ホンハブ
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ホンハブ |
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Protobothrops flavoviridis (Hallowell, 1861) |
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| ハブ ホンハブ |
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| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Okinawa habu Yellow spotted lance-head snake Yellow spotted pit viper |
ホンハブ(本波布、Protobothrops flavoviridis、シノニム:Trimeresurus flavoviridis)は、クサリヘビ科ハブ属に分類されるヘビ。単にハブとも。日本で最も危険な毒ヘビである。
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[編集] 分布
日本(奄美大島、枝手久島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島、伊平屋島、伊江島、水納島、瀬底島、古宇利島、屋我地島、沖縄本島、藪地島、浜比嘉島、平安座島、宮城島(うるま市・大宜味村両方とも)、伊計島、渡嘉敷島、渡名喜島、奥武島、久米島の計22島に生息する。)固有種
[編集] 特異な分布
ハブは南西諸島において、飛び石状の特異な分布をしていることが知られている。北からトカラ列島に近縁種のトカラハブが、奄美諸島と沖縄諸島にはハブとヒメハブが、八重山諸島にはサキシマハブが生息するが、宮古諸島には生息しない。また、奄美大島、徳之島、沖縄本島にはハブがいるが、その間の沖永良部島、与論島には生息しない。沖縄本島周辺では、久米島、渡名喜島には生息し、粟国島にはいない。慶良間諸島でも、渡嘉敷島には生息するが、座間味島にはいない(ただし、ヒメハブは生息)など、近接した島でも生息する島と生息しない島が分かれている。
この理由について、現在考えられているのは、間氷期の海進の影響である。南西諸島の島々は、大きく分けて隆起石灰岩からなる標高の低い島と、火成岩からなる標高の高い島があり、低い方の島は、最高部でも標高が100mほどしかない。そこで、以下のような仮説が立てられる。
- 氷河期に陸続きであった琉球列島に、ハブ類が分布を広げた。
- 氷期が終わり、海面が上がり、島々が孤立。
- さらに海水面が上昇し、低い島は水没、陸上動物は全滅した。
- 海水面が下がると低い島も顔をだすが、ハブは渡ってこられない。
ただし、ヒメハブがいるのにハブがいない島、その逆にハブはいるが、ヒメハブはいない島などもあり、詳細については問題もある。しかし、おおざっぱに言えば、ハブのいない島は標高の低い島であり、固有種も少ない傾向がある。
[編集] 形態
最大全長250cm。通常は100~150cm程度だが、沖縄本島産では2005年11月13日に糸満市で225cmの個体が捕獲されている。属内でも大型だが、その要因として本種の生息地にナメラ属が分布しなかったことにより本種がその生態的地位(ニッチ)を占めたとする説もある。体色や斑紋には地域変異がある。種小名flavoviridisは「黄緑」の意。
[編集] 毒
毒性は出血毒で、噛まれた直後から細胞組織の破壊が始まるため、患部は大きく腫れ上がり、激痛を伴う。毒の回りは遅く、じわじわと組織を破壊しながらゆっくりと全身に回っていく。 これはハブの毒が元々獲物を消化する消化酵素であるためで、組織の破壊とはすなわちタンパク質の分解である。 飲み込む前から消化を始めることによって、獲物を消化管内に留める時間を短縮することができるのである。
また、奄美諸島のハブと沖縄諸島のハブは毒性等が異なり、奄美のハブが強いといわれているが、毒性そのものではニホンマムシの方が強いとされる。但し、ニホンマムシの場合は体が小柄で、毒の注入量はハブほどでは無いので、ハブほどクローズアップされてはいない。
[編集] 生態
平地から山地の森林、草原、水辺、農地に住む。地表でも樹上でも活動する。ネズミを追って、人家周辺にも入り込む。沖縄式の墓は、石垣を高く積み、藪や森の近くに作られるので、ハブがよく住み着くと言われる。実際に発見される場としては、サトウキビ畑も多い。サトウキビ畑は、年に一回の刈り取り以外は高い草に覆われ、外部からハブが侵入する機会が多い。これをすべて刈り取るので、その際に発見される。ただし、キビ畑で常時生活しているものではなく、本島南部のように、森林も藪も少なくて一面にサトウキビ畑という環境では、ハブの出現は少なくなる。夜行性で、昼間は地面に空いた穴の中等で休む。
非常に獰猛であり、ピット器官で感知したものには即座に襲いかかる攻撃的な生物である。攻撃時には体の2/3ほども伸ばして毒牙を立てる。このしなる鞭のように俊敏なハブの攻撃は、現地の人は「ハブに打たれる」と称している程である。
食性は動物食で、哺乳類、小型鳥類、トカゲ、カエル等を食べる。特にネズミを好み、ハブの獲物の九割がネズミであるとも言われる。そのため、危険な毒蛇ではあるが、沖縄・奄美の農業にとっては、非常に重要な存在となっている。ハトやウサギを飲み込むこともできる。ネコを飲み込んでいた例もある。
繁殖形態は卵生で、7月に1回に5-15個の卵を産む。繁殖期にはオス同士でからみつきあい争う(コンバット)。メスは出産直後から、しばらくの間は卵を守る。
[編集] 人間との関係
ネズミを追って人家に侵入することもあり、人間の生活の中で接する機会が多いので、世界的に見ても非常に危険な毒蛇の一つに数えられている。
反面、ネズミを捕らえる事は人にとっては大きな利益となるため、「益獣」としての存在位置も大きい。『完本 毒蛇』(小林照幸薯 文春文庫)では、ハブについて、次のような台詞がある。「毒さえなければ、ハブほど役に立つ動物はいない」
非常に荒い性格故に、現在も事故が絶えないが、一方でハブの攻撃性故に森への出入りを恐れる人が多く、その為に琉球列島の森には長らく人の手が入ることはなく、結果的にそれが良好な森林環境を守ってきたとも言われている。
かつては噛まれたら助からないと言われるほどの危険なヘビであったが、血清治療の発達により、今では死亡率は1%以下である。ただし、人里離れた野外で噛まれた場合には、血清治療が間に合わない危険性がある。実際、戦後に琉球大学の生物学助手が離島でハブに噛まれ死亡している。また、筋肉や血管を破壊する毒であり、命を取り留めても、筋肉が失われるなどの重い後遺症が残る場合がある。
戦後、沖縄本島の各所に駐留している在日米軍沖縄駐留部隊にとってもハブは大きな脅威であり、「Habu」という和名は在日米軍内でも本種を指す単語として通じる程である。
余談だが、TVドラマ版『男はつらいよ』では、車寅次郎はハブ獲り名人となって一旗上げることを目指して奄美大島に渡り、ハブに噛まれて死亡した、という最終回となっている(沖縄ではなく奄美大島なのは、放映当時沖縄は日本に返還されていないため)。
[編集] ハブ酒
ハブを泡盛に漬けた沖縄の酒の品種。漢方由来のマムシ酒と同じく薬酒の一種とされるが、科学的根拠はない。
[編集] 参考文献
- 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、146頁。
- 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、328頁。
- 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、135頁。

