マルク・マリー・ド・ロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

マルク・マリー・ド・ロ(Marc Marie de Rotz, 1840年 - 1914年)は、旧長崎県西彼杵郡外海町(現・長崎市)において、キリスト教カトリック)の布教活動や貧困に苦しむ人達のための社会福祉活動に尽力したパリ外国宣教会所属のフランス人司祭神父)である。

彼が行った社会福祉事業に関連する遺跡(ド・ロ神父遺跡、旧出津救助院)や、設計・指導を行った出津教会大野教会旧羅典神学校旧大司教館、布教活動の拠点の1つであった黒崎教会は、ユネスコ世界遺産(文化遺産)暫定一覧表へ登録された「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」に加えられている。

目次

[編集] 略歴

現在の黒崎教会

貴族の家に生まれたド・ロ神父は、施設建設や事業のために私財を惜しみなく投じ、フランスで身につけた農業・印刷・医療・土木・建築・工業・養蚕業などの広範な分野に渡る技術を外海の人々に教え、ド・ロさまと呼ばれ親しまれた。

地域の貧困者や海難事故で未亡人となった女性を進んで雇い、西洋式の機織や日本初のマカロニ製造工場でもあるそうめん工場を造り、人々の宗教的指導者であるとともに地域の経済的発展にも貢献した。また、農業用地を買い取り、フランスから持ち込んだ農耕用具で自ら開墾を行ったほか、当時日本では珍しかったドリルや滑車なども彼が持ち込み、20世紀初頭の西洋と長崎の文化的掛け橋となるとともに、あらゆる分野でその功績を残している。

ド・ロ神父が設計・建築に携わった数々の教会堂は、ゴシック様式を踏襲しながらも、扉を引き戸にして大工の技術を生かしたり、木造建築ならではの柱と梁の配置としたりするなど、日本の伝統文化を重んじた建築様式が特徴である。当時の厳しい環境下において実現したこれらには一見の価値がある。

[編集] 関連施設

[編集] 脚注

  1. ^ このとき建てた長崎公教神学校の校舎は、1972年旧羅典神学校として国の重要文化財に指定された。また、長崎公教神学校は、現在は移転して長崎カトリック神学院となっている。

[編集] 参考文献

  • 三沢博昭『大いなる遺産 長崎の教会』(智書房、2000年) ISBN 4434002651
  • 『長崎遊学2 長崎・天草の教会と巡礼地完全ガイド』(長崎文献社、2005年) ISBN 4888510911
  • 片岡弥吉『ある明治の福祉像 ド・ロ神父の生涯』(NHKブックス276 日本放送出版協会 1977年)

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス