ホミサイド/殺人捜査課

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ホミサイド/殺人捜査課
Homicide: Life on the Street
フォーマット 警察ドラマ
製作者 ポール・アタナシオ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
シーズン数 7
話数 122 (エピソード一覧)
製作
放送時間 44 - 49分
放送
放送局 NBC
放送期間 1993年1月31日 (1993-01-31) – 1999年5月21日 (1999-5-21)
関連番組 『ロー&オーダー』

ホミサイド/殺人捜査課』(Homicide: Life on the Street)は 1993年から1999年までNBCネットワークで放送されたテレビドラマシリーズである。

概要[編集]

『ホミサイド/殺人捜査課』はポール・アタナシオによってテレビ化が企画され、映画監督のバリー・レヴィンソントム・フォンタナが製作総指揮を取った。ボルチモア市警殺人捜査課の刑事達の日常を描いており、全7シーズンに加え2000年には特別編『ホミサイド ザ・ムービー』が放送された。原作は新聞記者デヴィッド・サイモンのノンフィクション『Homicide: A Year on the Killing Streets』であり、多くの登場人物および事件が事実に基づいている。

『ホミサイド/殺人捜査課』の特筆すべきところは、殺人課の刑事達の日常描写である。たとえば、事件が未解決のまま終わってしまったり、刑事達が副業でバーを経営するなどといった現実的な話は過去のドラマでは見られなかったものである[1]。撮影には16ミリの手持ちカメラを用い、ロケは実際にボルチモア市内で行ったことでスピーディーで臨場感がある映像を作ることに成功している。場面の瞬間的な飛躍や、場面カットに細かく対応した音楽、重要なシーンを視点を変えて何度も繰り返し見せるといった編集は革新的であり、現在のドラマに大きな影響を与えている。また、シリーズを通して多くの黒人が重要な役を担ったことはそれまでのドラマには無いことであり、黒人が多数を占めるボルチモアの描写に現実感を与えている[2]

初回の放映時間はスーパーボウルの直前であったにもかかわらず視聴率は伸び悩み、当初から番組は打ち切りの危機に瀕していた。しかしながら初年度に2つのエミー賞を受賞したことに加え、『NYPDブルー』など警官もののドラマがブームとなってきたため番組は打ち切られることはなかった[3]

その後NBCは視聴率を上げるため番組に多くの変更を要求した。この圧力によりクロセッティ役のベテラン俳優ジョン・ポリトは降板させられた。そして脚本家に対しハッピーエンドとなるエピソードを多く書くように要求し、複数の事件を同時に進行させないように注文をつけた[4]。このようなNBCの動きがあったにもかかわらずニールセンの視聴率は低調だった。しかし『ホミサイド/殺人捜査課』は批評家には常に人気があり、現在では刑事ものの古典として評価が確立している[5]

また、日本人留学生射殺事件をほぼ忠実に再現したエピソードもある。同エピソードでは、留学生が日本人はトルコ人に、ハロウィンパーティはロックバンド「KISS」のコスプレパーティに変更された。更に被疑者はベイリスの親戚と言う設定が追加され、パートナーで事件の捜査担当である黒人のペンブルトンとの対立を組み入れている。

出演者[編集]

レギュラー[編集]

アル・ジャデーロ警部補/ヤフェット・コットー(日本語吹き替え:亀井三郎
殺人課のボス。部下思いだがなかなか昇進のチャンスに恵まれない。
ティム・ベイリス刑事/カイル・セコー (日本語吹き替え:川中子雅人
第一話でSWATから転属してきた刑事。直情的な性格であり、ペンブルトンとコンビを組むが当初は息が合わないことが多かった。最初に担当したアディーナ・ワトソン事件はベイリスの刑事人生に大きな影響を与えた。最終話で殺人課を辞職するため、ホミサイドはベイリスが主役であるとも言える。
フランク・ペンブルトン刑事/アンドレ・ブラウワー(1-6シーズン)(日本語吹き替え:青山穣
自分ひとりで捜査を進めたがる一匹狼の黒人刑事。頑固な性格でコンビを組むベイリスと衝突することもしばしばだが、事件に対する熱意は人一倍ある。キリスト教信者。
ジョン・マンチ刑事/リチャード・ベルザー(日本語吹き替え:田原アルノ
殺人課勤務が15年を超えるユダヤ人刑事。皮肉屋でひねくれた性格な上、女性関係にはだらしない。ベイリス・ルイスと共同でバー「ウォーター・フロント」を経営し、休日は自身もバーテンダーになるが経営に四苦八苦する。刑事になる以前にヒッピーだった過去を持つ。最終話以降はニューヨークへ転属となった。愛称は「マンチッチ」(英語ではオズの魔法使い由来の"en:munchkin")
スタンリー・ボランダー刑事/ネッド・ビーティー(1-3シーズン)(日本語吹き替え:茶風林
大ベテランの刑事であり、マンチとコンビを組む。心優しい性格で仲間からも慕われている。恋多き男で妻と離婚した後は様々な女性と関係を持とうとした。
メルドリック・ルイス刑事/クラーク・ジョンソン(日本語吹き替え:大黒和広
髭の似合う黒人刑事。パートナーの不幸が続き、クロセッティ、ケラマン、シェパードと何度もパートナーが変わっている。
スティーブ・クロセッティ刑事/ジョン・ポリト(1-2シーズン)(日本語吹き替え:稲葉実
ルイスとコンビを組む。両親は肉屋を経営しており「サラミ頭」とからわれると激怒する。しきりにリンカーン暗殺に関する独自の見解を周囲に披露する。
ケイ・ハワード刑事/メリッサ・レオ (1-5シーズン)(日本語吹き替え:紗ゆり
男ばかりの殺人課で活躍する女性刑事。事件解決率は殺人課ナンバーワン。実家は漁師であり殺人課の仕事にまいってしまったときに実家に帰ってしまったこともあった。一時期はダンバースと付き合っていた。後に巡査部長試験に合格する。
ボー・フェルトン刑事/ダニエル・ボールドウィン (1-3シーズン)(日本語吹き替え:塩屋翼
陽気な性格でハワードとコンビを組むが恋愛関係には無い。ラッサートとは不倫関係にあり、妻との別居に悩む。
メーガン・ラッサート刑事/イザベラ・ホフマン (2-4シーズン) (日本語吹き替え:西川美也子
本来、レギュラー陣とは別シフトの警部補だったが、バンファーザーの昇進に合わせて警部に昇進する。しかし、ある事件の責任をとらされ平刑事に降格される。「ミート・ザ・プレス」のキャスターであるティム・ラッサートとはいとこと言う設定である。
マイク・ケラマン刑事/リード・ダイヤモンド (4-6シーズン) (日本語吹き替え:田坂秀樹
もともと放火課に所属していたがある事件を契機に殺人課と関わるようになり、ジャデーロによって殺人課に引き抜かれる。ルイスとは名コンビを組むが放火課時代の汚職事件に巻き込まれ、さらにルーサー・マホーニーとの確執により次第に生活が破綻していく。
J・H・ブロディ/マックス・パーリッチ (4-5シーズン) )(日本語吹き替え:椿基之
以前はテレビ局のカメラマンだったが、殺人課と契約して事件現場を撮影し映像を証拠として保存する仕事をしている。刑事達からはよくからかわれている。常に帽子をかぶっているが・・・
ジュリアナ・コックス監察医/ミシェル・フォーブス (5-6シーズン) (日本語吹き替え:鈴木紀子/現:すずき紀子
スチュアート・ガーティー刑事/ピーター・ゲレッティ (6-7シーズン) (日本語吹き替え:塩屋翼
ポール・ファルゾン刑事/ジョン・セダ (6-7シーズン)(日本語吹き替え:吉田裕秋
元ボクサー。
ローラ・バラード刑事/キャリー・ソーン (6-7シーズン) (日本語吹き替え:たまきまゆ
テリー・スタイバース刑事/トニー・ルイス (5-7シーズン) (日本語吹き替え:小川里永子
マイク・ジャデーロ捜査官/ジャンカルロ・エスポジート (7シーズン) (日本語吹き替え:向井修
FBI。
レネ・シェパード刑事/マイケル・ミシェル (7シーズン)(日本語吹き替え:岡本章子

準レギュラー[編集]

エド・ダンバース検事
ジェリコ・イヴァネク(日本語吹き替え:幹本雄之伊藤栄次
ジョージ・バンファーザー警部
クレイトン・レボフ)(日本語吹き替え:伊藤栄次
ロジャー・ギャフネー刑事
ウォルト・マクファーソン)(日本語吹き替え:塩屋翼
シャイナー監察医
ラルフ・タバキン
メアリー・ペンブルトン
アミ・ブラブソン

ゲスト出演者[編集]

他に、バリー・レヴィンソン監督自身が第66話「ドキュメンタリー」で刑事ドラマの撮影をするバリー・レヴィンソン監督役で出演している。

エピソード[編集]

ホミサイド/殺人捜査課のエピソード一覧

クロスオーバー[編集]

マンチ刑事の活躍[編集]

リチャード・ベルザーが演じるジョン・マンチは『ホミサイド』の人気キャラクターだが、『ホミサイド』以外にも7つのドラマにマンチとして出演している。

受賞[編集]

多くの批評家に絶賛された『ホミサイド/殺人捜査課』は、エミー賞において7年間で4つの受賞と13のノミネートを得た。また1996年から1998年まで3年連続でテレビ批評家賞の最優秀ドラマ部門に選ばれ、ピーボディ賞の最優秀ドラマ部門に3年連続で選ばれた(1993年、1995年、1997年)初のドラマである。

受賞エピソード[編集]

"永遠への出発" (1-1) エミー監督賞 (バリー・レヴィンソン)
"亡霊のささやき" (1-3) エミーゲスト女優賞ノミネート (グウェン・ヴァードン)
"アディーナと三人の男たち" (1-5) エミー脚本賞 (トム・フォンタナ)
"災厄の日" (2-1) エミーゲスト男優賞ノミネート (ロビン・ウィリアムズ)
"帽子" (4-12) エミーゲスト女優賞ノミネート (リリー・トムリン)
"人質(Part1&2)" (5-1,2) エミーゲスト女優賞ノミネート (アン・メイラ)
"暴動" (5-3) TVガイドが選ぶTVエピソードベスト100 (1997)において32位[6]
"地下鉄" (6-4) エミー脚本賞 (ジェームズ・ヨシムラ)
エミーゲスト男優賞ノミネート (ヴィンセント・ドノフリオ)
TVガイドが選ぶTVエピソードベスト100 (2009)において28位[7]
"安楽死" (6-16) エミーゲスト女優賞ノミネート (アルフレ・ウッダード)
"蘇った事件" (6-21) エミーゲスト男優賞ノミネート (チャールズ・ダーニング)
"陰謀" (7-15) エミー監督賞ノミネート (LAW & ORDER:性犯罪特捜班とのクロスオーバー後編)

DVD[編集]

日本語版[編集]

商品名 発売日
ホミサイド殺人捜査課 シーズン1 DVD BOX 2008年6月25日
ホミサイド殺人捜査課 シーズン2 DVD BOX 2008年12月26日

CS放送スーパーチャンネルにて日本初放送 (全話放送) 2001年9月5日~2002年3月3日[8]
ホミサイド ザ・ムービーも同局で2002年4月放送[8]

各エピソードの邦題は原題通り、もしくは内容に即したものになっている。
日本語版製作は東北新社だが、異常な邦題を得意とするこの会社の通常パターンとは異なる。

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Simon, David (1998年11月4日). Anatomy of "Homicide: Life on the Street" (Documentary). Baltimore, Maryland: Public Broadcasting Service. 
  2. ^ Mascaro, Thomas A. (2004-03-22). “Homicide: Life on the Street: progress in portrayals of African American men”. Journal of Popular Film and Television. ISSN 0195-6051. OCLC 4652347. http://web.archive.org/web/20071016183709/http://www.encyclopedia.com/doc.aspx?id=1G1:115399891 2014年4月25日閲覧。. 
  3. ^ Leonard, John (1998年11月4日). Anatomy of "Homicide: Life on the Street" (Documentary). Baltimore, Maryland: Public Broadcasting Service. 
  4. ^ Levinson, Barry (2003年) (Audio commentary). Homicide Life on the Street – The Seasons 1 & 2 (DVD). A&E Home Video. 
  5. ^ The New Classics: TV”. Entertainment Weekly (2007年6月18日). 2014年4月25日閲覧。
  6. ^ http://web.archive.org/web/20071028140448/http://members.aol.com/speaker606/jim/tv.html
  7. ^ http://www.imdb.com/list/mDwYpIpc8m8/
  8. ^ a b http://www.superdramatv.com/line/homicide/