ボジョレー

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ボジョレーの位置

ボジョレーフランス語: Beaujolais IPA表記:[boʒɔˈlɛ] ; アルピタン語: Biôjolês)は、フランス南東部・リヨンの北に位置する土地で、特にワインの産地として知られる。ローヌ県の北、ソーヌ=エ=ロワール県の南となる。フランス革命以前、ボジョレーは単独のであった。

"Beaujolais" という地名は "Beaujeu"(ボージュー。かつてのこの地方の中心地)に由来する。中心地はヴィルフランシュ=シュル=ソーヌである。

目次

[編集] 地理

ボジョレーの代表的コミューン
サン・リゴー山

ボジョレーは中央高地の北東部、丘陵地域である。東部がソーヌ川谷に接し、西がロワール川谷に接する。ボジョレーの標高最高地点は、1009mのサン・リゴー山である。

[編集] 歴史

1898年、ボジョレー出身の教師、クローディウス・サヴォワイエが先史時代のボジョレーに関する本を執筆した。

ボジョレーは、9世紀にはリヨネーおよびフォルズ伯爵ギヨーム(900年没)が納める男爵領であった。彼が死ぬと男爵領は息子のベラールが継承し、ベラールは初めてのボージュー卿(sire de Beaujeu)となった。この家系はギシャール5世の死んだ1265年に断絶した。

ギシャール5世の女子相続人イザボーは、フォルズ伯爵ルノーと結婚し、彼らの子孫が第2期のボージュー卿家となった。ボージュー男爵領は1400年、エドゥアール2世・ド・ボージューと甥ルイ2世・ド・ブルボンの取り決めによってブルボン家のものとなった。ルイ2世の子孫ピエール2世はフランス王女アンヌ・ド・フランスと結婚し、彼女はボージューの貴婦人(Dame de Beaujou)と呼ばれた。

1522年、ボジョレーはシャルル3世・ド・ブルボンから没収され、フランソワ1世の母ルイーズ・ド・サヴォワに与えられた。1531年に王領とされ、1560年にフランソワ2世によってモンパンシエ公ルイ3世・ド・ブルボン=ヴァンドーム(fr)に与えられた。彼の女子相続人であったマリールイ13世の弟ガストン・ドルレアンのもとへ1626年に嫁ぐ際、ボジョレーは彼女の持参金の一部となった。マリーは一女アンヌ・マリー(別名のグランド・マドモワゼルの名で知られる)を遺して急逝した。子のなかったアンヌ・マリーは、ルイ14世の弟フィリップ1世にボジョレーを遺贈した。

ボジョレーはのちにオルレアン家の持つ儀礼称号(ボジョレー伯)に取り立てられた。ボジョレー伯の称号を持っていた最後の王族は、フランス王ルイ・フィリップの実弟で1808年に独身のまま死んだルイ・シャルル・ドルレアン(fr)である。

[編集] 経済

コニファーを中心とした林業、テキスタイル産業が上げられるが、真っ先にワイン生産地域であることが上げられる。

[編集] ワイン

ボジョレー・ヌヴォ-
ボジョレー・ヌヴォ-(2010年)

毎年11月第3木曜日に解禁される、特産品の新酒をボジョレー・ヌヴォーBeaujolais nouveau)という。以前はその年のブドウの出来栄えをチェックすることを主な目的としたもので、ワイン業者が主な顧客であったが、その後、解禁日をイベントとして、新酒として大々的に売るやり方が確立され、現在はフランスでも、日本と同じ目的で一般の消費者向けに売られている(ブルゴーニュ地域圏マコネMâconnais)地区に隣接する地のワインはブルゴーニュ・ワインに分類される)。

[編集] ボジョレーワイン

「ボジョレー」と名乗ることのできるワインは赤ワインであればガメ(またはガメイ、gamay)種、白ワインであればシャルドネchardonnay)種を使用したものに限られ、これらはアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC)によって定められている。しかし、白ワインは全体の生産量の1%にすぎないという。

赤ワインには一部地域を除きピノ・ノワールpinot noir)種の補助的な使用も認められているが、今日ではもはやピノ・ノワールが使用されることはない。

[編集] クリュ・ボジョレー

この地域にはクリュ・ボジョレーと呼ばれる、より範囲の限定されたワイン産地が含まれる。下にこの範囲にはいっている村名を記す。なお、フランスのワイン法ではこれらの地域で作られたワインを生産された村名で販売することを許されているだけで、これらの地域からも単純なボジョレーワインとして地域名で出荷されることもある。

[編集] ボジョレー・ヴィラージュ

AOCボジョレーを構成する96ヶ村のうち、ソーヌ=エ=ロワール県の8か村とローヌ県の38か村は、ボジョレー・ヴィラージュのAOCを名乗ることができる。葡萄の収穫量やアルコール度数などが、普通のボジョレーより厳しい。ボジョレー・ヌヴォーにも、このAOCが適用される。

[編集] ボジョレー・ヌヴォー

2012年 11月霜月
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ボジョレー・ヌヴォーBeaujolais Nouveau)とはフランスブルゴーニュ地方南部に隣接する丘陵地帯・ボジョレーで生産されるヌヴォー(プリムールまたは試飲新酒)仕様の赤ワインである。したがって、ボジョレーの通常の赤ワインとは異なる。試飲酒だけに、通常のワインが出来上がるより早く試飲できなければ意味がないために、ヌヴォー(試飲新酒)用のボジョレーは、ブドウを収穫したら速やかに醸造してボトルへ詰め、収穫したその年の11月に出荷を済ませる。ヌヴォー(試飲新酒)仕様で軽い仕上がりの赤ワインである。前述の「ボジョレー・ヴィラージュ」(Beaujolais Villages)と呼ばれる、より限定された地域のものにもヌヴォーがあり、こちらには「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌヴォー」というラベルが貼られる。つまり、これらヌヴォーとは、その年に収穫されたブドウ(ガメ種)の出来具合を確認するための試飲酒のことである。そのために、短期間でワインとして完成させなければならず、MC(マセラシオン・カルボニック)法と呼ばれる急速発酵技術を用いて数週間で醸造される(新酒=通常のワインの出来たての状態、試飲新酒=ヌヴォー)。業者などの毎年大量にワインを購入する人にとっては、その年の購入量を決めるための指針ともなる。このことから、多くの日本人のようにあくまで試飲酒であるヌヴォーのみを購入する人々は、本末転倒であるとしてワインの知識がある人から蔑視されがちであるが、ワインの好みや飲み方は人それぞれであり、明確なルールがあるわけではない。

それぞれの国の現地時間で11月の第3木曜日(=11月15日-21日のうち木曜日に該当する日)の未明の午前0時に一般への販売が解禁される。特に日本は時差の関係から先進国の中で最も早く解禁の時を迎えると言われ、この時のためにワインとしては例外的に空輸される。24時間営業のスーパーマーケットレストランバーなどではイベントも兼ねて当日午前0時になった瞬間に販売を始めるところもある。梱包箱には「○○年11月○○日午前0時以前の販売および消費 厳禁」の文字が書かれている。

このヌヴォーはそもそも当地の農民が収穫を祝ったのが始まりとされる。本格的な輸出が始まったのは1968年である。当初の解禁日は11月15日であったが、1984年から11月の第3木曜日に改められた。解禁日が設けられた理由として、各メーカーがどこよりも早くヌヴォーを出荷しセールスを稼ごうと競い合っていたものがだんだんエスカレートしていき、ついにはワインとして十分出来上がっていないにもかかわらず出回るようになってしまったからである。

日本への航空便での輸入は1976年に開始された。1980年代後半のバブル期に大きなブームになり解禁日未明に成田空港に行って飲む人まで現れるなどの状況であったが、バブルの崩壊でブームが終わった。しかし1997年頃からの赤ワインブームに乗って再び脚光を浴び、近年はニュースでも解禁の様子が伝えられるほどで、バブル時代を上回る市場規模となった。2004年ものは過去最大の販売数量を記録した。

2003年のワインは100年に1度の出来、2009年のワインは50年に1度の出来と報道されるなど、毎年のように最高級の評価がなされることがある種の通例にまでなっており、[1]このような評価は第三者の一定の評価基準による評価ではないことに留意すべきである。

また、2009年のボジョレー・ヌヴォーは消費不況や製造・輸送コスト軽減の観点から大手ワイン・ビールメーカーやスーパーマーケット、ディスカウントストアからペットボトル型の商品が相次いで投入され、円高とも重なり、中には750mlのレギュラーサイズで1000円を切る激安ボジョレー・ヌヴォーも登場した[2][3][リンク切れ]。しかし、ボジョレー・ヌヴォー生産者側は伝統維持や品質保持に問題があることや「ペットボトルの中では(品質は)6カ月以上もたない」として、ペットボトル型商品の販売禁止を検討することを明らかにした[4]ものの、フランス政府から自由競争に反するという理由で認められず、2011年11月17日にペットボトル型の販売禁止のルールを導入することを断念すると発表した[5]。2011年ものでは、ハーフボトル(375ml)を390円や、3リットル紙パック入り2480円で販売するスーパーも出現した[6][7]

尚、各年度の評価には以下のようなものがある。

  • 1995年「ここ数年で一番出来が良い」
  • 1996年「10年に1度の逸品」
  • 1997年1976年以来の品質」
  • 1998年「10年に1度の当たり年」
  • 1999年「品質は昨年より良い」
  • 2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
  • 2001年「ここ10年で最高」
  • 2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
  • 2003年「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」
  • 2004年「香りが強く中々の出来栄え」
  • 2005年「ここ数年で最高」
  • 2006年「昨年同様良い出来栄え」
  • 2007年「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
  • 2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
  • 2009年「50年に1度の出来」
  • 2010年1950年以降最高の出来といわれた2009年と同等の出来」
  • 2011年「近年の当たり年である2009年に匹敵する出来」

[編集] ワインの特徴

独特の製造方法のためにごくわずかながら炭酸ガスを含有するのと、少ない酸とタンニンにより独特の清涼感をも感じさせてくれるワインでもある。しかし、醸造時に果梗との接触時間が長いため、果梗由来の特有の苦みを有する。また、果皮や種から溶出するタンニンや色素が少ない為、色は比較的薄く口当たりの柔らかいワインとなり、長期熟成には向かない。

[編集] 製法について

  • 葡萄収穫 → 未破砕のままタンクに入れる → 酵素による細胞内発酵 → その後、破砕、搾汁 → 酵母によるアルコール発酵 → 澱引き(濾過) → タンク貯蔵熟成 → 瓶詰め → 出荷(必要に応じ、二酸化硫黄を添加する)

一般のワインの場合は搾汁した葡萄液を酵母によりアルコール発酵させるのに対し、近代的なマセラシオン・カルボニック(カーボニック・マセレーション)法の場合は除梗と破砕をせず皮ごとボンベ由来の高濃度の二酸化炭素ガスまたは窒素ガス雰囲気(嫌気雰囲気)に果実を置く事から始める。この嫌気雰囲気下で、細胞内の酵素の作用により 1.5%~2.5%のアルコールとコハク酸グリセリンなどが生じリンゴ酸は減少し、果汁が自然にしみ出す。細胞内発酵と同時に、果皮は柔らかくなり浸み出した果汁の中では果皮に付着している天然の酵母による発酵と乳酸菌によるマロラクティック発酵 (Malo-Lactic Fermentation) も進む。しかし、短期間で発酵を終えるために一般的なワインより高温で醸造される事もあり、通常の酵母のみによる発酵と比較し、カルボン酸エステル類等のフレーバーの元となる物質は多く失われてしまうが、複雑なアロマや果梗由来の苦みが付与される。

伝統的手法では、酵母によって半発酵状態となっている搾汁液を二酸化炭素源として使用する。この細胞内発酵の期間は周囲の温度で状態は変動するが、通常は10日程度で終了する。この後搾汁した液体に酵母を添加し30~34℃前後で2~3日発酵させる。発酵を終えたワインは澱引きされ、瓶に詰められる。この手法は果梗と接触している時間が長いことから、酢酸菌乳酸菌による腐敗を起こす可能性がある。

半発酵状態の搾汁液を現地ではパラディと呼び(天国の意)、低アルコール度数のライトドリンクとして製造業者の密かな楽しみとなっているが、市場には出回らない。

[編集] ボトルラベル

ジョルジュ・デュブッフ社やアルベール・ビジョー社によるワインには斬新なデザインのカラーのボトルラベルが付いており、毎年新しいものとなる。

[編集] カタカナ表記について

Beaujolais のカタカナ表記については現在、種々の表記がみられる。

  • ボジョレー: 最後の音節に来る規範アクセント長音符で表した場合。テレビやコンビニで使われることが多い。
  • ボジョレ: 最後の音節に来る規範アクセントを長音符で表さない場合。「ボジョレー」と共に、雑誌やワイン売場の店頭でよく見られる。
  • ボージョレ/ボージョレー: eau を慣習的に長音の「オー」で転写する場合。仏語では eau は単母音であるが、これが英語に入ると二重母音 /ou/ で発音される(例えば bureau)。このカナ転写は、この英語的読みに由来する。ソムリエ協会や新聞で使われることが多い。

著名なフランス料理のシェフであるアラン・デュカスBeaujolais nouveauの最も近いカタカナ表記を「ボジョレ・ヌヴォー」としている[8]。『広辞苑』には「ボージョレー」として第四版(1991年)から記載された。なお、「ヴォジョレ(ー)」は、原音が/v/ではないので誤りである。

FORVOで実際の発音例を確認できる。

[編集] 脚注

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