ホームページ・ビルダー
| 開発元 | ジャストシステム |
|---|---|
| 最新版 | V16(2011年10月7日) |
| 対応OS | Microsoft Windows |
| 種別 | Webオーサリングツール |
| ライセンス | プロプライエタリ |
| 公式サイト | www.justsystems.com (日本語) |
ホームページ・ビルダーはジャストシステムが開発・販売している、WYSIWYG形式のWebオーサリングツールである。
2010年2月16日、V11以降の国内販売を担当していたジャストシステムが、日本IBMよりプログラムの著作権、商標権を取得したことを発表した[1]。これにより、V14までのバージョンのサポートが、2011年1月4日にジャストシステムへ移管された。現在、V15以降の新バージョンの開発、販売、サポートはジャストシステムが行っている。ATOKと違いユニコード化されていないため日本語版Windows以外で使おうとするとメニューなどが文字化けする。
目次 |
[編集] 概要
ホームページ・ビルダーは、日本IBMの大和開発研究所が開発し、1996年にバージョン1.0(V1.0)が登場した。
他のWebオーサリングツールは中級から上級者及び業務用として設計されているものが多く存在するが、当初IBMが自社のPCにプレインストールのソフトウェアとしても添付していたこともあり、ホームページ・ビルダーは主に初級者向けのソフトウェアとして設計されている。初心者向けでありながらも付属ソフトウェアの機能(文字入り画像、GIFアニメーション、ビデオ作成等)が充実していることから、現在に至るまで個人の利用者からウェブサイト制作の技術を有さない中小企業まで幅広く利用されている。ウェブサイト作成ツールとしては売り上げ11年連続1位である[2]。
近年では、他の企業と連携し掲示板やブログの作成をウィザード形式でおこなう機能が搭載されている。また、V6.5以降にはIBMによって開発されたHotMediaというJavaベースのマルチメディアプレイヤーに関する機能が搭載されており、ウィザード形式で動的なアプレットを作成することができる[3]。
ほぼ毎年バージョンアップが行われ、2010年現在バージョン15までが発売されている。インターネットの新たな技術などに合わせて、本ソフトも毎回機能アップをしている。
[編集] 販売元の変移
バージョン1.0からV8までは日本IBMが販売を担当していたが、V9はソースネクストと共同で、V10はソースネクストとジャングルの二社で行っていた[4]。V11ではソースネクストと独占販売契約が結ばれたが、その後、販売形態を巡って両社の訴訟に発展し、2008年8月に和解が発表された[5][6][7]。2007年12月発売のV12からは、既にV11で教育機関向けのライセンス販売を担当していたジャストシステムと提携を行い、販売は同社のみが行うこととなった[8]。IBMとジャストシステムの協業についてはブログでの紹介も行われている[9]。
2010年2月16日、ジャストシステムがIBMからプログラム著作権と商標権を取得したことを公表した[10]。これによりV15以降はジャストシステムブランドにより開発・販売される。V14までの既存ユーザーへのサポートは2010年12月28日までは日本IBMが行い、2011年1月4日以降はジャストシステムへと移管される[11]。
[編集] 作成モードごとの特徴
ホームページ・ビルダーは、HTMLのタグなどを知らなくてもウェブデザインができるようにWYSIWYGで動作するモードが主体となっており、操作性の高さなどから初心者から高い評価を得ている。しかし、動作モードや設定などの指定によっては、出力されるHTMLなどに問題が発生することがある(タグが自動的に修正されてしまうなど)ため、利用には注意が必要である。それらの問題が理由で、プロのウェブデザイナー(ウェブページ制作者)の場合、ホームページ・ビルダーを使用することはまずない。
WYSIWYGで動作するモードには「どこでも配置モード」と「標準モード」の二種類がある。
[編集] 標準モード
「標準モード」の場合、文字や画像などの要素は、ページのカーソル位置に挿入されるなど、ワープロソフトのように段組形式で動作する。ページのレイアウトには通常、テーブルタグによる表形式のレイアウトを使用する。
また、どちらのモードでも
<META name="GENERATOR" content="IBM WebSphere Studio Homepage Builder Version バージョン名 for Windows">
という内容がMETAタグに挿入されていた。
最近のバージョンでは、非表示にする設定も可能である (ただし最新バージョンでも、初期設定は表示する形である)。
[編集] どこでも配置モード
「どこでも配置モード」では文字や画像の配置を自由に行える。実際の配置指定はCSSによって行われている。このため、CSSに対応していないような古いブラウザによってはウインドウ幅を変えるとデザインが崩れたり[12]するなど、Webブラウザの互換性に配慮が足りないページを作成してしまう[13]などといった問題も指摘されている。また、「ブラウザ互換のレイアウトに変換する」機能で互換性は保つことができるのだが、その際にTABLEタグによるレイアウトに変換してしまうため[14]、テーブルレイアウトを推奨しないウェブ標準に基づくHTML本来の使い方からかけ離れている、位置あわせの意味しか持たないスペーサー画像(GIFなど)を多数挿入している、などに関わる問題は残ると指摘される[1]。 (日本語)
このモードを使用した場合、下段のMETAタグが追加される。
<META name="GENERATOR" content="IBM WebSphere Studio Homepage Builder Version バージョン名 for Windows"> <META name="IBM:HPB-Input-Mode">
[編集] 名称の影響
ホームページとは本来、ウェブブラウザを起動した時や、多くのブラウザに存在するホームボタンを押した時に表示されるウェブページを指すが、日本を含む一部の国では誤用が広まり、ウェブサイトそのものを指すようになった(詳しくは「ホームページ#ホームページという言葉」を参照)。このソフトウェアの名称が、日本においてこの誤用を大きく広めた原因のひとつであると、この誤用に関心をもつ者たち[要出典]の間では考えられている。
[編集] 作成したウェブサイトの影響
情報処理推進機構(IPA)がオープンソースソフトウェア活用基盤整備事業の一環として行った「OSSデスクトップ普及に資するWebコンテンツ互換性向上に関する調査[15]」によると、国内のウェブサイトにおける非互換要因の一つとして、ホームページ・ビルダーの名前が調査書の中で挙がっている[16]。シェア数が多いだけに影響が大きいと指摘されている。
[編集] CSSへの対応
Web標準が唱えられている今日、文章の構成とデザインの分離が重要な項目となってきた。 その流れにのり、ホームページ・ビルダーもバージョン11からCSS(スタイルシート)に正式対応となった。 しかし「編集モード」や「プレビューモード」ではCSSをほとんど正しく解釈しないため、完全にCSSに対応しているとは言えない。
[編集] 付属品
- ウェブアート・デザイナー(グラフィックの作成)
- ウェブビデオ・スタジオ(ビデオファイルの編集、Web用に最適化)
- FTPツール(ファイル転送ツール)
- デジすたマーカー(画像にスタンプを挿入するツール)
- CSSエディタ(CSSファイル編集ツール、Ver.11以上のバージョンに付属)
[編集] リリース履歴
- 1994年:ホームページ・ビルダー バージョン1.0
- 1996年12月:ホームページ・ビルダー バージョン2.0
- 1997年10月:ホームページ・ビルダー バージョン3.0
- 1998年11月:ホームページ・ビルダー 2000(V4)
- 1999年10月:ホームページ・ビルダー 2001(V5)
- 2000年11月:ホームページ・ビルダー V6
- 2001年11月:ホームページ・ビルダー V6.5 with HotMedia
- 2002年11月:ホームページ・ビルダー V7
- 2003年12月:ホームページ・ビルダー V8 および ホームページ・ビルダーfor iモード
- 2004年11月:ホームページ・ビルダー V9
- 2005年12月:ホームページ・ビルダー V10
- 2006年12月:ホームページ・ビルダー V11
- 2007年12月:ホームページ・ビルダー V12
- 2008年12月:ホームページ・ビルダー V13
- 2009年12月:ホームページ・ビルダー V14
- 2010年12月:ホームページ・ビルダー V15
- 2011年10月:ホームページ・ビルダー V16
この他に、データベースと連動したWebページの構築が可能なDBホームページ・ビルダーという製品を発表しているが、初版の1.0以降はバージョンアップされていない。ホームページ・ビルダー V10でデータベース連動機能が追加されているため、統合されたものと思われる。
[編集] 脚注
- ^ ジャストシステムがIBMから「ホームページ・ビルダー」のプログラム著作権と商標権を取得 (日本語)
- ^ PC・携帯 ホームページ/ブログ作成ソフト ホームページ・ビルダー15 (日本語)
- ^ ホームページ・ビルダー V6.5 with HotMedia (日本語)
- ^ ホームページ・ビルダー対決、ソースネクストvsジャングル、勝者は? | BCNランキング (日本語)
- ^ ホームページ・ビルダーの販売を巡り、ソースネクストと日本IBMが訴訟 (日本語)
- ^ 日本IBMとソースネクスト、HP作成ソフトの販売権裁判で一部和解も平行線:ITpro (日本語)
- ^ 「IBMホームページ・ビルダー V11」の訴訟和解に関するお知らせ - 日本IBM (日本語)
- ^ IBMの「ホームページ・ビルダー」新版、販売面でジャストと協業:ITpro (日本語)
- ^ 「IBM ホームページ・ビルダー 12」IBM×ジャストシステムの軌跡 (日本語)
- ^ ジャストシステムがIBMから「ホームページ・ビルダー」のプログラム著作権と商標権を取得 (日本語)
- ^ V15については、発売日が2010年12月3日であったこともあり、発売当初からジャストシステムがサポートを行っている。
- ^ IBM パーソナル・ソフトウェア|「どこでも配置モード」の考慮事項について (日本語)
- ^ IBM パーソナル・ソフトウェア|「どこでも配置モード」で作成したページが、Web ブラウザによって表示がおかしくなります (日本語)
- ^ IBM パーソナル・ソフトウェア|「ブラウザ共通のレイアウトに変換して保存」とは (日本語)
- ^ 国内20万サイトのWebブラウザ互換性を調査,172種もの非互換要因を発見:OSSセンター談話室:ITpro (日本語)
- ^ 詳細はOSSデスクトップの普及に資するWebコンテンツ互換性向上に関する調査報告書(PDF) (日本語)の「3.5.4.6 Generator記述別の非互換要因数の傾向」を参照。