ボーア磁子

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ボーア磁子(ボーアじし、記号\mu_\mathrm{B}: Bohr magneton)とは原子物理学において電子磁気モーメント定数1913年ルーマニア物理学者ステファン・プロコピウ英語版が発見し[1]、その後2年後にデンマークニールス・ボーアによって再発見された。そのためボーア=プロコピウ磁子[2]と呼ばれることもある。

様々な単位系でのボーア磁子の値
単位系 単位
SI 9.274 009 15(23) × 10-24[3] JT-1[4]
eV 5.7883 × 10-5 eVT-1
CGS 9.274 009 15(23) × 10-21[5] ErgOe-1
原子単位 1/2 なし

ボーア磁子はSI単位系では以下のように定義される。

\mu_\mathrm{B} = {{e \hbar} \over {2 m_\mathrm{e}}}

またガウスのCGS単位系では以下となる。

\mu_\mathrm{B} = {{e \hbar} \over {2 m_\mathrm{e} c}}

ここで

e電気素量,
\hbar換算プランク定数,
m_e電子静止質量
c光速

ボーア磁子は電子の磁気双極子モーメントを表すのに自然な単位である。電子は本来、ほぼボーア磁子に等しい磁気双極子モーメントをもつ[6]。そのため磁気モーメントの大きさをボーア磁子の大きさを基準にした有効ボーア磁子数\mu_\mathrm{eff} = \mu / \mu_\mathrm{B}で表すことがある。しかし実際の電子の磁気モーメントの大きさはボーア磁子から少しずれる。その差\mu_\mathrm{e}-\mu_\mathrm{B}異常磁気モーメントと呼ばれ、量子電磁力学においてくりこみ理論を用いて説明される。

核磁子との関係[編集]

ボーア磁子

\mu_\mathrm{B} = \frac{e \hbar}{2 m_\mathrm{e}}

に対し、核磁子

\mu_\mathrm{N} = \frac{e \hbar}{2 m_\mathrm{p}}

と表される。ここで核子の質量m_\mathrm{p}は電子の質量に対し約1840倍であるため、核磁子はボーア磁子の約1/1840となる。

参考文献[編集]

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  1. ^ Ştefan ProcopiuDetermining the Molecular Magnetic Moment by M. Planck’s Quantum Theory - Bulletin scientifique de l’Académie roumaine de sciences、ブカレスト、1913年
  2. ^ : Bohr-Procopiu magneton
  3. ^ CODATA
  4. ^ 単位のJ•T-1A•m2や、C•m2s-1とも表すことができる。
  5. ^ Robert C. O'Handley (2000). Modern magnetic materials: principles and applications.、John Wiley & Sons. ISBN 0-471-15566-7 page 83
  6. ^ A. Mahajan and A. Rangwala. Electricity and Magnetism, p. 419 (1989). Via Google Books.

関連項目[編集]