マイケル・ストーンブレーカー
マイケル・ストーンブレーカー(Michael Stonebraker, 1943年10月11日[1] - )はデータベースの研究開発で知られた計算機科学者。彼はリレーショナルデータベース業界に多大な影響を与えた。Ingres、Illustra、Cohera、StreamBase といったシステム構築に携わり、かつてはInformixのCTO(Chief Technical Officer)も務めた。また、Readings in Database Systems の著者としても知られている。
1965年、プリンストン大学で学士号を取得し、ミシガン大学で修士号(1967年)と博士号(1971年)を取得した。フォン・ノイマンメダル、SIGMOD エドガー・F・コッド発明賞を受賞している。現在はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の準教授である。
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[編集] Ingres
1973年、ストーンブレーカーと同僚の Eugene Wong はIBMが発表した一連の論文を読み、リレーショナルデータベースシステム (RDBMS) の研究を開始した。1970年代中盤、彼らは学生プログラマを使って Ingres と呼ばれる実用可能なシステムを完成させた。Ingres はDECのマシンのUNIX上で動作するものだったため、メインフレームで動作する IBM の System R に比較するとローエンドであると見なされた。
しかし1980年代初め、それらローエンド機の性能と機能は IBM のメインフレームに迫るようになり、Ingres も立派な商用アプリケーションと見られるようになったのである。Ingres はBSD Licenseの派生のようなライセンス条件で低料金で提供され、すぐさま複数の企業がこれをベースとした Ingres 派生製品を作るようになった。
ストーンブレーカー自身も1982年にバークレーを離れ、Ingres Corporation を設立。同社は後に コンピュータ・アソシエイツ (CA) に買収されたが、2005年に独立企業として再設立された。1994年に買収された際にストーンブレーカーはバークレーに戻った。
[編集] Postgres
バークレーに戻ったストーンブレーカーは、関係モデル (リレーショナルモデル) の限界に着目した Ingres の後継システム(post-ingres)開発を開始し、そのプロジェクトを Postgres と名づけた。Postgres では、データベースが中身のデータを「理解」する様々な機能が備わっており、プログラムしやすさが格段に向上している。Postgres も BSD 風ライセンスで配布され、そのコードは今日のフリーソフトウェア PostgreSQL の基盤となった。
1992年、ストーンブレーカーは新たに開発した Illustra のコードを商業化するため、バークレーを再び離れた。当初、その製品は市場には受け入れられなかったが、1995年にリリースしたバージョンで導入した DataBlades と呼ばれるプラグイン機能が好評を博した。そのため Informix 社が Illustra を即座に買収し、彼らの主要製品にそれを組み込んだのである。
[編集] Cohera
バークレーに戻ったストーンブレーカーは、広域分散データベースを研究する Mariposa プロジェクトを開始した。これを商業化するため、1990年代後半、ストーンブレーカーは Cohera Software 社を設立した。Cohera は企業に分散するデータベースを統合するためのミドルウェアであり、複数のデータベースのデータを統合し、仮想的にあたかも一つのデータベースに見せるための機能を有していた。 この機能は、B2BサイトやEマーケットプレイスなどに受け入れられ、Cohera E-Catalog Systemとして、分散したカタログ統合などに導入される場合が多かった。 しかしEマーケットプレイスのコンセプトも大きくは伸びず、連合データベース市場は1999年から2000年のころにはあまり大きくないと予想されたため、Cohera は統合エンジンに業種固有の機能を提供する方向に転換した。Cohera は最終的に2001年8月にピープルソフトに買収された。
[編集] StreamBase
1990年代末ごろ、ストーンブレーカーはマサチューセッツ工科大学 (MIT) に移り、Auroraと呼ばれるプロジェクトを開始した[1]。Aurora はストリーミングのためのデータ管理システムであり、SQL から派生した StreamSQL を使用する。ストーンブレーカーは、これを商用化する目的で StreamBase Systems社を設立した[2]。
[編集] C-Store と Vertica
ストーンブレーカーが関与するもう1つのプロジェクトがカラム指向DBMS C-Storeである。その技術はVertica Systemsが商業化している。同社の創設にはストーンブレーカーも関わり、CTO を務めている。
[編集] 脚注
- ^ “Contributors”. TRANSACTIONS ON SYSTEMS, MAN, AND CYBERNETICS,. IEEE (1972年9月). 2011年1月5日閲覧。