ボーモルのコスト病

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ボーモルのコスト病 (Baumol's cost disease) は、経済学用語の一つ。単にボーモル病コスト病とも呼ばれている。ボーモル効果と呼ばれることもある。

経済学者ウィリアム・ボーモルとウィリアム・G・ボーエンによって1960年代に見出された現象である。ボーモルとボーエンの研究は、もともと実演芸術に関してなされた。ボーモルとボーエンは、ベートーベン弦楽四重奏を演奏するのに必要な音楽家の数は、1800年と現在とで変わっていないということを指摘した。つまり、クラシック音楽の演奏の生産性は上昇していない。他方、自動車製造部門や小売部門のような商業部門では、機械や器具の技術革新によって絶えず生産性は上昇している。それに対して、実演芸術や看護、教育のような労働集約的な部門では、人的活動に大きく依存しているため、生産性はほとんどあるいはまったく上昇しない。弦楽四重奏の例と同じく、看護師が包帯を交換する時間や、大学教授が学生の文章を添削する時間は、1966年と2006年の間で、短縮されていない。

ボーモルのコスト病は、公立病院や公立大学のような公共サービスの生産性が上昇しないことを説明するために、用いられてきた。行政活動の多くは、かなり労働集約的であり、国民一人当たりの人員を削減することは難しい。生産性の上昇はほとんど可能ではない。結果として、官僚制の費用は、国内総生産 (GDP) よりも大きく増大していく。

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