルド。マスコミからの隠蔽のため軍研究所に収容された彼は、そこで開発されたばかりの万能ネズミ型兵器ウフコックと出会う。失われたキャリアを取り戻すべく、麻薬中毒を克服し、重力を自在に操る力を得るとともに自己を回復してゆくボイルド。だが戦争は終結し、技術を危険視された軍研究所とその成果は廃棄が決定。全てを葬り去るべく、実行部隊が研究所に迫る。
[編集] 登場人物
[編集] チームO9
- ディムズデイル・ボイルド
- “徘徊者(ワンダー)/錆びた銃(ラスティ・ポンプ)”/擬似重力(フロート)=意図的な重力発生。
- かつては空軍のヘリのパイロットとして戦争に参加していたが、薬物中毒の影響から誤って自軍を空爆。
- 退職後、“楽園”にて治療を受け、ウフコックとパートナーになる。
- ウフコック・ペンティーノ
- 万能道具存在(ユニバーサル・アイテム)/ターンオーバー(反転変身)=記憶した物質にひっくり返って変化。「ウフコック-煮え切らない卵」
- ネズミを元に、人工衛星四基分の予算をかけて奇跡的に成功した万能兵器。
- ラナ・ヴィンセント
- ジョーイと同じ軍隊に所属していたが、戦闘中に両腕を損失。
- 施設での治療によって新たな両腕を獲得。生体電流を駆使することで、電撃を発し、物体を弾丸のように操ることができる。
- ジョーイ・クラム
- “拳骨魔(フィスト・ファッカー)”/鋼鉄の拳。
- 元歩兵ボクシングチャンピオン。命の恩人であるハザウェイとは盟友同士。
- 度重なる手術により、鋼の筋繊維と万力並みの筋力を獲得。
- ハザウェイ・レコード
- “再来者(レヴナント)”/即時再生による半不死。
- 元衛生兵であり、ジョーイを救出する際に毒ガスを浴びるが、これがきっかけでジョーイとは友人以上の仲である。
- 全身に癌化した胎児の胚を移植しており、致命的なダメージを受けても数分で回復するが、これは同時に大量のカロリーを消費するため、老化が促進される。
- レイニー・サンドマン
- “砂男(サンドマン)”/無数の粒子状に変化する皮膚・筋肉組織=身体的特徴の完全変化。
- 元斥候兵であり、味方を助けるために火だるまになって敵を襲撃。
- 火傷で壊死した皮膚に代わり、粒子状に変化しあらゆる変装を可能にする人工皮膚(能力)を獲得。
- ワイズ・キナード
- “悪党(ワイズマン)”/集極音波。
- 元通信兵。ありとあらゆる音を聞き分け、さらにどんな音や声も自由自在に発声できる。
- クルツ・エーヴィス
- “盲目の覗き魔(ブラインド・ピーピング・トム)”/口腔等からの空中への線虫(ワーム)散布による視界確保及び針金虫(ワイヤーワーム)による戦闘力。
- 元狙撃兵。両目を真横から撃ち抜かれ盲目となったが、線虫の能力により多次元的な視界を獲得した。
- オセロット
- 不可視の猟犬/ステルス。
- ウフコックと同じく施設にて「人格」を得た動物(犬)。全身を特殊な金属繊維で覆っており、完全に姿を消すことが可能。
- ウィリアム・ウィスパー
- 電子世界における優秀な情報収集能力。“ハイテク世界のシャーマン”
- 元ヘリコプターのパイロットであったが事故で脳を損傷。
- 施設の手術により、脳に埋め込まれたハードと頭皮を覆う金属繊維で直接コンピューターを操作する能力を獲得。
- ドクター・イースター
- 助手/雑用。
- クリストファー・ロビンプラント・オクトーバー
- “渦巻き(ホイール)”/茶番好きの道化。
- オードリー・ミッドホワイト
- ラナのパートナー/嘘発見器。
- 施設にて自殺。
[編集] 施設関係者
- サラノイ・ウェンディ
- ”猿の女王(クイーン・オブ・エイプ)”/上昇志向。シザース。
- エッジス&ブレイディ
- シザース。
- スクリュウ
- 猿/シザースの精神のゆらぎを司る。
- チャールズ・ルートヴィヒ
- ”厚顔無恥(フェイスマン)”/研究至上主義。
- トゥイードルディー&トゥイードルディム
- 少年とイルカ。
[編集] ネイルズ・ファミリー
- ロック・ネイルズ
- ファミリーのボス。異常性癖。
- ニコラス・ネイルズ
- ロック・ネイルズの息子。ゲイ。愛用の拳銃には”MOW(=My Only Way)””WOM(=Way Only Me)”
- ナタリア・ネイルズ
- ニコラス・ネイルズの妹。毒婦(ヴァンプ)。
- リズ・ブラウネル
[編集] カトル・カール
- 拷問集団。拷問・暗殺・誘拐・脅迫を四分の一(カトル・カール)づつこなすフリーの傭兵。
[編集] 文体
「/」や「=」、「-」などを多用した独特の文体で書かれている。ジェイムズ・エルロイ風と言われることが多いが、エルロイはハリウッド・ノクターン以降の作品では記号でセンテンスを短く切る以外に頭韻を積極的に使用しており、正確には『ホワイト・ジャズ』風とも言うべき文体である。