マイクロ水力発電
マイクロ水力発電(マイクロすいりょくはつでん、Low head hydro power)は、小規模な水力発電である。小水力発電(しょうすいりょくはつでん)ともいう。中小河川、用水路、さらにはトイレの洗浄水等、様々な水流を利用して発電を行う。現在日本は、大型のダム開発適地はほとんど残っていないため、今後の水力発電の開発手段として期待されている。
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[編集] 概要
マイクロ水力発電の明確な定義は存在しないが、制度上は200kW未満の発電設備で各種手続きが簡素化されるため、この規模のものを総称してマイクロ水力発電とすることがある[3]。
マイクロ水力発電の利点は、ダムや大規模な水源を必要とせず、小さな水源で比較的簡単な工事で発電できることにある。このため、山間地、中小河川、農業用水路、上下水道施設、ビル施設、家庭などにおける発電も可能であり、マイクロ水力発電の未開発地は無限にある。
マイクロ水力発電は技術上の問題はほとんど解決されているものの、法的整備がほとんど手つかずとなっていた。そのため、超小型のものを除いて電気保安規制、水資源利用規制、主任技術者の選任義務等が大型発電所と同等で規制が大きな負担となっていた。しかし2010年3月31日総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会電力安全小委員会小型発電設備規制検討ワーキンググループがとりまとめた報告[4]により、200kW未満の発電設備に関して、保安規定・主任技術者・工事計画届出が一部または全部不要となっている。
[編集] エネルギーの回収手段として
マイクロ水力発電は、水源のある場所であれば設置が可能であるため、エネルギーの回収にも利用できる。
具体的には、工場、高層ビル、病院等には、空調、用水、排水のために配管類が巡らされており、水(冷温水)が高い位置から低い位置(地下)までの高低差において循環している。その落下時の水流によって羽根車を回転させ発電を行うことで、電力としてエネルギーを回収することが出来る。現在、日本では1設備あたり9kWの能力のある発電設備が実用化されている [5] 。
[編集] 設置場所
マイクロ水力発電の大きな特徴は設置場所にある。装置が比較的小さいため、ある程度の水量さえあれば設置が可能である。
上記以外にも、様々な場所に設置が可能であり、洗面やトイレの洗浄水で発電する製品も実用化されている[6]。ここから分かるように、ある程度の水量のある場所ならば基本的に利用可能である。
[編集] 構造
[編集] 水車のタイプ
水車のタイプは主に高低差で決定する。水車・発電用水車が詳しい。
[編集] 特徴
[編集] 利点
- ある程度の水量があれば、基本的にどこにでも設置が可能。
- ポテンシャルが大きい。中小規模の水力発電を合わせれば、未開発の出力は1212万kW(2004年)とされる。
- 太陽光発電、風力発電と比較して、天候等による発電量の変動が少ない。
- 大型水力発電より、生態系を脅かす心配が少ない。
[編集] 欠点
- 発電規模によっては、大型水力発電と同種の法的手続きが必要なため設置には大きな労力を必要とする。
- 河川などには落ち葉やゴミ等が流れてくるので、その撤去等のメンテナンスが必要となる。
- 異常気象等、降雨量が少ない場合に安定した電力が得られないこともある。
- 設置時の工賃や機材のイニシャルコスト、メンテナンスにかかるランニングコストを考えると、採算性が低い。
[編集] 脚注
- ^ 町川発電所(長野県)
- ^ 波田水車(長野県)
- ^ これ以外に、マイクロ水力発電導入の手引き書として名高い『マイクロ水力発電導入ガイドブック』(NEDO・刊)による分類で100kW以下をマイクロ水力発電と称する場合もある。
- ^ 「小型発電設備の規制の見直しについて」 (PDF)
- ^ エネルギー回収システム(日立製作所)
- ^ 水力発電技術(自動水栓・大便器自動洗浄システム)
[編集] 参考文献
- 竹尾敬三、「小型水力発電製作 ガイドブック」、パワー社、1997年7月15日初版
- 千矢博道、「これからやりたい人の小型水力発電入門」、パワー社、1992年9月10日初版
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- マイクロ水力発電倶楽部
- 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会電力安全小委員会小型発電設備規制検討ワーキンググループ(第2回)-配付資料
- 小水力発電データベース全国小水力利用推進協議会
- 農業用水を利用した小水力発電全国土地改良事業団体連合会
- 京都嵐山保勝会嵐山の上流西高瀬川分岐点に小型水力発電機を設置して渡月橋を照らしている
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