マッチポンプ

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マッチポンプとは、偽善的な自作自演の手法・行為を意味する和製外来語である。マッチ(match)は元は英語ポンプ(pomp)は元はオランダ語である(英語ではpump)。

概要[編集]

マッチで自ら火事を起こして煽り、それを自らポンプで消す」などと喩えられるように、問題や騒動について、自身でわざわざ作り出しておきながら、あるいは自身の行為がその根源であるにもかかわらず、そ知らぬ顔で巧妙に立ち回り、その解決・収拾の立役者役も自ら担って賞賛や利益を得ようとする、その様な行為を指して用いられる表現である。

日本の国会会議録にマッチポンプを用いた発言が残っている。1961(昭和36)年4月11日の衆議院本会議において、松井誠衆議院議員は「銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律案」への質問の中で以下のように発言している。

世に、いわゆるマッチ・ポンプ方式といわれるものがあります。右手のマッチで、公共料金を上げて、もって物価値上げに火をつけながら、左手のポンプでは、物価値上げを抑制するがごとき矛盾したゼスチュアを示すのをいうのでございましょう。

松井誠、「第38回国会 衆議院本会議 1961(昭和36)年4月11日」[1]

1966年黒い霧事件第1弾の田中彰治代議士事件で初めて使われ、元々は金品を巻き上げるという意味で使われた。1974年刊の「現代流行語辞典[2]」では「デスク日記3[3]1966年8月5日の項にマッチポンプの記述があると紹介している。

脚注[編集]

  1. ^ 国会会議録検索システム:第一回国会以降の会議録をマッチ・ポンプにて検索した一番過去の事例(帝国議会会議録は未確認)。
  2. ^ 奥山益朗(編)(1974年)現代流行語辞典、東京堂出版
  3. ^ 小和田次郎(1967年)デスク日記第3:マスコミと歴史、みすず書房

関連項目[編集]

創作作品上における自作自演の例[編集]

  • 嘘をつく子供イソップ寓話の一つ)
  • ともだち - コミックス・映画『20世紀少年』に登場する最大の悪役の敬称。自らに傾倒する秘密結社カルト集団を用い、数々の自作自演の陰謀・謀略を駆使し、やがて日本・世界の頂点に立つ。
  • 日向光 - コミックス『ジャパッシュ』の主人公。カルト集団「ジャパッシュ」を率い、数々の自作自演の陰謀・謀略を駆使して、やがて日本の独裁者に君臨。世界を戦乱に導く。
  • 地球外生命体ビジター - ドラマ『V (1983年のテレビドラマ)』『V (2009年のテレビドラマ)』にて、地球に来訪する異星人集団。陰謀・謀略に長け、強大な軍事力・科学力を持ちながらも自作自演テロを敵対レジスタンス勢力の仕業に見せる巧みな世論誘導で地球人類全体を翻弄、(食料としての)地球人支配・管理を企む。
  • 明智小五郎 = 初代怪人二十面相 - 映画『K-20 怪人二十面相・伝』のみでの設定。第二次世界大戦参戦回避に成功している並行世界の日本において、世間より時代の寵児的存在として崇められながらも、華族階級による格差社会や血縁主義を密かに憎み、謀略で怪人20面相の正体という汚名を着させた主人公(のちに二代目怪人20面相を襲名)に打倒されるまで、自らが犯す犯行を自らが解決するという事を繰り返していた。