マラク・ターウース

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マラク・ターウース

マラク・ターウース(Melek Taus)とは、イラククルド人の少数派であるヤズィーディー教徒が崇拝する孔雀天使。正確にはマラク・ターウース・ツァール・パウリン。一神教であるヤズィーディー教の七大天使の一人であり、神ではないがそれ以上に重要な信仰対象となっている[1]アダムにひれ伏すことを拒んだとされ、クルアーンに記されたシャイターン(悪魔)に似ていることから、イスラム教徒からは悪魔とみなされることが多かった。

マラク・ターウースとは「孔雀の王」の意味で、メレクタウスとも呼ばれる。また、ヘブライ語ではマラクは天使の意味とも。最初に生まれた原初の天使。マラク・ターウースは一万年地上を支配するとされ、今から6000年前より支配していたとされる。反逆の罪で一度地獄に落とされた。神に許された孔雀天使マラク・ターウースは、神とともにアダムを作ったが、アダムが楽園を享受し何もしないため神からアダムを唆すことを許され、アダムに禁断の麦を食べさせた。

ヤズィード派[編集]

ヤズィード派(ヤズィーディー教)は、シャイフ・アディ・ビン・ムサーフィル英語版[2]1073年 - 1163年)がペルシア訪問中に啓示を受けて、12世紀頃成立したとされる。教典は「ジャルワとルーシュの書」。教義として青を避け、レタスやカリフラワーを食べることを禁じる。イラクのムスリムから邪教として迫害されており、ときに彼らの虐殺がニュースになることもある。

教祖アディの旅行中、マラク・ターウースがアディの姿をとって信者の前に現れたため、本物のアディが戻ったとき信者から殺害されたという話がある。

創作[編集]

ロバート・E・ハワードの怪奇小説『墓はいらない』では「マリク・タウス」の名で登場し、呪われたアラマウト山に棲む、孔雀の形をした魔王と描写されている。

脚注[編集]

  1. ^ アジアプレスネットワーク 「【連載・写真特集】イラクのヤズディ教徒たち 」第1回〜第3回(2014年10月17日閲覧)
  2. ^ レバノン、バールベック生まれ。

関連項目[編集]