マニラ・ライトレール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ラインカラー刷新前のマニラ・ライトレールの路線図
バクララン方面へ向かうライトレール
MRT-2線のJ.Ruiz駅

マニラ・ライトレール(Manila Light Rail Transit System, Manila LRT)はフィリピン首都マニラで運営されているライトレールシステム。ただしより大量高速輸送システム形態であるラピッド・トランジットに分類する考えもある。Light Rail Transit Authority (LRTA)によって運営されている。グリーンライン(旧イエローライン)と呼ばれるLRT-1線とブルーライン(旧パープルライン)と呼ばれるMRT-2線の2本によって構成されている。また、新イエローライン(旧ブルーライン)と呼ばれるMRT-3線(Metro Manila Rail Transit System)はマニラ・メトロレールとして、民間出資の特別目的会社であるMetro Rail Transit Corporation (MRTC)によって建設され、フィリピン運輸省によって運営されている。主として高架鉄道となっている。

概要[編集]

LRT-1線は、主に南北方向の交通を担っており、全長は約20km、20の駅を持つ。当初18駅であったが、近年2駅が新たに建設され、さらにMRT-3線とループ状に繋ぐ駅を建設中である。ただし、両線のシステムの違いにより、このままでは相互の乗り入れは困難であると言われている。

MRT-2線は、主に東西方向の交通を担っており、延長は13.8km、11の駅を持つ。LRT-1線とMRT-2線は、LRT-1線Doroteo Jose駅とMRT-2線Recto駅において接しており、そこで乗換えが可能である。

また、エドゥサ通り沿いに走っているMRT-3線は、LRT-1線エドゥサ駅 (EDSA)とMRT-3線タフト・アベニュー駅、及びMRT-2線クバオ駅とMRT-3線アラネタ・センター-クバオ駅において乗り換えが可能である。

歴史[編集]

マニラ市内における軌道交通の検討は20世紀初頭から検討されてきた。アメリカ植民地時代の1905年にはマニラ電鉄電灯会社(Manila Electric Railroad And Light Company、現在のフィリピンの電力会社メラルコ Meralco の前身)がマニラ市内に路面電車を走らせていたが[1]、第二次世界大戦で運行を停止し、マニラの戦いで施設は大打撃を受けた。路面電車は以後再建されず、マニラの市内交通はジプニーが担うようになった。1960年代には市内交通の混雑が問題となり、再度公共交通機関の導入が検討されるようになった。1960年代後半にはモノレール建設計画があり[1]、同時に1970年代初頭には日本の海外技術協力事業団(JICAの前身)により通勤鉄道や高速道路の導入提案がなされた。1970年代後半には世界銀行によりLRTの研究が行われ[1]、現在のマニラ・ライトレールの構想が示された。

その後、ライトレールの建設が具体化する。1980年、大統領令603により、運輸省の下、LRTA(Light Rail Transit Authority)が設立された。1981年には、ベルギー政府の借款によりLRT-1線の建設が開始され、1984年に運行が開始された。LRT-1線の乗客数は、年々増加し、運行の拡大が求められるようになった。また、線路や車両の老朽化も進んだ。1994年、日本政府は、政府開発援助(ODA)の実施機関である国際協力機構(JICA)(当時のOECF)によって、LRT-1線増強事業を実施し、LRT-1線の整備・増強を支援することを決定した[2][3]。2000年には、フェーズ2としてLRT-1線増強事業Ⅱを継続しており、これにより、近畿車両・日本車両の車両を導入。また、ベルギー製の既存車両にもエアコンを取り付けるなどして、修復整備した。

また、1996年より、日本政府はJICAを通し、メトロマニラ大都市圏交通混雑緩和事業を実施し[4]、MRT-2線の建設を支援。この建設のために日本が支援した総額は、750億円(低金利借款)に上る。丸紅等との協力で、韓国製現代ロテム社の車両が調達された。車両自体は韓国製であるが、その電機システムは東芝であり、線路や駅も日本規格となっている。2003年に全区間の運行を開始。現在、さらに東に延伸する計画がある。

なお、1999年に運行が開始されたMRT-3線についても、住友商事等の日系企業が保守作業を支援しており、日本政府や日系企業の貢献が見られる。

計画[編集]

改札方式[編集]

2014年1月31日にフィリピン運輸省は非接触式ICカードの導入を発表している[5]。LRT-1線およびMRT-2線とMRT-3線で共通で利用できる予定。

延伸[編集]

LRT-1線[編集]

LRT-1線バクララン駅から南に11.4kmの区間に10駅を設ける南側延伸計画(LRT-6線)があり、2012年3月に国家経済開発局に承認されている[6][7][8]

MRT-2線[編集]

MRT-2線サントラン駅から東に4.0kmの区間に2駅を設ける東側延伸計画があり、2012年9月に国家経済開発局に承認されている[9]

また、MRT-2線レクト駅から西に8.0kmの区間に3駅を設ける西側延伸計画がある。

新規路線[編集]

MRT-7線[編集]

LRT-1線およびMRT-3線が共用する予定のノース・アベニュー駅を起点とし、主にコモンウェルス通りに沿って北東に23kmの区間に14駅を設ける計画がある。ケソンカローカン、およびブラカン州サンホセ・デルモンテを通る。

2012年5月に丸紅を中心とする企業連合が落札し、2013年着工、2016年開通予定である[10]

MRT-8線[編集]

フィリピン国鉄サンタ・メサ駅を起点とし、主にショウ・ブルバードとオルティガス通りに沿って東に16.8kmの区間に13駅を設ける計画がある[11]マニラマンダルーヨンパサイ、およびリサール州カインタ、リサール州タイタイ、リサール州アンゴノを通る。

経営統合[編集]

その他、MRT-3線の運営権をMRTCからLRTAに移譲し、経営統合する計画がある。[12]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]