マグダラで眠れ

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マグダラで眠れ
ジャンル ファンタジー
小説
著者 支倉凍砂
イラスト 鍋島テツヒロ
出版社 アスキー・メディアワークス
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2012年7月 -
巻数 既刊5巻
漫画:マグダラで眠れ
原作・原案など 支倉凍砂
鍋島テツヒロ(キャラクター原案)
作画 有坂あこ
出版社 角川書店
掲載誌 ヤングエース
発表号 2013年6月号 -
発表期間 2013年5月2日 -
巻数 既刊2巻
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト ライトノベル

マグダラで眠れ』(マグダラでねむれ)は、支倉凍砂によるライトノベルイラスト鍋島テツヒロが担当している。スピンオフとして『少女は書架の海で眠る』がある。

概要[編集]

処女作『狼と香辛料』でデビューした支倉凍砂の新シリーズライトノベル。前作と同様に中世ヨーロッパ風の世界観で、世間から忌み嫌われる錬金術師の主人公と、敬虔な修道女の交流を描く。月刊漫画雑誌『ヤングエース』(角川書店)2013年6月号より有坂あこの作画によるコミカライズの連載を開始した。スピンオフ『少女は書架の海で眠る』は月刊漫画雑誌『月刊コミック電撃大王』(アスキー・メディアワークス)で2014年8月号から松風水蓮による作画のコミックとして連載を開始した。

ストーリー[編集]

最も巨大な権威を持つ「教会」、教会に劣らぬ権勢を誇り財力と軍事力の塊である「クラジウス騎士団」、商人と職人たちによる組合「商工会」の3つの勢力が互いに対立し、秩序を保っている世界。聖人の骨を火にくべようとした咎で教会に捕えられ投獄された錬金術師のクースラは、その才能を騎士団に買われ、昔なじみであるウェランドとともに前線近くの町、グルベッティに派遣される。前線ゆえに優れた設備を誇るグルベッティの工房で、クースラは「監視役」と名乗る修道女ウル・フェネシスと出会う。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

クースラ
主人公。別名「眠らない錬金術師」。赤髪の若い錬金術師。クースラという名は錬金術師となる際に師匠から与えられた名で、『利子』という意味。
錬金術師としては比較的常識的な青年。皮肉や笑えない冗談を繰り出すことも多いが、その実面倒見がよくフェネシスに錬金術師の説明をしたり作業を手伝わせたりする。以前フリーチェという恋人がいたが教皇派の密偵であったために殺されてしまい、その際の顛末により心に暗い影を抱えている。
彼の「マグダラ」は幻の金属オリハルコン」の錬成。
ウル・フェネシス
騎士団の聖歌隊に所属する緑眼白髪の少女。クースラ、ウェランドの監視役として派遣される。
年端もいかない子供だが理知的かつ真面目な性格で、高級な本も読める程度の学力を持つ。だが、歳相応に未熟だったり意地っ張りな面が見え隠れする。敬虔な信者で、錬金術師に対して偏見を抱いていたが、徐々に態度を軟化させていく。
年齢のせいか酒に極端に弱く、猫のようである。
ウェランド
見習い時代にクースラと同僚だった錬金術師。金髪で無精髭を生やした男。修道院長を毒殺した咎で、クースラと共にグルベッティに派遣される。
やや間延びした喋り方が特徴。精悍な体つきをしており人心掌握もうまいので女性から人気がある。クースラとは互いの食事に毒を盛りあった仲。根っからの錬金術師だがその本質はクースラより人間らしいとされる。
イリーネ・ブルナー
グルベッティ鍛冶屋組合頭領代理である、赤髪の娘。頭領だった夫のロバートが亡くなってから、彼に代わり組合の頭領代理を務めている。
さばさばした裏表のない性格の幼妻の未亡人。体のいいお飾りとして分不相応な頭領代理役を押しつけられ、やさぐれている。
騎士団に取り入るため職人の技術を書類として残しており、それをクースラに提供する。第2巻では、ダマスカス鋼を巡る騒動に巻き込まれる。第3巻にて、グルベッティを出てクースラ達の旅に同行する。

各巻登場人物[編集]

第1巻[編集]

トーマス・ブランケット
グルベッティの町の工房の錬金術師。クースラとウェランドの前任者。高純度の鉄の製法を編み出すなど優れた人物だったが、謎の死を遂げる。
アラン・ポースト
クラジウス騎士団の輜重隊隊長。太った体型の男で、グルベッティの町の実質的な支配者。

第2巻[編集]

エル・オトリス
失脚したポーストに代わって、騎士団からグルベッティへ派遣されてきた輜重隊隊長。
クローク・イングス
グルベッティの町の鍛冶屋組合の親方。クースラにダマスカス鋼の話を持ちかける。
アンダー・ウォールセン
グルベッティの町に住む鉄器商。
セナール・ソペイテス
グルベッティの町に住む老人。

第3巻[編集]

グラン・アイルゼン
クラジウス騎士団の伝令官。
クラトール大公
南の地の大貴族。
フラウ・フォン・ハイデンベルグ
グルベッティの町の貴族令嬢。
カルドス
流浪の民の頭目。

第5巻[編集]

コレド・アブレア
教会の異端審問官。

用語[編集]

教会
教皇を頂点とする宗教機構。この世界では最も巨大な権力を持つが、後述の騎士団とは対立している。信徒を増やす一方、異端狩りなども行っている。22年前から東方失地回復運動を主導して、侵略戦争を展開している。
クラジウス騎士団
通称、騎士団。巨大な金と軍事力の塊と喩えられる。教会に勝らぬとも劣らない権勢を誇るが、神の代理人たる教皇を頂いていないため教会と対立している。その性質上、錬金術師に理解があり、お抱えの錬金術師も多い。錬金術師にとっても自らの身を守り資金、設備の提供をしてくれるありがたい組織だが、たまたま利害が一致しているだけであり相互利用している関係となっている。
前身はクラジウス兄弟団という、戦士巡礼者のための病院のような施設だった。だが、それらの者たちが遺していった遺産で裕福になったことで軍事力を持つようになり、現在では積極的な利益追求のための組織となっている。
商工会
職人たちの組合。三つ巴の一角だが、その力は教会や騎士団にはおよばない。
錬金術師
現代で言うところの科学者ないし研究者に相当する人間のこと。貴族、聖職者、商人、職人のいずれにも属さず、研究実験により冶金技術や採掘技術の向上に貢献する。自らの好奇心や知的欲求を満たすためには手段を選ばず、常識から逸脱した実験を繰り返すため、世間からは魔女や悪魔憑きの同類のような扱いを受ける。また、実験中の事故やその技術を狙われ、命を落とす者も少なくない。
人々からは嫌悪の対象となり狂人まがいの変人も多いが、実験に必要な技術を学ぶため職人とは交流を持つ。また、資金面の問題から騎士団の庇護を受ける者も多く、印象とは裏腹に世渡り上手でなければならない。
各々の錬金術師が目指す夢、その「先」の世界を総称して「マグダラ」と呼ぶ。
異教
教会や騎士団などの正教徒と約束の地を巡り20年近くに渡り対立・戦いを続けている国家・集団。中でもラトリア国は「最後の異教徒が治める国」と言われている。

既刊一覧[編集]

巻数 / タイトル 初版発行日付
(発売日)
ISBN
1 マグダラで眠れ 2012年7月10日 ISBN 978-4-04-886728-3
2 マグダラで眠れ 2012年10月10日 ISBN 978-4-04-886985-0
3 マグダラで眠れ 2013年4月10日 ISBN 978-4-04-891579-3
4 マグダラで眠れ 2013年9月10日 ISBN 978-4-04-891944-9
5 マグダラで眠れ 2014年2月10日 ISBN 978-4-04-866309-0

コミカライズ[編集]

月刊ヤングエースKADOKAWA 角川書店)2013年6月号より連載中。作画は有坂あこ。既刊2巻。単行本のレーベルはカドカワコミックス・エースである。

  1. 2013年9月4日発売[1]ISBN 978-4-04-120829-8
  2. 2014年2月1日発売[2]ISBN 978-4-04-120982-0

コラボレーション[編集]

カプコンのオンラインシミュレーションRPG『百年戦記 ユーロ・ヒストリア』と電撃文庫がコラボレーションキャンペーンを行い、その第3弾として2014年5月8日から5月22日にかけてイベントクエスト“緑眼白髪の修道女”が開催され、ウル・フェネシスが作中に登場し、イベントクエストをクリアすると固有スキル“仲間を大事に”や“騎士たちへの聖歌”などを持つ英雄“白い修道女 フェネシス(晩成型)”の他、限定支援兵“電撃兵”が入手できる。

脚注[編集]

  1. ^ マグダラで眠れ (1)” (日本語). Amazon.co.jp. 2014年8月29日閲覧。
  2. ^ マグダラで眠れ (2)” (日本語). Amazon.co.jp. 2014年8月29日閲覧。

外部リンク[編集]