マダラタルミ

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マダラタルミ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: フエダイ科 Lutjanidae
亜科 : フエダイ亜科 Lutjaninae
: マダラタルミ属 Macolor
Bleeker,1860
: マダラタルミ M. niger
学名
Macolor niger
(Forsskål, 1775)
和名
マダラタルミ(斑たるみ)
英名
Black and white snapper

マダラタルミ(斑たるみ、学名 Macolor niger) は、スズキ目・フエダイ科に分類される魚の一種。インド太平洋熱帯域のサンゴ礁に生息する肉食魚で、幼魚の体色がに色分けされる。分布域に入る沖縄ではイナフクとも呼ばれる。

マダラタルミ属 Macolor は、本種とホホスジタルミ M. macularis の2種だけで構成される。

特徴[編集]

成魚は全長50cmほど。頭部の輪郭は円く、他のフエダイ科魚類のような吻は発達しない。目と口が大きく、口は頭部の下面にあって「への字口」になる。

幼魚は太い黒の過眼線があり、黒い背中には白の斑点、体側に白の縦帯が走り、体が白黒に色分けされる。成魚ではこの色分けがなくなり、体色は一様に黒灰色になる。

マダラタルミの幼魚

和名の「マダラ」は幼魚期の体色に由来し、「タルミ」は浅海性フエダイ類の別名である。英名"Black and white snapper"も「黒と白のフエダイ」で、やはり幼魚期の体色に由来する。また学名の属名"Macolor"も、「斑」を意味するラテン語"Macula"に由来する。

アフリカ東岸・南日本・オーストラリアまで、インド太平洋の熱帯海域に広く分布する。日本では南西諸島以南に分布している。

浅い海の岩礁・サンゴ礁域に生息する。幼魚は単独生活をするが、成魚は大きな群れを作ることが多い。食性は肉食性で、小魚や甲殻類など小動物を捕食する。

同属種[編集]

ホホスジタルミ(頬筋たるみ) Macolor macularis Fowler,1931
マダラタルミによく似ていて混同されることもあるが、幼魚は各鰭が長く伸びる。また成魚では和名通り頬に黄色の縦線が多数走り、目の虹彩も黄色になる。南西諸島からオーストラリアまでの西太平洋熱帯域に分布する。

参考文献[編集]